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ブラシとバスタオルと私

「……ほら、もう出るわよ」

「なによぉ、つまんないの」


 バスタオルを渡すと、少女は意外と素直に浴槽から出て身体を拭く。


「ちゃんと拭くのよ、風邪ひきたくないでしょ?」


 あまり少女の方を見ないようにしながら、私は畳んだ下着と寝間着を押し付けるようにして渡した。

「魔女も風邪ひくの?」

「魔女にもよるわね」

 白い寝間着姿になって髪を拭き始めたのを見て、私はほっとする。使い慣れないタオルなのか、若干もたついている様子は、やはり子供だ。

 手を貸そうか貸さないか迷っている間に少女は髪を拭き終わり、水浴びをした後の犬のようにふるふると頭を振っている。

「髪、梳かしてくれる?」


 ずいぶんと自然に私を侍女扱いしてくれるところが、これまた可愛い----訳はない。


「畏まりました、お姫様」

 ブラシの柄を気付かれないようにグッと握り締め、私は笑顔で応えるのだった。

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