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QUEEN'S WORLD  作者: 猫本
2/6

第一話 『怪物』

新しい話が書きあがったらその都度投稿していきますので、月一くらいのペースになると思います。

 佐々木慶(ささきけい)が優しいというのは彼の家族や友人からしてみれば火を見るよりも明らかであり、実際彼が今正体不明の怪物に襲われているのだって、その優しさが原因なのだが、当の本人は自分のことを理想的な人間だなんてこぽっちも思っていない。

 その優しさには別に昔の経験からとか、親の遺言を守っているからとかいう理由はなく(両親は健在だ)、単純に人に厳しく当たる勇気がないからだ。

 一口に優しい人といっても大きく分けて二種類いて、一つは本当に人のことを考えて怒るときはちゃんと怒るというような芯の強い優しさ。もう一つは相手の機嫌を取るためにとにかく人に都合の良い態度をとるという無責任な優しさ。慶は後者であり、彼は人のことを怒るという経験が一切といっていいほどないのである。

 自分は人にとって都合のいい人間であるということが慶自身まだ中学生ながらわかっているから、自分の性格、というか自分自身を心底嫌っていて、それでも人に厳しくはできないからやっぱり人に優しくしてしまう。


 つまるところ、ただのお人好し。それが佐々木慶という人間である。




「はぁ……はぁ……」

 薄暗い森の中を制服姿のまま走る。

 見たこともない植物の根を飛び越え、葉の下を走り抜けていく。どれもこれもいびつな形だ。葉には暗い緑色に不気味な模様が見られる。

 もう何もかもが気味が悪い。その気味の悪さが余計に慶の体力を奪う。

「ギイィッ!」

 慶は驚いて後ろを見た。

 相変わらず例の怪物が追いかけてきている。大きさは慶と同じくらいだが、その背中からはコウモリのような翼が生えており、手足には鋭い鍵爪が生えている。胸からは肋骨が見えるほど痩せ細っているのにお腹は大きくふくれていた。耳障りな鳴き声を上げて、空を飛びながら慶との距離を詰めてくる。

(なんなんだ一体……)

なぜこんなことになったのか、慶にはその理由がわからなかった。いや、怪物に追われている理由は明らかなのだが、この怪物は何者なのか、ここは一体どこなのか、なぜこんな気味の悪い森の中にいるのか、等々わからないことだらけだ。

 わからないことだらけだが、そんなことを考えている余裕はない。今重要なのはこの怪物から逃げ切れるかどうかだ。相手はかなり速度で飛んでいるし、慶は特に運動が得意なわけでもない。体力も限界が近かった。



 疲労により足取りがおぼつかなくなり、むき出しになっている何かにつまづいた。

「うわっ」

派手に転んでしまう。焦ってしまって起き上がるのが遅れる。怪物はすぐ後ろだ。

「ヤバいっ」

怪物の奇声が間近で聞こえた。慶の目の前に降り立った後、化物はその鋭い爪で襲いかかってくる。慶はとっさに手で防御姿勢をとった。目をつむりながら。



「……?」

 しばらくそのままの体勢でいたが、なんの衝撃も痛みもないことに疑問を抱きながら、ゆっくり目を開いた。

「え……なんだこれ」

見るとさっきまで慶の脅威であったはずの怪物が変わり果てた姿になっている。

(死んでる……?)

疑問に思うまでもなく怪物は絶命していた。ふくれていたお腹はぺしゃんこにつぶれており、恐ろしい爪が生えた手足は変な方向にひしゃげている。死後硬直というやつなのか体全体がピクピクと痙攣していた。

(誰かが助けてくれたのかな……?)

そう思ってあたりを見回してみあるものがめにるが慶以外に人っ子一人いない。

(そういえば、僕は何に……)

躓いたんだろうと、思おうとしたところで足元にあるそれが目に入った。

「ひっ……!」

変な声が出た。無理もない。足元にあったのは下半分が埋まっている人間の白骨死体だったのである。



 その二つの死体に驚きつつも、とりあえず、慶はある理由からさっき怪物に遭遇した場所に引き返すことにした。歩きながら慶はいまの自分の状況を整理してみる。

(ここは一体どこなんだろう)

見渡す限りどす黒い緑だ。見上げても高い木の葉に覆われてほとんど何も見えない。そのせいで光が届いてこないので辺りは薄暗く、下を見ても気持ち悪い緑色の苔が生えているばかりである。しかも、その植物は全く見たことがないものだったのだ。

 別に彼は植物に詳しいわけでもなく、見たことのない植物くらいあってもおかしくはないのだが、見たことはなくても、この植物はあれの仲間、という風になんとなくでも分類くらいはわかりそうなものである。しかし、ここにある植物はその常識に全く当てはまらないものだったのだ。なんの植物の仲間なのかすらもわからない。それほどにそれらは奇抜な見た目をしているのだった。


