3話 定職に就いたら負けかなと思ってる ギルド編
薬屋の途中ですが、今回はギルドについて説明する回にしたいと思っています。
最後まで読んでいただければ幸いです。
5/27 ステータス変更
シュリとさんと2人で向かったギルド、それはとても大きな建物だった。
3階建てで、幅100m、奥行は200mほどある。なぜこんなに大きいかというと、このギルドが、冒険者用のギルドのみではないからだ。
どういうことかというと、今2人の目の前にあるギルドは正確にはギルド組合というギルドが複数合わさった集合体のギルドが入る建物なのだ。
実際ギルドの建物内には冒険者ギルド、商売ギルド、生産ギルドの3種類が入っている。
冒険者ギルドはそのまま冒険者に関わる事柄を扱うギルドで、商売ギルドは商品の売買に関わるギルド、生産ギルドはモノの生産に関わるギルドなので、農耕、牧畜などはもちろん鍛治や薬屋もここに含まれる。
ただ、生産者は商品を自分の店で売るのだから商売もしている。
従って、生産者が生産する上で必要な素材屋やレシピは生産者ギルドで、完成した品の売買に関しては商業ギルドの方で扱っている。
また、2人がここに来た目的のように外に素材を取りに行くのは冒険者の域である。
実際、シュリは3つすべてのギルドに所属している。
この世界ではそう言う人も多いので、100年ほど前にギルド組合が作られ、街にすべてのギルドを1箇所に集める施設ができたのである。
さて、ギルドの前でぼーっとたっていても仕方ないので大きな両開きの扉を押して中に入った。
すると、エントランスは吹き抜けになっており、1階は各ギルドの売店や依頼の終了報告や報酬の受け取りが行われる場所で、2階が各ギルドの受付や情報交換の場所である酒場、3階がギルド職員の宿舎になっているようだ。
とりあえず受付のある2階に向かうことにする。
2階にある各ギルド受付の端の方に登録用の窓口がある。
とりあえず1番手前にあった冒険者ギルドの登録窓口に向かう。
登録窓口にいたのはセミロングに伸ばした金髪の綺麗な魔人女性だった。
「冒険者ギルドにようこそ。今回担当させていただきますニーナです。よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。」
「他のギルドに登録はされていませんか?」
「してないです。」
「では、ギルドカードを発行いたします。代金は銀貨1枚となりますのでご用意ください。」
銀貨を1枚取り出してニーナに渡す。
「では今カードの上に手を置いてください。」
そう言ってニーナが取り出したのは端の方に空いた穴にチェーンを通した銅でできたカードだった。
デューイが手を置くとカードが淡く発光し、カードに情報が浮かび上がってくる。
「登録が完了しました。このカードは首からかけて、肌身離さず持っていてください。このカードには登録者のすべてのステータスが表示されます。また、このカードは登録者の魔力によって情報を更新します。といっても使われるのは1にも満たない魔力なので、カードの更新によって魔力の枯渇が起こることはまずありません。また、毎日お昼頃に一度カードが弱い魔力を使って登録者の情報を更新しますが、その際に先ほどのように発光することはありません。また、ギルドカードは冒険者ランクによって種類が変わります。Fは銅、DとEが銀、BとCが金、Aが白金、Sが黒となっています。ここまでで何か質問はありますか?」
「魔力枯渇中にギルドカードの更新の時間が来た場合はどうなりますか?」
「その場合は更新されません。ちなみに魔力が10%を切っていても更新されないので注意してください。ほかに質問はありませんか?」
「いえ。」
