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カラスの脳、魔女の脳

『それで、三つ目の理由は……?』

『……あぁ、そうだったな』


 男の声に、僅かに陰りが射したような気がしたが、次の瞬間には何事もなかったかのように戻っていた。

『それは、アレだ……カラスとお前達魔女の脳に親和性があるからだな』

『親和性?』


 魔女の脳波は人間のそれとは違うとは聞いていたが、カラスに近いという事なのだろうか。

 あまり嬉しくはない話である。


『そうだ。カラスは昔から神話に登場するが、同じくらい使い魔として魔女の話にも登場している』

『実際そんなに連れてはいないと思うけど……ま、そう思われている節はあるわよね』


 私がもう一度人差し指の腹で首筋をそっと撫でると、白いカラスは目を細めて、もっと撫でろというような仕草をする。

 本当によく出来ている。


『ねぇ、だいたいの話は分かったんだけど……貴方、これからもこんな風にカーラβに憑依する訳?』

『何か問題か?』

 

 私は溜息を吐いた。

『だって、いくら私達とカラスの脳に親和性があると言ったって、こうして肩に乗ってるのがいい歳したおっさんだって思うと……ちょっとね……』

『バカ野郎! 私だって好きでこうしてる訳じゃないんだ!』

 アンソニーは脳内でがなり立てた。

『魔女に会うたびに司祭服一式を焼却処分するよりは経費が安く上がるからお願いします、って言われたんだよ……ッ! 予算がないんだとよ、予算が!』

『……わ、分かったってば』


 何というか、この男の部下達も色々と大変だ。

 私はまた少しだけ同情した。

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