 次に、なぜこんな場所にいるのか、慶はここに来た経緯を思い出してみる。

 学校帰りのことだった。歩いていたら、視界のはしになにか光ったように見えて、それを追ったら不思議な光の束を見つけたのだ。普通はそんなわけのわからないものには関わろうともしないはずだが、そのときの彼はなぜだかその怪しげな光に触りたいと思ったのだ。

 そのなかにいる何かに招かれるような、そんな感覚に襲われたのである。触った途端、慶の視界全てが光に覆われ、気がつくとこの森に遭難していたのだ。光のなかに何か巨大な建造物を見たような気もするが……。

 そしてわけもわからず歩いていたら、さっきの怪物とそれに威嚇されてうずくまってふるえている二人の少女を見つけたのである。こんな状況でも困っている人を放っておくことができないのが彼の忌むべき性格である。慶はその少女たちを助けたいと思い、怪物に向かって石を投げたのだった。その結果、慶が怪物に襲われることとなったわけだが。

 怪物をなんとかしたはいいが、その少女たちがちゃんと逃げてくれたかどうか心配だったし、ほかにも怪物がいないとも限らないので、今こうしてさっきの場所に戻ろうとしているというわけだった。



 そんなことを考えていると、目的の人物たちが向こうから歩いてきた。

「あれ、ついてきちゃったのか……」

どうやら心配してこっそり後をつけてきたようだ。逃げろとも、何も言っていなかったので、慶の意に反してついてきてしまったのは仕方がない。

「あの……大丈夫でしたか? けがとかしてませんか?」

 日本語。

 それは背の高い少女と低い少女の二人組だった。高いとはいっても、慶よりもずいぶん身長は低いので、年下だとわかる。顔が似ているので恐らく姉妹なのだが、その見た目もやっぱり変だ。

 金髪から少なくとも日本人でないことはわかるが、着物みたいな、現代社会では一般的にお目にかかれないよう珍妙な格好をしているし、何より耳が長い。明らかに人間のものではないとわかるほど長い耳が顔の横から伸びていた。他はいたって普通に見える。

 そんな見た目の少女からいきなり流暢な日本語で話しかけられたので慶は面食らった。

「僕は、大丈夫。君たちは? どこかけがとかしてない?」

「おかげさまで、大丈夫です!」

「そっか、よかった……」

話が通じるのはありがたいが、わからないことだらけで何から訪ねたらよいかわからない。慶はまずは彼女らが何者なのか訪ねることにした。

「ねえ、君たちは」

「あの! いまからうちにきませんか? 助けていただいたお礼がしたいんです」

慶が質問するのと姉が提案するのがほぼ同時だったので、慶の弱々しい声はさえぎられてしまう。これに乗るかどうかで今後の慶の運命は大きく変わってくるのだが、他にいく宛もないので彼は彼女らの家にお邪魔することにした。



 彼女らの家、というか拠点は周囲の木の枝を屋根状に網こんでつくられた簡易的なものだったのだが、中に入ってみると木製のテーブルや椅子が備え付けられており、快適に生活できるだけの設備が整っていた。

「こちらにどうぞ」

姉に椅子に座るよう促される。随分と礼儀正しく、人と話すことに慣れているようである。ここにはよく人が来るということなのだろうか。姉も同じくそばにあった椅子に座る。妹の方は早々に奥の方へ引っ込んでしまった。

「さっきは助けていただいて本当にありがとうございました」

「あ、うん。どういたしまして」

ここで慶はもう一度彼女たちが何者なのか聞いてみることにした。

「えっと……君たちは一体……」

「わたしはセーラ、妹はクララといいます。こうやってあなたたち冒険者のサポートをしているんですよ」

「……? 冒険者って?」

「え? 違うんですか?」

会話がかみ合っていないようだ。冒険者という単語はそりゃあ慶くらいの年齢の子供なら誰しも耳にしたことくらいはあるだろうが、それはゲームやアニメの中での話で、現実に冒険者がいるなんて言う話は聞いたことがないのだが……。

