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一応鍛冶屋やってますよ?  作者: 金剛
第一章 転職する日々
4/30

4話 定職に就いたら負けかなと思ってる 薬屋編 後編

最後まで読んでいただければ幸いです。


5/27 ステータス変更

7/12 間違い訂正

 そのまま西門に向かい、西門で身分証替わりのギルドカードを提示して門の外に出た。


「まずこの道を街道に沿ってまっすぐ行って、猟師小屋があるところまで行ったらそこから北向きに森に入る。街道は騎士団が警戒しているからまものは少ないけれど、それでも時々見かけるから注意して。森に入ると魔物の出現率が上がるから気を抜かないでね。じゃあ行きましょうか。」

「分かりました。気をつけます。」


 街道を歩く間シュリさんから魔物について説明を受けながら進む。

 1時間ほど歩いたあとだろうか、猟師小屋が見えてきた。

 ここまでは全く魔物に出会わなかったが、ここからは魔物に出会う確率も大幅に上がるので注意しなくてはいけないと気を引き締めていると、シュリさんが早速魔物を見つけた。


「あそこにハウンドウルフの群れがいる。10匹以上いるから全部狩れれば依頼1つ達成できるな。」


 とシュリさんの指差した方をを見ると確かに20匹近い数のハウンドウルフの群れがいる。

 シュリさんは俺に前の方で戦うように指示しつつ矢をつがえた。


「私は後ろから援護するから、デューイは前で攻撃して。こっちのことは気にしなくていいから。」

「分かりました。」


 シュリさんが言うなら大丈夫なんだろうなと思い、ハウンドウルフの方に走っていくと、途中で何本もの矢が、俺を追い越し、ハウンドウルフに命中した。

 攻撃を受けてから俺たちの攻撃に気づいたハウンドウルフは俺と戦い始める頃には10匹程に数を減らしていた。

 ハウンドウルフは素早く、実戦経験のない俺の鎚はなかなか当たらない。

 だが、何度も攻撃を受けていると、ハウンドウルフの癖が分かってきた。

 ハウンドウルフはちょこまかと動くけれど、飛びつく瞬間は一直線に飛んでくる。

 だから、その瞬間を狙えばいいんじゃないかと思い、鎚を飛びついてきたハウンドウルフに向かって、横なぎに思いきり振り抜いてみた。


「当たれこんちくしょう!」


 すると、見事にハウンドウルフに命中し、当たったハウンドウルフは飛場され、木にぶつかって動かなくなった。

 どうやら攻撃を当てたのが最後の1匹らしく、ほかのハウンドウルフは全て矢が体に刺さって倒れていた。

 俺が1匹倒す間に残り全部倒すとかシュリさんすごいな、次からはもう少し頑張ろう。

 と思っているとシュリさんがこっちに合流してきてくれた。


「流石シュリさん強いですね。」

「そんなことないよ。でもデューイも1匹倒したじゃないか。初めてにしては上出来だよ。」

「その言い方からすると、俺を囮役にするつもりだったんですか?」

「当たり前じゃないか。ドワーフなんだから、その頑丈さを利用させてもらわないと。」


 このダークエルフ怖いんだけど…実戦経験のないドワーフを囮役にするとか、殺す気にしか思えない。


「シュリさん僕を殺す気ですか!」

「やだなあ、そんなわけないじゃない。死ぬ寸前には助けてあげるから次も存分に戦っていいんだよ?」


 やっぱりこのダークエルフ怖い。


「まぁそんなことはいいから、色々素材をもらおうか。で、手に入れた素材と尻尾は私にちょうだい。アイテムボックスの魔法を覚えているから収納できるし。」

「分かりました。」


 早速矢を回収しつつ毛皮、肉、それと尻尾を収集する。

 手早くしないと血の匂いでほかの魔物がやってくるかもしれない。

 その恐怖感から少し慌てながら素材を剥いでいた。

 そして集めた素材をシュリさんに渡し、アイテムボックスに収納していざ行こうと思ったとき、トロルが現れた。

 3m程の身長に薄い灰色の肌をした大きなゴブリンのようにも見える。


「動きは遅いけど、攻撃は強いから気をつけてね。それじゃ行ってらっしゃい。」


 シュリさんはすごくいい笑顔で俺を蹴り飛ばして(・・・・・)くれた。

 あ、ありがたいなぁ…おかげでトロルの目の前に出られたよ。

 トロルは突然前に転がってきた俺に向かって手に持った棍棒を振り上げている。


「そんなの当たったら死ぬって!」


 俺はトロルが振り下ろしてきた棍棒を横に転がりながら避けた。

 そして立ち上がると、トロルの足に向かって鎚を振った。

 鎚はトロルの右足に命中し

『Gaaaaaa』

 と悲鳴を上げながら、右足が砕けたのか右足を曲げてしゃがみこんだ。

 そして、シュリさんの矢が右目に命中し、棍棒を手放し、目を押さえて痛がっている。

 この時間を無駄にしないためにも、俺は鎚を何回も振り下ろし、シュリさんは急所に何度も矢を当て、ついにトロルを倒した。

