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神と仮面のスピリチュアル   作者: 和銅修一
白き食王
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天界へ

 才牙は牧田と二人で瀬尾に質問攻めをしていた。死神の居場所?目論見は何なのか?

 だが瀬尾はただ黙ったままで一行に答えてはくれなかった。

「それより三雲お前が持ってきたゴミ袋は何なんだ?」

 持ってみるとずっしりとした感じで中には白くて綺麗な石がたくさん入っている。

「そいつが持ってたのよ。私が奪ってゴミ箱に隠してそこにあった袋に磁石玉マグネットボール入れたらまんまと引っかかったわ」

「ほう。これをどうするつもりだったんだい瀬尾くん。悪いようにはしないから言ってご覧」

 牧田は優しい声で語りかけるがやはり瀬尾は口を開こうとはしない。

「困ったな。これじゃあ最後の手段を取るしかないようだけど…」

「最後の手段って何だよ?」

 牧田はためらいながらも重い口を開けた。

「燈葉のツルハシだ」

「は?それって一体…」

「あのツルハシは燈葉だけのオリジナル神具だったんだ。だけどこっちには神具をつくることができる」

「ルキノか。でもあいつは今何処にいるんだよ」

「神が拠点としている天界だよ。彼女は今、身柄を拘束されてしまったんだ。父親もわからない卵として産まれた子供と共にね」


 詳しく話を聞くと諒が死んだ後ルキノはヘラクレスさんたちに保護され、その何ヶ月も元気がないと思ったら急にルキノから卵が生まれという。

 父親もわからないその不気味な卵はルキノから遠ざけ地下で監禁して調べたところ、中には一人の男の子と仮面の神具があったという。

 いつ生まれるかわからない赤ん坊は危険だとみなされ処分することになったのだが、仮面の力によって守られているのでヘラクレスさんでさえ手がつけれないという。そして赤ん坊は未だに地下で監禁されている。

 ルキノを解放するにはまずこの赤ん坊をどうにかしないといけない。

「でも、どうやって天界に行くんだ?」

「私が案内しましょう」

 突如としてミスラが登場した。

「通常の業務はこなしたので時間はありますし才牙様の為なら何でもします」

「誰この人?」

 三雲は不満そうにミスラを指差すので、ハデスの仕事を手伝ってくれるパートナーみたいなもんだと説明したら

「あっそ」

とそっけない返事をしてそっぽを向いてしまった。

「天界に行くってどうやって?」

 ルキノから話は聞いているが、行き方は聞いていなかった。

「この神具を使うんです」

 そう言ってミスラが胸ポケットから取り出したのはダイヤル。それを扉につけてカリカリと音を立てながら回す。

「これは神しか使えないようになっているので悪用されることはありませんし、このように天界の何処に行くかも決められますが、神以外は入ることを許されていません。お二人はここで待っていてください」

 ミスラは扉を開くと天界の明るさで部屋は光に包まれた。まぶしさに目をつむっていたが、だんだん慣れてきて目を開けるとそこには大勢の神で賑わっていた。

「さあ、才牙様。行きましょう天界へ」

 振り向いたミスラは天界の光で少し見えにくかったが、笑っていた。その姿はとても綺麗で神でありながら天使のようであった。

 これが才牙が初めて見たミスラの笑顔だった。

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