「私たちを助けてくれたからそうだとばかり……。冒険者というのはこの森にある資源を採集したり、悪い魔物を退治したりする人たちのことなんですが……」

「この森は何なの? 魔物って何?」

「え、えっと……」

慶が質問する内容が思い浮かぶたびに質問を投げかけるので、セーラは困り気味だ。一旦落ち着くと、今度はセーラの方から質問してきた。

「それより、あなたのその髪の色はどうなさったんですか?」

「え? 髪?」

「そんな黒い髪見たことないんですが……。もしかして人間じゃない?」

「いや、僕は普通の人間だけど……」

ここで人間とは何か、なんて哲学的な話をしても仕方がないので、慶は話をそらすように質問を返した。

「君たちこそ、その長い耳はどうしたの?」

「私たちはエルフですから、耳が長くて当然ですよ」

「エルフ?」

「エルフです」

笑顔で念を押すセーラ。念を押されてもエルフが何なのかわからない慶である。

「……って何?」

「えぇ……」

慶の無知さに流石にセーラが呆れ始めたところで、妹、クララが小さなお椀を持って奥から出てきた。奥に引っ込んだのは料理の用意をするためだったらしい。

「あの……森の食材で作ったスープです……よかったらどうぞ……」

オドオドしながらお椀を差し出してきた。姉のセーラと違って人見知りのようだ。

「あ、ありがとう」

「このまま質問を続けても埒があきませんし、いったん食事にしませんか? 話の続きは食後にするとしましょう」

セーラが慶のアホみたいな質問を遮るように言うと、クララが自分達の分のお椀も用意してきた。食事というのはありがたい。慶は今なぜだか異常なほどお腹が空いているのだ。さっき全力疾走したからだろうか。



 そのスープには見たこともない野菜が入っていて、不思議な見た目をしていた。

「「いただきます」」

二人は食べる前にそう言った。食事前にその言葉を言うのは日本の文化だ。二人はやっぱり日本人なのだろうか……。

 そんなことを考えながら二人と同じように「いただきます」をいってからスープを口に運んだ。

「うまい……!」

「ふふっ。ありがとうございます」

「っ……! ごめん……」

思ったことが口に出てしまい、慶は恥ずかしくて少し顔を赤くする。

「……? どうして謝るんですか……?」

クララの方が聞いてきた。

「いや……特に意味はないんだけど……」

慶は思ったことを口に出すのはあまり好きではなく、むしろ恥ずかしいと感じている。だからこういうとき咄嗟に謝ってしまうと言うのが彼の癖だった。逆に言えばそんな彼でも「うまい」といわせるほどそのスープは絶品だということだ。。

「おかわりもたくさんありますからどんどん食べてくださいね」

本当にいくらでも食べられそうだ。慶は言われた通りおかわりをした。



 そのスープをほとんど完食してしまったところで、慶はふと疑問に思った。

 なぜ彼女達はここまで慶に尽くしてくれるのだろう。

 たった一回助けたというだけなのにまるで英雄のような待遇だ。慶はただ怪物を自分に引き付けただけである。

 それに、セーラはここで生活しているというようなことをいっていたが、魔物というのがさっきの怪物のことだとすると、あんなものがいる場所にたった二人で暮らしていて大丈夫なのだろうか。

 そのことを慶は彼女達にさっきの質問の続きも含めて訪ねてみることにした。

「ねぇ、君たちは……」

 慶は言葉をつまらせた。はじめて彼女らに質問しようとしたときも同じところで途切れた彼の質問だが、今回は誰かに遮られたわけではなかった。どういうわけか慶自身の口が動かなくなってしまったのだ。

「あ……」

 口がしびれる。体も同様だ。慶はその場に崩れ落ちた。姉妹に助けを求めようと、二人の顔を見上げたのだが……。


笑っていた。怪物みたいな笑顔で。


「上手くいったね、セーラ」

「ええ、クララ。あなたのおかげでまたバカな人間が釣れたわ」

クララは心から嬉しそうに、セーラは見下すような目で、慶を見つめていた。

「え……?」

どういうこと? と聞こうとしたがやっぱり口が上手く動かない。何が起きたのかわからない。なぜ体が思うように動かないのか、なぜこの姉妹からそんな目で見られているのか。

「もしかしてまだ気づいてないんですか? 自分がこれから喰われるってことに。つくづくお人好しで、迂闊で、バカですね、あなた。」

「ホントになんにも知らないんだね、この人」

その言葉でようやく慶は悟った。この二人もまたさっきの怪物と同類なのだと。そしてこれから自分のことを喰おうとしているのだと。

 思い返してみれば、不自然なことだらけだった。なぜこんな森の中に住んでいることもそうだし、なぜ慶のあとをつけてきたのか、なぜわざわざ慶が人間かどうかなんていうことを確認したのか……。数え上げればきりがないが、彼女達が最初から慶のことを喰おうとしていたとしたら、全て納得のいく話だった。

 恐らくさっきのスープに痺れ薬みたいなものが入っていたのだろう。だがそれは慶の目の前にいる二人も同じなはずだ。彼女達もあのスープは食べていた。それなのになぜ同じ症状が出ないのか。

