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白いカラスはクローンの夢を見るか?

『AIにワタリガラスの脳を組み込んだ理由は、三つだ』

 少し間を置いてアンソニーは話し始める。


『一つ目は、人間の行動理論を基礎としたAIは人間の行動理論の範疇から逃れられない、という限界を超えるためだ』

『限界を超える……?』

 私は首を捻った。

『魔女のクローンを作り、そのクローンを魔女としての特性を保持したまま育成するには、人間の持つ常識や倫理といった枷をなるべく除去しておきたい、というのがラボの方針だった』

『……なるほどね』

 分かったような分からないような理屈だが、私はとりあえず相槌を打つ。

『二つ目は、その白いワタリガラスには子育ての経験があったという点だ……動物とはいえ、母性を持っている』

『魔女のクローンの乳母をカラスにさせようって事?』

 いくら危険だからとはいえ、これではあまりにもそのクローン、いや、メリッサが可哀想な気がする。

 私はちらりと少女に目をやった。

 

『そうは言うけど、子供の教育なら教会はお手の物じゃなくて? 昔から学校や養護施設を持ってるんだからそれなりに対応できる人間がいるはずじゃ……?』

『バカか、一山いくらみたいなガキ共相手と訳が違うぞ? 相手は魔女だ、一度に何人もの意識を飛ばしてしまうような能力ちからを持ってるんだ……!』


 そうだった、と私は思い出す。

 この男は魔女モルガナの能力ちからを身を以て思い知らされ、なおかつ生存している数少ない人間だったのだ。

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