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誰かがいる  作者: 祭月風鈴
2/8

体験2 あり得ない『階』

 私が中学3年生の頃の実体験。

下校時刻を過ぎ、友人を待たせていた私は慌てて階段を降りていたのですが

後から思えば、階段に妙な世界への入口が開いていたようで……。

大人になった今でも不思議でならない、その時の光景をお話しします。


***


 これは、私が中学3年生の頃の実体験。

放課後、3階建て校舎の3階にある用具室で用事を済ませた私は急いで階段を降りた。

なぜなら、カバンを自分の教室に置き忘れていただけでなく、一緒に帰る友人を待たせていた。

季節は秋。下校時間がだいぶん過ぎている。

さっさと帰宅しなければ、家に着く頃には真っ暗だ。


「急がなきゃ!」


 私は夢中で階段を駆け降りていると、フッと足元が変な感覚になった。

足を踏み外したような感覚。


「マズイ! 踏み外した!?」


 瞬時に、派手に転げ落ちる覚悟をしたが、どうやら大丈夫のようだ。

心臓をドキドキさせながら階段を駆け降り続ける。

気が焦っている為か、いつもより長い時間降りてる変な錯覚。

タタタと音を立てながら踊り場へ降り、更に降りてようやく2階に着く。

顔を上げると壁も廊下も淡いセピア色をしていた。

目の前の光景に何だか違和感を感じたが、夕方だからかな?とその時は思っていた。

 階段のすぐ隣にある私の教室。

ガラリと勢いよく引き戸を開けると、まさに授業の真っ最中だった。

見覚えの無い生徒達が全席に着き、教壇には先生がいた。

彼らが一斉に振り返る。

私はあまりの驚きに声が出なかった。


『ヤバイ! 教室を間違えた!』


 そして心の中で『すいません教室を間違えました』と謝りつつ戸を閉めると

更に心臓がドキドキ高まった。 

後で怒られたらどうしようと焦ったまま階段を降りる。

到着して顔を上げると、壁も廊下もいつもの色と明るさになっていた。

階段のすぐ隣の教室に慌てながら入る。

まだ数人が残っていて、友人が手を振りながら「遅いよ~」と声をかけた。

私は息を切らしてハーハーしながら遅れた事を誤り、さっきの出来事を話した


「慌てていたから階を間違えちゃってさぁ、上の階の教室に入っちゃったの。

ちょうど授業中で焦ったよぉ」


 すると友人は皆と顔を見合わせ怪訝そうに言った。


「なに言ってんの? この上って教室ないじゃん」


 あ、そうか! 私は何か勘違いしていたのか。

3階は用具室とか物置とかだもんね……あれ?


「ここ何階建てだっけ」

「はぁ!? ここは3階建て! クラスルームは2階まで!!

馬鹿言ってないでさっさと帰るよ! ず~っとアンタを待っていたんだからね!」


 私は友人達にガッツリ怒られて帰宅した。

あんまり言うと、しつこいと嫌われるのでそれ以上は黙ったが……。

結局、あの教室は何だったのだろう?


<終>

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