 理由は明白だ。その薬は人間にしか効かないのだ。彼女達はエルフだと言っていたが……。

「私たちがエルフっていうのも嘘ですよ。って言ってもわからないんでしたね」

「早く食べちゃおうよ。あんなスープじゃ満足できないよ」

猟奇的に笑うクララの口のなかには鋭い牙が覗いている。肉食動物みたいな。固い肉、つまり人間の肉を噛み千切るための牙だ。

「それじゃ、いただきまぁす」

セーラはまたも礼儀正しくそう言った。人間みたいに。しかしそこに慶という命に対する感謝などは恐らくないが……。

 するとセーラの口が耳のあたりまで裂け、あんぐりとその口が開いた。中にはクララのよりもさらに鋭く長い牙がびっしりと生え揃っていて、喉の方にも何か気持ち悪いものがうようよと動いている。とても少女の口の中とは思えない。

「う……」

逃げようとするが、痺れて体がが全く動かない。セーラは慶を頭から食べようとしているらしく、そちらの方に牙を向けている。

(僕はバカだ。こんな小さな女の子にいいように騙されて。やっぱり人に優しくしたっていいことなんかないじゃないか)

こんなことになったのも全て彼の忌むべき性格のせいなのだ。そもそもあの怪物に襲われていたからといって、彼女達が自分の味方かどうかなんてわからないはずだ。なのに彼は目の前にいる怪物達が人間っぽいという理由だけで彼女達を助けてしまった。

 しかも、こんなときでも慶は彼女達を恨むということができない。ただただ自分を責めるばかりだ。本当にどうしようもないほどお人好しで、迂闊で、バカだった。



 そんな風に自分を責める慶だったが、彼でもこのときばかりは彼女に噛み千切られるのが怖くなる。そんな恐ろしい牙を向けられれば誰だって怖がり、死にたくないと思うはずだ。最初の怪物に襲われた時と違ってこちらの怪物のことははっきりと目視しているのだから、それはなおさらである。

(嫌だ……)

慶はそう思った。彼の性格からすれば珍しく、明確に、死というものを拒否した……。



 セーラの口が慶の目の前に迫った、その時である。

「……!?」

その異変に慶のことを横から見ていたクララだけが気付いた。セーラはというと、慶の顔に彼女の口が覆い被さるような形のなっていたために、セーラの視点は慶をとらえていないから、気づけなけったのだ。慶が何かを放とうとしていることに。当の本人も自分が何をしようとしているのかわかっていないが、彼の顔の前に何か歪みが見えるのだ。

「セーラ!」

クララがセーラを引き離そうとするが、もう遅い。その歪みが衝撃波となってセーラの口のなかに向かって解き放たれた。

「え……」

「がっ」

喉に強烈な衝撃があり、セーラは変な声を出した。慶は何が何だかわからず、茫然としている。

 衝撃波はそのまま口の中をえぐりながら、セーラもその先の屋根さえも巻き込み、物凄い勢いで空中を蛇行していった。

「ぐががががががががががががぁ」

途中木にぶつかってもそれをにしてしまう。セーラの頭は人間のものよりも丈夫だ。だからその衝撃には耐えられるが、口の中はそうはいかない。中ら出たおびただしい量の血をまき散らしている。そして家からかなり離れた位置に着地した。

 着地してからも勢いは止まらない。地面をえぐりながら進みつける。

「ごぼっ……」

血によって声も出なくなると、彼女、もとい彼女だったものの頭が耐え切れなくなり、衝撃波がそれを貫いた。周囲に中身がぶちまけられ、ようやく進行が止まった。



「なんで……」

クララが慶のことを見ていた。ただ、さっきまでと違い彼女の眼は恐怖で見開いている。

「口が動かせなきゃ魔法は使えないはずじゃ……」

よくわからないことを呟いているが、慶はその言葉の意味も考えることができなかった。強烈な眠気が襲ってきたのだ。

「……」

慶は呆然としていた。何が起こったのかわかっていないからだ。だが、今眠ってしまったら目の前にいる怪物に喰い殺されるだけである。それだけはわかっていた。だから彼は目を開け続けなければならない。といっても、彼にはもうなにができるというわけでもないのだが……。

「チッ!」

幸いなことに、クララはまだ慶がさっきの衝撃を打てるのだと勘違いしたのか、舌打ちをしながら森の奥へ逃げていった。



(なんだったんだろう……)

衝撃波だけではない。今日一日の地獄のような体験すべてが慶の常識では説明がつかないものばかりだ。わかるのは自分が生きるためにあの怪物を殺したという事実だけだ。最初の、翼の生えた方も慶が殺したのだと、今わかった。

(死にたくないなんて、図々しいにもほどがあるよな)

さっきとは全く逆の心情になる。冷静な頭で考えると、自分のことは嫌いなくせに都合がよすぎる。でも、このままだとここで野垂れ死ぬかもしれない。

(それはそれで、誰にも迷惑をかけないから、いいかもしれないな……)

そんなことを思いながら、眠気にに耐え切れず、意識を闇の中に葬った。

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