表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
184/381

不安と枕

部屋に戻ると、私は着替えもせずにベッドに飛び込んだ。


「……ふぅぅ……っ……」

 抱えた枕の下に頭を入れて深呼吸すると、ズキズキする不快感が少しずつ和らいでいくのが分かる。

 

(……あぁ……びっくりした……)


 別に枕は頭に載せなくても良いのだが、もしや自分の思考が外に漏れ出てしまっているのではないかという、子供じみた妄想がどうしても治まらない。


(大丈夫……アネモネだけよ……意識だけ侵入させるとか、あんな器用な真似できるのは……)


 頭に枕をぎゅむぎゅむと押し付けて、私は何度も自分に言い聞かせる。

 バカげているとは思いながらも、何かせずにはいられない。

じっとしていたら叫びだしてしまいそうなほどに、動揺していたのだ。


(でも……ホントにびっくりした……)

 

「カーラ! どうしよう! アイリスがカメさんになっちゃってる!」

 案の定、追い掛けて来たメリッサが私を見ながら素っ頓狂な声を上げている。

「どうしたの!? 誰かに意地悪されたの!?」


 すごい心配されている。

 ちょっと心苦しくなるくらいに。


「大丈夫大丈夫……ちょっと横になってるだけだから、気にしないで」

「メリッサ、私があちらで何かお話しを聞かせてあげましょう」


 ありがたい事に、何かを察したカーラが部屋から連れ出してくれる。

 こういうカラスなら、一家に一羽いると便利かもしれない。

「ちゃんと寝ててね」

「はいはい」


 ----バタン。


 扉が閉まると、静寂が私を包んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