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ユニークスキル《釣り》が面白そうだったので、今日も俺は釣りをする  作者: メラ
第一エリア《シーモンクシヴェリオン》
10/24

10.PVP戦~Rデスマッチ後編~

決闘開始(デュエルスタート)!!】



瞬間、男たちは一気に飛び出す。お互いが襲撃するタイミングを地味にずらしている。プレイヤースキルは高いとは言えないが、連携で言えば素晴らしいの一言に尽きるだろう。俺はそのスキルが最も威力を発揮するタイミングを狙った。



「《威圧の叫び》」



二秒間、範囲内の敵対生物の動きを止めるスキルを発動する。同時に、《筋力増加Lv2》と《バーサークLv1》、ついでに《ダメージカットLv1》を発動。体が固まって何が起こっているのかわからないという表情をしている男に向かって『剛体の大剣』を振り下ろし、叩き潰した。続いて、未だ硬直している男の一人を薙ぎ払う。



「ごほっ!?」



今の一撃で、二人のHPは0となり光となって消滅した。この攻防で一瞬、ほかのプレイヤーたちの動きが鈍る。



「《アビュソート・ゼノ》」



その隙を見逃さず、第五階位の精霊術を発動する。沼地の水たまりから二十ほどの水槍が打ちあがり、プレイヤーをホーミングして襲い掛かる。避け損ねた者は心臓を打ち抜かれて死亡、何とか避けようとした者もよくて部位欠損、悪くて死亡だ。同時に俺は大剣を振りかざして突撃し、傷を負った者たちを次々と屠っていった。



「《ソードアヴァランチ》!」

「……っと!?……って、え?」



不意打ちで技を受けてしまうが、殆どHPが減っていない。なんでだ……?あ、そうか。《水の恩寵》か。今、俺のステータスは8倍になっているんだった。そりゃあ、防御力も桁違いだわな。加えて、ダメージカットもある。



「ひ……っ!?」



技を受けても傷一つ受けていない俺を見て、剣士のプレイヤーは抵抗もせずに叩き潰される。残りのプレイヤーはリーダー格のプレイヤーと弓と斧のプレイヤーだけ。しかも、リーダー以外は負傷している。



「《トワイライトスピア》」

「《ストロングアーチ》」

「《アックスアヴァランチ》」



次々と繰り出される技を強化された敏捷度で避ける。持ち前のスピードを生かして男たちの合間を縫い、斧の男を切り伏せる。続いて飛んできた矢を受けるが、大したダメージにはならない。



避けることもせず正面から切り伏せた。残りは、リーダーの男だけとなった。



「ふ、ふふふ、はははははは……」

「何がおかしい」

「笑ってるんですよ……ははは……だって、こんなの笑うしかないじゃないですか!」



男は暗い顔つきで、狂ったように笑い始めた。



「見てください。笑いなさい。これが私たちです。私たち凡庸はあなた方『特別』には勝てない。やはり世の中は理不尽だ……ああ、そうだ!理不尽だ!なぜ私がこのような思いをしなければならない?()()()()()()()()()()()()!貴様ら『特別』は私たちをバカにする!」



男は細剣を握りしめた。



「『特別(チート)』だ!『才能(ズル)』だ!こんな叫びも……誰も聞いてはくれない!」



嘆くように叫ぶ男を見て、俺は妙に沈痛な気持ちだった。男が飛び込み細剣を突き出してくる。避けることは容易かったが、あえて受けることにした。だが、【狂戦士】の防御力がいかに低いとはいえ、《水の恩寵》によって8倍に引き上げられたその防御力を、細剣は破ることができない。



大剣を空に掲げる。男の瞳が暗く光ったような気がした。



「許しません……!許しませんよ……いくら時間がかかったとしても、たとえ追いつけないのだとしても!私はあなたを追いかける……あなたを倒し、倒し、倒し、やがてあなたがこのゲームから追放を受けるまで……わたしはこのゲームをやめない!」

「……」



最後の言葉を見届け、大剣を振り下ろす。『剛体の大剣』で二倍化され、《水の恩寵》で8倍加され、《筋力増加Lv2》と《バーサークLv1》によって底上げされた攻撃力は、男の体を容易く叩き潰す。男は光の粒となって消えていった。



【決着!WINNER シュン 桜】



決着を表すアナウンスが流れ、【Rデスマッチ】が終了する。俺がほとんど倒してしまったことが関係しているのか、手に入った経験値のほとんどは俺のほうに入り、レベルは4上がった。そして新たなスキル《ダメージ増加Lv1》を取得した。加えて、所持金と消費型アイテムや素材なども手に入った。敗北した際のペナルティが大きかった分、勝者の得る者も大きかったという事だろう。



桜とティアがこちらに駆け寄ってくる。



「お兄ちゃん!凄かったよ!」

「まあ、妾はご主人様が勝って当然と思っていたのじゃがな」

「まあ、だろうな」



ここで《水の恩寵》が発動するのを知っていたのだろう。俺は忘れかけていたが。



「じゃが、アナウンスも気がきかんのお……妾の名も入れてくれればいいのじゃが」

「ティアはプレイヤーじゃなくて契約精霊だからな。そういう事なんじゃないか?」



しかし、ティアは不満そうだ。そんなティアを見て俺が苦笑していると、桜に肩をトントンと叩かれる。



「お兄ちゃん……大丈夫?」

「……ああ、大丈夫だ」



ギルド【数こそ力】、だったか。あのリーダーの男の最後の様子ははっきり言って怖かった。余計なヘイトを買ってしまったような気がするが、そんなことを気にしても仕方がない。



「というか、お前は《王》スキルの持ち主なんだから、確実にトッププレイヤーの仲間入りだぞ?そんなに気にすることもないだろ」

「まあ、そうだよね」



やっぱり桜は落ち込み気味だ。しばらくはこれを引きずるだろうが、仕方ない。その後俺たちは≪オロボゲ沼地≫を出て、街につき、ログアウトした。時計を見ると午前の3時だった。まあ、明日も休みだし、今日はゆっくり寝て、またゲームをするとしよう。



◇ ◇ ◇



おまけ

■《水の恩寵》未発動、『剛体の大剣』の《身体強化LV1》未発動時のシュンのステータス

=============

【狂戦士】:Lv17

最終攻撃力:1225

HP:1150

MP:540

力:455

守:305

技巧:305

俊敏:356

知力:224

幸運:435

=============



■《水の恩寵》発動、『剛体の大剣』の《身体強化Lv1》発動時のシュンのステータス

=============

【狂戦士】:Lv17

最終攻撃力:

HP:1150

MP:540

力:7280

守:4480

技巧:4480

俊敏:5696

知力:3584

幸運:6960

=============



作者<こんなつもりはなかった。

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