 突然俺の頭の中でファンファーレが鳴った。


『スキル 鎚Lv2になりました。』

『職業 狩人Lv1を獲得しました。』

『レベルアップしました。』


 シュリさんにそのことを伝えると、翌日にきちんとギルドカードを確認することや、新しく獲得したスキルの中身を確認することなどを教えてもらった。

 その説明が終わるとシュリさんと素材の剥ぎ取りを始めた。


「そうそうトロルは耳が証明になっているからついでに削いで頂戴。」


 シュリさんはアイテムボックスに素材を収納している最中なので、耳を削いだ。

 剥ぎ取りも終わったので、そのまま森の奥地に入っていく。

 1時間ほど歩いただろうか、急に視界が開け、湖が見えた。


「この湖の周りに薬草は生えているからそれを取ってきて頂戴。私はヌメリタケの方を採取してくるから。1時間後にここに集合しましょう。」


 そう言ってシュリさんは森の中に入って行った。

 俺は任された仕事をするべく、湖に近づいた。

 シュリさんの話にあったとおり湖の周りにはたくさんの薬草があった。

 それを収集していたのだが、ふと湖を見ると何か丸いものが浮いていた。

 見間違いかと思い、目をこすりもう一度見てみると、近づいてきていた。


「なんか近づいてきたー!!」


 水面を泳いで丸い何かはスイスイとこちらに近づいてくる。

 よくよく見るとそれは爬虫類の頭のようにも見える。

 ついに湖の端まで近づいてきたそれはザバッという音と共に立ち上がった。


「よう!こんな所に子どもが来るなんて珍しいな。」


 声をかけてきたのはトカゲの頭と尻尾、そして鱗を持った蜥蜴人(リザードマン)だった。


「今日は仕事で薬草を取りに来たんです。あなたはここに住んでるんですか?」

「いやいや俺は魚を取りにここに来たんだよ。」

「そうなんですか、ということはリムの町に住んでるんですか?」

「そうだよ、北地区の薬屋の隣に住んでるんだ。」

「その薬屋ってシュリさんの店のことですよね?俺今そこで働いてるデューイって言います。」

「そうなのか。俺はトグドっていうんだ。よろしくな。」


 その後もトグドと話をしているとシュリさんが帰ってきた。

 そのまま収集した薬草をシュリさんがアイテムボックスに収め、今回の目的が達成できたのでトグドと3人で帰ることになった。

 帰りは魔物と遭遇することもなく、すぐに帰ることができた。

 トグドとは西門で別れ、シュリさんとギルドに向かった。


 まず2階に行ってトロル関連の依頼が無いか確認した。

 運良く依頼が見つかったので掲示板に貼られているそれを剥がして受付窓口に持っていった。

 その後1階に移動し、受け取りカウンターで終了報告を行った。

 報酬はハウンドウルフが2000ヴァンでヌメリタケがヌメリタケが1000ヴァン、トロルが3000ヴァンの合計6000ヴァンだった。

 その報酬はシュリさんと半分ずつでわけ、北地区にあるシュリさんの店に帰った。


 翌日から前日に取った薬草を調合しつつ、7日に1度は素材を採取し残りの日は調合をして過ごした。

 その生活のおかげで、調合スキルはLv7に狩人はLv5に鎚はLv3にレベルアップした。

 そして、1ヶ月が過ぎたある日シュリさんから家に帰れることを教えてもらった。

 その日から仕事が終わると家に帰り、翌朝シュリさんの店に向かうようになったのだが、実家から通うようになって3日後の仕事終わりにデューイはシュリに手紙を渡した。

 デューイが帰ったあとシュリが手紙を読むと



 家でゴロゴロしたいので今日で仕事を辞めさせてもらいます。

 また会うこともあるかと思いますが、その時はお手柔らかにお願いします。



 と書かれていた。

 これを見たシュリを怒らせたのは言うまでもない。


 翌日、朝からベッドでゴロゴロしていたデューイだが、仕事に行ってないのがトーイにバレて、別の仕事を探しに出かけることになったのは言うまでもない。

 こうして、デューイの転職生活は始まった。






名前:デューイ

種族:ドワーフ

職業:遊人Lv2 鍛冶見習いLv1 上級調合士Lv7 狩人Lv5

レベル:15

体力:73/73

魔力:132/72+10+50

攻撃:62+26+10

防御:58+26+6

力:26

知恵:20

敏捷:13

運:10

種族固有スキル:鍛冶Lv1 鎚Lv3 酒豪

スキル:調合Lv7

装備:木の鎚(攻撃+10) 革の帽子(防御+1) 革の胸当て(防御+2)

   革の籠手(防御+1) 革のズボン(防御+2) 中級調合士の指輪(魔力+50)

変な表現間違い等ありましたら教えてください。


ここからデューイは色々な職業を体験していきます。

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