「では続きを、ギルドではランクがF~Sまであります。またこれは、ソロのランクとパーティのランクが別々にあり、それによって受注できる内容が変わってきます。ソロランクは依頼の達成によって上昇しますが、パーティランクは少し事情が異なります。パーティランクは、パーティに参加している冒険者の依頼達成回数の平均になります。依頼についてですが、大きく採取、調査、討伐の3種類に分けられます。そして、依頼はランク以下のものしか受けられないので注意してください。パーティでクエストを受注するための注意ですが、パーティ内の最低ランクの冒険者のランクより3ランク以上高いクエストを受けることはできないので注意してください。また、ランクについては自分のランクの依頼を50回達成する、またはその下のランクを100回達成するとランクが上がります。また、特例的に特に大きな功績を上げた場合は規定回数以内でもランクアップする場合があります。最後となりましたが、どこのギルド支部であってもこのカードは共通で利用することができます。説明は以上となりますが質問等はありますか?」
「ないです。」
「冒険者ギルドはあなたを歓迎します。またのお越しをお待ちしています。」
冒険者ギルドの登録が終わったのでとりあえずどうしたらいいのかシュリに聞いてみようと思いシュリさんに声をかけると次は生産ギルドで登録をしてくれと言われ、次は生産者ギルドの受付に向かう。
内容はそれほど変わらず、違うところといえばランクによって買える素材が制限されたり、素材購入の優先順位が低いことくらいだから、あまり気にはしていない。
また、ランクを上げるにはギルドと一定額以上取引すればいいそうだ。で、各ランクの規定の額を超えるとランクが上がって、行くそうだ。
また、ギルドカードの色分けはほかのところも同じらしい。
そこで、複数のギルドに所属している場合は1番ランクの高いギルドのランクにあったカードになるそうだ。
ギルドの登録も済んだのでシュリさんのところに向かうことにした。
「シュリさん、登録終わりましたよ。」
「そうか、ならこれから素材集めに行こうか。ついでにパーティを組んで何かクエストも受注しておこう。」
「そうですね。」
パーティを組むにはパーティを組みたい者同士のギルドカードを重ねる必要がある。
仮のパーティならこうするだけで一応パーティ扱いになるので問題ない。
もし正式なチームを立ち上げるにはギルドでの登録が別途必要になる。
今回は仮のパーティなので、ギルドカードを重ねるだけなのだが、重ねるとちょうどシュリさんのギルドカードを見ることができた。
名前:シュリ
種族:ダークエルフ
職業:狩人Lv15 上級調合士Lv8
レベル:23
体力:118/118
魔力:223/123+100
攻撃:54+25+20
防御:52+25+15
力:25
知恵:40
敏捷:42
運:15
ユニークスキル:弓Lv7 異種族言語(精霊)
スキル:調合Lv8 ナイフLv3 アイテムボックスLv1
装備:雷鳴の弓(攻撃+20、雷属性付加) 精霊の髪飾り(防御+2) 上革の胸当て(防御+4)
上革の籠手(防御+2) 上革のズボン(防御+4) 上革の靴(防御+2)
上級調合士の指輪(魔力+100) 炎の指輪(防御+1、火属性付加)
となっていた。
意外と防御力の高い防具を使っていないようだ。
軽めの防具で回避中心の立ち回りをするのかもしれない。
「じゃあハウンドウルフ10頭の討伐とヌメリタケ10個の収集のクエストを受けよう。デューイはハウンドウルフの討伐証明の仕方と、ヌメリタケは知っているか?」
「ハウンドウルフは尻尾で、ヌメリタケは赤くてヌメヌメしたキノコですよね?」
「正解だ。よくわかってるじゃないか。じゃあ準備していこうか。」
その後街の外に出るための準備を整え、出発することになった。
そしてシュリさんに続いてギルドを後にし、素材探しに街の外を目指して歩き出した。
名前:デューイ
種族:ドワーフ
職業:遊人Lv2 鍛冶見習いLv1 中級調合士Lv4
レベル:7
体力:23/23
魔力:82/22+10+50
攻撃:20+14+10
防御:20+14+6
力:14
知恵:10
敏捷:5
運:7
種族固有スキル:鍛冶Lv1 鎚Lv1 酒豪
スキル:調合Lv4
装備:木の鎚(攻撃+10) 革の帽子(防御+1) 革の胸当て(防御+2)
革の籠手(防御+1) 革のズボン(防御+2) 中級調合士の指輪(魔力+50)
変な表現間違い等ありましたら教えてください。
なかなか書きづらいですね…
さて、いろいろと今回はギルドについて書きましたが、ご理解いただけたでしょうか?説明下手で自信がないのですが…
次回は薬屋編の続きですね。
それではまた次回お会いしましょう。




