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神と仮面のスピリチュアル   作者: 和銅修一
白き食王
25/52

転生発表

 目が覚めるとそこは白かった。保健室ではない。見知らぬ部屋だった。

 それに腹のところに何か違和感がある。ふと腹のところを見てみると諒の上には黒髪ストレートの美少女が乗っかっていた。

「うわっ!?だ、誰?」

「私はミスラ。冥府の神、ハデスとなった貴方をサポートする為の神です。取り敢えず転生おめでとうございます」

「ありがとう…って俺、転生したの?」

「はい。国崎 諒が消滅してからから六年経ちました。鏡をご覧になってください」

 ミスラに促され、鏡を覗いてみるとそこには自分の知っている顔は映っていなかった。白い髪、薄い紫色の目。国崎 諒とは別人だった。なのにそれを動かしているのは国崎 諒。意識がこの男の中に入ったからだろう。

「これからは国崎 諒としてではなく、白羅はくら 才牙さいが様として神のお仕事をしてもらいます。ちなみに燈葉は転生に失敗したのでもう悪さはできないでしょう」

 少し戸惑ったがそれを聞いて安心した。自分がやったことは無駄ではなかったと思えた。

「そうか…で、お仕事って?」

「燈葉の部下であった死神を捕獲することです。やむ終えない場合は殺してもいいそうです」

「殺しはしねーよ」

「では捕獲ですね。私は他のお仕事があるのでそちらはお願いします。ですが何やら怪しい行動をとっているのでくれぐれも注意してください。それとこれを」

 ミスラの小さな手より青い石を渡された。

「これは花子さんの…何でここに」

 これはグロウ・グリーンによって花子さんの霊力が塊となってしまったもの。

「ヘラクレス様に渡してくれと頼まれたした」

「そうかありがとな」

「はい。しかし死神は最近になって不振な動きをしています。気をつけてください」

「ああ、わかった」

 ポケットにそれを突っ込んだ。そして才牙として生まれ変わった諒は六年経ったという外へと出て行った。



 外歩いて気づいたのだがやはりここは馴染み深い大井山町だ。幾つか知っている店が残っている。学校も少し改装したらしいが六年前とほとんど変わらない。

 さて本題に戻ろう。今俺は生まれ変わり白羅 才牙として燈葉の部下であった死神を捕まえなくてはいけない。

 そこで重要なのは情報。ミスラも詳しいことを知らないようだし、居場所を突き止めるには必要なことなのだが一体誰に聞けばいいのかわからずにそこら辺を歩いていると大きな袋を持った女性がすごい勢いで通り過ぎて行った。

 そのあとを追いかけるように男が走って行った。才牙は見逃さなかった。男に見覚えのある赤い玉がついてるのを。



 路地裏に入ったところで男はやっと追いついき、行き止まりで逃げていた女性は止まる。

「さあ、その袋を渡せ!そうすれば命だけは見逃してやる」

 観念したのか女性はため息をして振り向いた。

「袋?いいわよ。でも全部貴方に受け取られる?」

 バッと袋を入り口を開けるとそこには男の目的のものはなく、代わりに白い玉がギュウギュウに入っていた。袋から出た白い玉は男の腹目掛けて突っ込んだ。

 全弾命中。それもそのはず、彼女の守護霊使いで昔から戦っているのだから。昔から見た目は変わらないと言われるが、守護霊の練習を頑張って強くなった。

 その証拠が今出した白い玉。彼女の持つ守護霊の赤い玉と青い玉は物理攻撃がないのだがこの白い玉なら可能だ。なのでかなり重宝している。

 女性は気絶した男を確認したあとこの場を去ろうとしたが何かが引っかかった。ふと顔をあげるとそこには才牙がいた。才牙は目を見開いた。一部始終を見ていたがこの戦い方はまるで…。

「三雲…なのか?」

 才牙の言葉が路地裏に沈黙を走らせた。

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