#066「夏季休暇」
舞台は、波止場。
登場人物は、森、山崎、敦史、吉原、渡部の四人。
「それでは皆さん。楽しい夏休みを」
「今年の夏休みは、七月が九日間、八月が二十八日間だから」
「合計で、三十七日間だな」
「昨年度は、九月始まりだったんですけどねぇ」
「今年から文化祭を五日間に戻すから、八月から二学期を始めないと、授業日数が足りないんだろうね」
「一年生のときは、土日の二日間だったし、その前も、そうだったらしい」
「後半は、敦史さん情報ですね。お祭りとはいえ、準備や片付けで時間と労力が取られますから、前後に休日が欲しいですよね」
「おまけに、二日目は大雨が降ったもんね」
「十月にやるから、台風と重なるんだ」
「それも踏まえてか、今年は、十一月になりました」
「晴れると良いね」
「まぁな」
「でも、まずは夏休みの過ごしかたを考えないといけませんよ、山崎さん」
「始業式なのにに、課題が一つも終わってないってことのないようにしてほしいよね」
「でも、どうにかなったじゃないか」
「昨年と同じ修羅場をくぐりたくありません」
「金輪際、お断りだよね」
「冷たいなぁ。見捨てないで、手伝ってくれよ」
「自力でやらなければ、身に付きませんよ?」
「そうそう。他力本願は良くないよ、山崎くん」
「勉強が出来る人には、出来ない人の苦労が分からないもんなぁ」
「出来る、出来ないではなくて、するか、しないかだと思います」
「やれば出来るのに、やらないんだもんね」
「邪魔臭いし、面倒臭いし、かったるいんだ」
「いつまで、お喋りを続ける気だ?」
「あぁ、敦史さん」
「こんにちは」
「いってぇな。何の用だ?」
「用も何も、船のどこにもいないから、何をしてるかと思っただけだ」
「ごめんなさい。気が付きませんでした」
「本当だ。四国行きの船が着いてる」
「だからって、殴ることないだろう。短気、せっかち、怒りん坊、癇癪玉。痛っ」
「やかましい。早く、荷物を持て」
「今のは、言いすぎですよね」
「自業自得だよね」
「他人の頭をポカスカ叩きやがって。将来、ボケたら、兄ちゃんのせいだからな。ノワッ」
「持ったら、さっさと歩け。もう一回、蹴るぞ」
「責任転嫁するからですよ」
「やれやれ」
「それじゃあ、夏休み明けに会おう」
「邪魔したな」
「また、始業式に」
「よい夏休みを」




