#083「多角視点」
舞台は、教室。
登場人物は、山崎、吉原、渡部の三人。
「嵐のような一週間だったな」
「まぁ、最後には和解できたから、一安心だね」
「ごめんなさいね。二人まで巻き込んでしまって」
「気にするな。済んだことだ」
「そうそう」
「ありがとうございます」
「それで、話を戻すけどさ。聡司に頼んで、聞いてきてもらったんだ」
「あぁ、運動部の話だね」
「森先生がバドミントン部の顧問をされてるのを知って、他にどんな運動部があるか、源田さんと杉並さんに教わってきて頂いてたんでしたね」
「俺たちが直接行くと恐縮されるから、同じ一年なら良いだろうってことになって」
「それなら、聡司くんが適任だろうってことになったんだよね」
「それで、聞き込みはうまくいったのですか?」
「おぅ、バッチリだ。これが、その成果」
「活動中なのは、個人競技ばかりだね」
「団体競技は、休部状態のようですね」
「部活名だけじゃなくて、顧問まで調べ上げてるんだ」
「担任クラスと担当科目もね」
「テニス部は、四組の担任で、数学担当の小笠原先生」
「卓球部は、一年一組の担任で、同じく数学の橋本」
「弓道部は、一年三組の担任で、英読本担当の枚方先生」
「空手部は、一年五組の担任で、英作文担当の布施先生ですね」
「馴染みが無いな」
「どの先生も、僕のほうのクラスの担当だからねぇ」
「小笠原先生は、学年集会でお見かけしますけど、あとの三人の先生は、顔が浮かびませんね」
「この分だと、知らないまま卒業しそうだな」
「面白い先生なんだけどねぇ」
「何なら、今から職員室に行きますか?」
「顔を見に行くのか?」
「迷惑じゃない?」
「質問をするために行くんですよ。勉強の悩みの一つや二つはあるでしょう?」
「そりゃあ、無いことはないが」
「何も、今から行かなくたって」
「鉄は、熱いうちに打て。少年老い易く、学成り難しと言います」
「置いていくな」
「待ってよ、二人とも」




