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神に感謝を
「面白いじゃないの」
右の掌が、じんわりと熱くなってくるのを感じながら、私は自分の中にまだこんな感覚が残っていたのかと驚いていた。
「すごく……面白いわ」
口角が、自然に上がっている。
「イカレてるのか田舎のなんだかだか知らないけど、はじまりの魔女を一度は倒した相手と、また戦えるなんて……」
どうして、なんて分からない。
でも、知りたい。
魔女とは何なのか。
理から外れた魔女達がいる世界は、どんな光景になっているのか。
これは、必然なのだ。
再び戦う事で、私は私という魔女を解明する。
そして、今度こそ、はじまりの魔女を、永久に殺す事ができる。
モルガナをこの手で殺して初めて、私は天国のマヌエルに会いに行けるのだ。
私は、たぶん生まれて初めて心から神に感謝した。