表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/120

#010「黄金週間」

舞台は、教室。

登場人物は、山崎、吉原、渡部の三人。

「大型連休も終わったな」

「今年は、二日と六日を休みにすると、十連休だったからねぇ」

「土日がお休みなら、ですけどね」

「それにしても、平日の三連休は大変だった」

「店の手伝いをしてたんだったね」

「お疲れさまです」

「ここぞとばかりに、観光客や参拝客やお遍路さんが来るんだもんなぁ。参ったぜ」

「忙しそうだね」

「お兄さんや弟さんも、お疲れでしょうね」

「くたびれてるよ。まだ月曜日だっていうのにな。吉原は、どうだったんだ?」

「僕のところは、ステレオ・タイプだけど、床の間に鎧兜を飾って、庭に鯉幟を流して、粽を食べて、菖蒲湯に入ったよ」

「オーソドックスで、充実した端午の節句ですね」

「屋根よーり、たーかーい、鯉のーぼーりー、だな」

「童謡のほうの歌詞は、そうだね」

「他に歌詞がありましたか?」

「文部省唱歌のほうだろう? 甍ーの、なーみーと、雲のーなーみー、ってな」

「亡くなったお爺さんが、よく三番を歌ってたんだ」

「どんな歌詞なんですか?」

「俺もさすがに、二番や三番までは知らない」

「百瀬の滝を登りなば、忽ち竜になりぬべき、わが身に似よや男子と、空に躍るや鯉のぼり、だよ」

「登竜門の譬え話ですね。文語体には、独特のリズムがありますよね」

「戦前の手紙とか、日記とかに使われてた言葉遣いだな。何々申し候につき、何々下されたく候、って具合のな」

「美文調には、品格を感じるよね」

「言葉の響きが違いますよね」

「言葉の響きっていえば、特撮物の怪獣は、大抵、ガギグゲゴから始まるよな」

「五ギガバイトも、怪獣名になるの?」

「フフッ。ハ行やパ行は、愛らしいイメージですよね」

「柔らかい物を想像させる音だな」

「ホット・ケーキとか、プリンとかね」

「大福とか、落雁とかだと、重量感がありますからね」

「いかにも中までギッシリ詰まってるってのが、ひしひしと伝わってくるよな」

「空気感がないね」

「そうですね。それにしても、窓は開けてるのですが、暑いですね」

「この学校、いつになったら空調設備を入れてくれるんだ?」

「学費には、設備充実費が含まれてるはずなんだけどねぇ」

「今日は、風がありませんね」

「鯉のぼりでなくても、項垂れてしまうぜ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