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人の形をせしモノ

「ドクターは怖いけど……でも、ドクターにお注射してもらわないと、私の身体、溶けちゃうんだ」

「溶ける……!?」


 少し前に聞いたアンソニーの言葉が甦り、私は息を呑む。

 確かに司祭枢機卿は言っていた----実験に失敗したサンプルは肉片になった、と。


『この子が言っているのは定期メンテナンスの事ですね』


 カーラは実に自然に念話モードに切り替えてくる。

 それが単に機密漏えいを防ぐために予め指示されているものなのか、少女にはなるべく聞かせたくないという配慮なのかは、分からない。


『モルガナという成体のサンプルから発生したこの子達は、胎細胞や胚細胞から発生したクローンとは違い、誕生時点で既にオリジナルと同じ細胞年齢だと考えられています』

『……子供に見えても、もう何百歳も生きているのと変わらないって事なのね』


 私が言うのもなんだけれど、メリッサとは、やはり理不尽で、そして不自然な存在でしかない。


『なので、細胞の急激な老化を防ぐための投薬は不可欠です』


 注射一本でこの子は人の形を保たれている。

 にわかには信じがたい事実ではあるけれど。

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