表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
誰かがいる  作者: 祭月風鈴
5/8

体験5 女子更衣室のストレッチャー

 介護施設で働いてます。

ある日、施設の女子更衣室にストレッチャーが置かれていました。

他に置き場所がなくて一時的にでしょうけど。

ところで、ストレッチャーには元気な人は乗りません。

体調を崩したりして自力で歩けない人……

要するに救急の人が乗る台ですよね。

それが女子更衣室のど真ん中に1台置かれていたのです。

私は普段から、女子更衣室には何かを感じるので

なるべく使用しないよう入室を避けていました。

しかし、どうしてもその日は用があって入らなければならず

渋々ドアを開け、電気をつけたらストレッチャーがあったのです。

 私はストレッチャーを背にロッカーを開けました。

ロッカーのドアの内側には小さな鏡が付いています。

化粧などの身だしなみをチェックする為に使いますが

この時ばかりは見てはならないモノのチェックをしてしまいそうで

努めて鏡から目を逸らしていました。

きっと理解されないでしょうね。

誰かが自分の背中にしがみつき、肩に頭を乗せてる感触。

 さっさと用事を済ませた私は、床だけを見ながら出入口へ向かい

ドアを開けると手探りで女子更衣室の電気を消しました。

暫く廊下を歩き、施設の某部屋の前に着くと

誰かがしがみついている感触が、すうっと離れていきました。

恐らく、あのストレッチャーに乗っていた 『何か』が

この場所へ連れて行って欲しくて

偶然やってきた私にしがみついたのでしょう。

結局私は、『何か』の介助をしたワケですね。


<終>


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