一話 「光の泉〜春歩の心〜」
眩しい朝、明るい声、音。「いってきます…」返事が無い。そりゃそうだ、だって聞こえてないもの。小さいもの。私のいない世界はどんなに素晴らしいのか、明るいのか。私は地味で小さな存在。家族はそんな私を嫌わないけど、好きでもないの中途半端。家にいて分らない存在感。小さいクセして私は、大きな影響、明るい周りを暗くする。暗い所にはいっそ暗くする、それが私の存在。私の名前は、桜江 春歩名前だけだ明るいのは。三つ編みへアでメガネ、センスも無くダサイ。
教室のドア、いつも重く感じる。開けた時、どこに私の居場所がある?明るい中に暗いのがひとつだけ。その瞬間に暗くなる、消えたい…。消えるときはいっそ、奇麗な透き通る泡のように…。だけど、これが現実‥。ほらね、開けた瞬間にひそひそ声。私の机のは落書きだらけ。つまり、いじめられている。小さいため息をつきカバンをかけ、窓から空を見た。雲がゆっくりと動いている。気がつくと、もう先生は入って来ていた。一時間目は学活らしい。いやそれよりも、先生の横にいる女の子が気になる。転校生か…?名前を書いている先生の隣には、明るい顔で可愛らしい笑顔で「未天原 泉美ですっ!!宜しくです!」可愛らしい笑顔で、フワフワの二つくくりの髪がゆらゆらと、カーテンみたいに揺れる。その瞬間、みんながその子を好きになりそうな可愛さ。女の子でも惚れそうなくらい。胸が上に上がる様にキュンっとした。その子は上品に、私の前の席に座った。「ねぇ〜?花奏!あの子、可愛らしいね」クラスに二番目に可愛い、結城 花美が言い出した。「そぉ〜?確かに可愛いけど、花美のちょい下じゃない(笑)」クラスのアイドル、奇歌 花奏が偉そうに言う。クラスのリーダー的な存在なのだ。そんなことも聞こえやしない泉美は、まだにこやかである。いい子なんだろうな…可愛らしいし…。
私とは正反対
そう思った瞬間、「ねっ!!あなた…名前は?」え!?話しかけた!?私なんかに…。「え…と、桜江 春歩
…です…」「なーんだ!カワイイ名前じゃん!よろしくね!!」「あ…はい…よろしく…」話しかけてくれた!!私なんかに!!嬉しい!暗い心の中に、光る泉がきらめき出てきたようだった。私の中で…。私は嬉しくて授業が耳に入らない。いつも暗くて淋しかった心に、ポツンときらめく泉がある。あたたかくて優しい…。私の光の泉… うれしくてまた、空を見ていた。雲の形がふわふわしてた。
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