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最後の個体

私はしばし男の言葉の意味を考え、そして絶句した。


『コレはこれまでの実験をクリアできた唯一のクローンであり、最後の一体だ』

『……ちょっと待ってよ……じゃあ、これまで何回も、その……実験をして、クリアできなかったという事は……』


 さらさら。

 さらさらさら。


 元素拘束を解かれて見えない粒子へと変換されていくメリッサの姿を、私は思い出す。


『あのまま、元の姿に戻れなかったって事なの……!?』


 私は思わず口元を押さえていた。

 魔女モルガナを出現させるのと引き換えに人の形を失ったまま二度と元に戻れないメリッサ『達』がいたという事実に、ひどく動揺している自分が意外だった。


『全く戻れなかったのもあれば、肉片までは復元できたものもあった』

『……肉片って、そんな……惨すぎる……』


 ソファの背もたれに頭を乗せて白いカラスを撫で回している少女の姿を、私は直視できない。

『見たけりゃ動画を見せてやる……ま、もしプディングが好きなら、金輪際見ない方がいいがな』

 男の趣味の悪い冗談にも、眉を顰めるので精一杯だ。


『ラボでの実験はどれも不完全なままに終わった……コレだけが、辛うじて複数回の元素拘束および霊素拘束に耐え、実戦投入の許可が出た個体なのだ』

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