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#101「和光同塵」

舞台は、教室。

登場人物は、山崎、吉原、渡部、森の四人。

「今日から冬服ですね、山崎さん」

「まだ暑いから、とても上着までは着てられないけどな」

「久し振りにワイ・シャツに袖を通したけど、高校指定の場合は、胸ポケットがないんだったね」

「校章のワン・ポイントだけですからねぇ」

「不便だよな」

「まぁ、夏服にもポケットは無いから、慣れの問題なんだろうけど」

「欧米では、ポケットが無いほうがスタンダードですから、国際標準には沿ってると思います」

「乾燥してて暑くならない地域なら、上着を脱ぐことがないだろうから、ポケットが無くても不自由しないだろうが」

「高温多湿の日本では、向いてない気がするね」

「そうかもしれませんね」

「話は変わるけど、昨日の体育祭は盛り上がったな」

「クラブ対抗リレーは見物だったね」

「特に、アンカーを勤める顧問の先生が面白かったですね」

「道着や袴で走るのは、大変そうだったな」

「傑作だったよね」

「運動部の指導をしているはずのに、日頃の不摂生と運動不足が露呈する形になった先生もいましたよね」

「卓球部は酷かったな」

「完全な中年太りだよね」

「間違いなく、メタボリック・シンドロームですよね」

「あと、テニス部は可哀想だったな」

「小笠原先生、焦ってたね」

「設営係が、小麦粉の中にマシュマロが入れ忘れていたんですよね」

「でも、森先生は意外だったな」

「あんなに足が速いとは思わなかったよね」

「若い先生とはいえ、健脚ですよね」

「はぁい、みなさん。席に着いてください」

「……いつも、スラックスだけどさ」

「スカートを穿いてもよさそうなものだよね」

「きっと、日頃は見られたくないんでしょうね」

「能ある鷹は」

「爪を隠す」

「二人の言う通りですね」

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