表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/40

パカッとしてポコっと

「ニケちゃんニケちゃん、これ見てよこれ」

「んー、なんですかー」

買い出しから帰ってきた私の高揚気味な声に、読書中だったニケちゃんが生返事を返してくる。悪くなさそうな御機嫌具合にほっとする。

買い物袋から目的のものを漁り出すと、それを机の上に置いた。

「この辺りの工芸品らしいよ」

ニケちゃんが本から目を離して横目でお土産を見る。

一瞬で視線が冷ややかになった。

「普通の木彫りの人形じゃないですか。またそんなの買って、学習能力ないのですか。前に買ってきたのはなんでしたっけ。魚咥えて逃走を図る木彫りの熊でしたか。街を出た後、重いとか言い出して街道横の祠にお供えしたの忘れたんですか。あんなの神様大迷惑ですよ」

「大丈夫だよ、これ熊じゃなくてひよこだし、小さいし軽いし可愛いし。それにただの人形じゃないんだよ?」

人形を手に取って上下に軽く力を加えると、首元からお尻まで真横に割れて、中から一回り小さい同型の人形が出てきた。それをさっきのと同じように割ると、さらに小さい人形が現れる。

「入子人形って言うんだって」

瞬く間に大家族となった人形たちに、ニケちゃんは大した感動も無い様子で「そうですか」と読書に戻っていった。

「パカって割るとポンって出てくるんだよ?面白いよ?」

「……モモを真横に割ったら小さくて賢いモモが出てこないですかね」

「……怖いよ」

なんだか口調が本気っぽかったので、急いでひよこ大家族を元に戻して雑嚢に入れた。

これを捨てるなんてとんでもない!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