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#002「睡眠学習」

舞台は、寮の自室。

登場人物は、山崎、吉原、渡部の三人。

「水兵リーベ、僕の船。このあと、何だっけ?」

「名前がある、シップス・クラークか」

「化学の勉強ですか?」

「そうなんだ。今度、小テストだろう?」

「一年のときに覚えたはずなのに、丸っきり忘れてるみたいだから、もう一度、覚え直させてるところだよ」

「お疲れさまです」

「何で、一度は済んだ内容を、テストされなきゃならないんだ」

「山崎くんみたいに、怠けて忘れてる人間のためだよ。怠け者は、二度働く」

「周期表ぐらいは、覚えておかないと駄目ですね」

「あっさり覚えられたら、苦労はしねぇよ。数字とか、記号とか、横文字とか。日頃は滅多に目にしないものが、すっと頭に入る訳がない」

「むしろ、英数字に触れずに一日を過ごせているというほうが、異常だと思う」

「教科書も、ノートも、綺麗なままですね」

「教科書は兄貴から貰ったんだ。このまま弟に渡せるぜ」

「落書きがないのは良いとして、有益な書き込みもないのは、いただけないね」

「体育以外の授業中は、ほとんど寝てますからね」

「原子とか、元素とか言われても、ちっとも面白くねぇもん。素粒子とか、ニュートリノとかの理解に欠かせないとか言われても、そもそも、それが何なのかが、よく分からねぇもん」

「困難は分割せよ。分からないから、様々な要素別に分けて、分かろうとしているんだけど」

「分け過ぎると、余計に分からなくなってしまうのかもしれませんね」

「水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム。あぁ、もう駄目だ。こんなに夜遅いんじゃ、頭が働かない」

「再テストになっても、僕は知らないよ」

「まぁ、そろそろ消灯時間ですし、続きは明日の朝にしてはどうでしょうか?」

「渡部の言う通りだ。それじゃあ、おやすみ」

「もう、こんな時間か。おやすみ、渡部くん」

「おやすみなさい」

「……もう寝たか、吉原?」

「山崎くんこそ、寝たと思っていたんだが」

「寝付けないのですか、山崎さん?」

「いざ寝ようとすると、そのことで目がさえて眠れないことってあるだろう?」

「下らないこと考えてないで、寝なさい」

「テディーさんを貸しましょうか?」

「結構だ。寝惚けて、左耳のタグを引き千切りかねないからな。それより、何か話をしようぜ」

「僕は、寝るよ。二人でどうぞ」

「私が聞いてあげますから、話してごらんなさい」

「あるところに、眼鏡を掛けた青年が居ました」

「就寝っ」


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