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#035「手相吉凶」

舞台は、図書館。

登場人物は、山崎、吉原、渡部の三人。

「これ、ソロモンの環ですよ。珍しい手相です」

「ソロモンの環。人差し指の付け根を取り囲む線で、神仏の加護に恵まれていることを表し、ズバ抜けた強運の持ち主であることを、暗示している、だって」

「カリスマ性や洞察力を持ち、リーダーとして人をまとめる能力に長けている、か」

「良かったですね、山崎さん。次は、吉原さんの手相を見て行きましょうか」

「それほど、変わった手相はしてないと思うよ」

「占う前から保険を掛けるなよ、吉原」

「線が少ないですね。あっ、これは」

「何か、凶相でも?」

「何で、そんなにネガティブなんだ」

「チャンスですよ、吉原さん。ここに、生命線の根本から中指にかけて伸びてる線があります」

「右上がりの線だね」

「それは、これだな。成り上がり線。長年の苦労が報われて、一発逆転できる好機が近付いている時に表れる、だとさ」

「運勢が上がっていて、チャレンジが成功する線です。チャンスを殺さないように、ポジティブにいきましょう」

「全然、そんな予兆を感じないけどなぁ」

「ただ、気になるのは、手相が薄いことだな」

「そうですね。そこが少し、懸念材料ですね」

「誰もが必ずしも、統計上のマジョリティに該当するとは限らないからね。参考程度に留めておくよ」

「当たるも八卦、当たらぬも八卦だな」

「信じ込んで、他人にレッテルを貼ってはいけませんからねぇ」

「軽い話題としては、面白いけどね。それで、渡部くんは、自分の手相は見たの?」

「凄い手相がありそうだな」

「珍しい部類としては、親指にある、これですね」

「仏眼相。親指の第一関節が目の形になっているもので、超能力や霊感の持ち主、または、人一倍記憶力が良い人に現れるとされている、だって」

「渡部は、頭の回転が速いもんな」

「人並みだと思いますが」

「そんなことないよ。新品の剃刀みたいに、よく切れる」

「迂闊に触れて、怪我しないようにしないとな」

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