過去の傷
君は僕に言ったね、「このまま進めばあなたは壊れてしまうと。」実際にその通りになってしまったよ。僕は全てを失って壊れてしまった。僕が全てを失ってしまうことも君は解っていたのかな?これから、語るのは、僕が君を失ってから壊れてしまった後の物語。新しい道を探すまでの物語。
周囲は炎で囲まれていた。また、この夢を見ている。もう何度目になるのか解らない。この夢はもう見たくはないのに、何度も見てしまう。僕は刀を君に向けている。そして、君は拳銃を僕に向けている。
「私と一緒に来て、輝。」
君が僕にそう頼んで来た。これまでに何度も繰り返し言われた願いであって、答えは毎回決まっていた。
「何度も言うけど、僕は君と一緒に行くことはできない。もう、諦めてくれ。」
「解ったは、それじゃあ、私はあなたをここで殺さなきゃいけない。死にたく無いなら、私を殺しなさい。」
君はそう言って 引鉄を引いた。その時、僕の目の前は真っ赤に染まった。僕の目の前には、君が腹から血を流しながら倒れていた。
「そう、それがあなたが最後に下した決断なのね。最後に、私からの助言よ。このまま進めばあなたは壊れてしまうわ。絶対によ…。…もう、お別れ見たいね。…あなたと一緒に過ごせてとても楽しかったわ。ありがと…。」
僕の目の前で君は、息を引き取った、いや、僕が君を殺してしまった。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。」
僕は、声がでなくなるまでそのままずっと叫んでいた。