#081「英米加豪」
舞台は、寮の廊下。
登場人物は、山崎、吉原、渡部、リチャード、ライナス、ローレンスの六人。
『交換学生の数が違うとはなぁ』
『日本側は二人だったとは』
『ここは、エルとアールで分かれよう』
『そうすると、リックが一人か』
『ライナスの言う通りだ。リチャードは、それで良いのか?』
『ローレンスは、心配性だな』
『漫画の世界と現実の日本は違うんだから』
『隠してるだけで、忍者がいるかもしれない』
『居ない、居ない』
「新学期早々、交換留学生と一緒に過ごすことになるとは思いませんでしたね」
「とりあえずリックには、渡部のほうの上段に寝てもらえばいいだろう」
「英語なんて、とても話せないのに」
「リックさんは、日本語も話せるそうですから」
「まぁ、いざとなったら、渡部に同時通訳してもらおうじゃないか」
「いつも一緒にいるとは限らないよ?」
「言葉が通じなくても、何とかなりますよ」
「そう。心が通じれば良いんだ」
「したり顔で言ってるけど、エルとアールの発音を間違えて、いつも注意されてるのは誰だっけ?」
「コレクトとコレクトですね」
「何が違うんだ?」
「エルだと、集める。アールだと、正しい」
「ライスとライスも定番ですね」
「どっちが米なんだ?」
「アールだよ。エルは虱」
「他にもありますけど、下世話な話になるのでやめておきます」
「そう言われると、俄然、興味が湧いてくるんだが」
「その意欲を、他に向けられないのが残念なところだね」
「興味の対象は、ひとそれぞれですから」
「教えてくれる気はないのか?」
「一人で調べなよ。いい勉強になるよ」
「英語に強くなりそうですね」
「ヒントも無しか。それじゃあ、駄目だ」
「諦めが早過ぎるよ。もう少し粘ろうよ」
「熱しやすい半面、冷めやすいのがネックですね」




