9話 滞在
サブタイトルなかなか思いつかなかった…
翌日の昼過ぎに外に送り出した伝令は帰ってきた。
今回、外にいる魔窟進行の総指揮官であるミルに伝令を送ったのだが、彼からの返信は以下のようなものであった。
現在いる地点に篭城可能な砦を建設せよ。
また、魔窟深部への侵攻は別命あるまで待機とする。
要はここに砦を作って魔窟の奥側からも、入口からでも侵入してきた敵をここで食い止め、迎撃できるような施設を作れということらしい。
だが、一つ問題がある。
それは材料だ。
別にここに砦を立てるのはいいが、それを作るにしても、木で作るわけにはいかない。
なんて言ったって火のブレスを吐くような者がいるのだから。
仮にいなくても火をかけられたら終わりなので通常は木で作られた砦なんて作らないが…
かと言ってレンガのような素材は今回魔窟を囲むように作られる予定の壁を建設する分しか持ってきていない。
だからといって流石にその辺に転がっている石で壁を作ってもそんじゃそこらにある石では耐久力不足から破壊されて終わりである。
そう、ここが普通の洞窟であれば、どれだけ掘っても大概出るのは掘った量に比べれば微量の金、銀かよく取れるが、精製しないと使えない金属であっただろう。
しかし、ここの洞窟の壁を見ると、魔石や魔鋼といったものが大量に見つかった。
どういう原理でこれほど大量の魔石や魔鋼があるのかは分からないが、せっかくあるものなのだから有効に利用させてもらおう。
ということで、早速兵士を十人ほど動員して魔石や魔鋼を採掘させる。
その傍らで、俺は他の職人達とどういった形で魔鋼を利用して砦を作るか会議を行った。
結果、この広場の前後の出入り口付近に魔鋼で作った門と壁を設置し、簡易な砦として、内部は龍人達の残した建物を利用して居住区とすることにした。
現状手元にある材料を考えるとこれが妥当な案だと思うのだが、広場内に残されている龍人の使っていた建物は意外と木製のものも多く、すぐ燃えそうなのが問題点だ。
半日かかって砦というか門は完成した。これで広場の前後で敵を食い止めることができるだろう。
この日はこの砦?の建設以外は何事もなく終わった。
その翌日の昼過ぎ、見張りから洞窟の奥から大量のドラゴニュートがやってきたという知らせが入った。
更に、前にこの広場にいたものよりもより強そうな個体も多いという情報も入り、苦戦が予想される。
そんな状況でも俺たち鍛冶師にできることは応援くらいである。
バトルスミスもいるので戦おうと思えば戦えるのだが、もし負傷してしまうと後が大変なので戦闘には参加していないというのもあってだが。
今回のドラゴニュートとの戦闘は激しく、せっかく建てた門がかなり傷んでしまった。
理由としてはドラゴニュートの数が300ほどいたこと、洞窟が狭く戦いにくかったこと。
そして何よりこの広場に住んでいたドラゴニュートよりも圧倒的に強かったことが挙げられる。
実際負傷者は前回よりもかなり多く、死者も数人出てしまった。
これほど強い魔物を相手にこれだけの被害で済んだのは僥倖とも言えるがそれでも死者が出てしまったのは悲しいことだ。
この日とその翌日は倒したドラゴニュートから素材を剥ぎ取ったり門の修復や魔鋼などの採取に費やした。
そのさらに翌日、ここに滞在して5日目のこの日、遂に伝令が戻ってきた。
内容は簡単にまとめるとさらに進めということだそうだ。
ただ、そのままいたずらに進んでも被害が増えるだけなので増援と強力な武具やポーションなどといった物も追加で送ってくれた。
この日はそれを各部隊で分配したり、敵と遭遇した際の対処などについて会議を行った。
名前:デューイ
種族:ドワーフ
契約精霊:火(下位) 水(下位) 土(下位) 雷(下位) 風(下位)
職業:遊人Lv2 鍛冶師Lv38 上級調合士Lv8 狩人Lv5 釣り人Lv10 商売人Lv9 錬金術師Lv8 料理人Lv2
ユニークスキル:鍛冶Lv38 鎚Lv3 酒豪
スキル:調合Lv8 水泳Lv1 槍Lv1 釣りLv10 話術Lv14 取引Lv9 錬金術Lv8 料理Lv2
装備:作業服
今月の更新は恐らくこれで最後となります。
次の更新は8月10日を目安に考えて頂ければと思います。
おそらくその数日前には続きが投稿できるような状態になるとは思うのですが余裕を持って10日とさせていただきます。
間違い等ありましたらご連絡ください。




