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一応鍛冶屋やってますよ?  作者: 金剛
第四章 帝都
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8話 侵入

 翌朝、朝食を取った後、魔窟侵攻の手順を再確認し、出発した。


 流れとしてはまず全体を4つの部隊に分けそれぞれを東西南北に配置し、魔窟周辺の魔物を掃討する。

 その後、全体を半分に分割し魔窟に侵入する部隊と周りを防衛する部隊に分かれる予定だ。




 魔窟周辺を相当する段階は何の障害もなくうまくことが進んだ。

 なにせ過去に街の外に出た時に見たことのあるような魔物ばかりだったからだ。

 次に全体を半分に分け、侵攻と防衛に分かれる。

 俺の作った武具の性能が高かったので、俺の作った武具を身に着けている部隊は魔窟に進行することになった。

 そのため、部隊に付いて俺も魔窟に足を踏み入れることとなった。




 魔窟は名前の通り洞窟になっていて、7m四方の大きな洞窟の入口から入ることとなった。

 中に入ると少しづつ小さくなって最終的に5m四方の大きさとなったがそれでもかなり幅の広い洞窟だ。

 分かれ道もなく、10分ほど進んだ頃、目の前に少し大きい部屋のような空間に出た。

 中に侵入するとリザードマンよりももっと龍に近い生物が大量に(たむろ)していた。

 リザードマンもどきと命名しよう。


「慌てるな!総員戦闘用意。前衛盾構え、後衛弓構え」


 指揮官の声に反応し兵士達はそれぞれ行動を開始する。

 数は自分たちの部隊がおよそ100人なのに対して相手は倍ほどいるようだ。

 ちなみに100人しかこの場にいないのは突入部隊の総指揮官が今いる部隊を偵察のために少し先を歩かせているからである。

 洞窟のような閉所では下手に人数が多くても邪魔になるだけなのでそれでいいのかもしれないが、やはりいざという時にこの人数では頼りないと思う。

 それはさて置き指揮官は大きく広がった空間に入る手前の洞窟の通路のスペースで前衛で壁を作り、後衛が弓で援護することによって敵の数を減らすつもりのようだ。

 実に理にかなった作戦だが、相手が魔法を使ってくることを指揮官が想定しているかどうかは甚だ疑問だ。


 予想通りというか、敵は炎のブレスを放ってきた。

 通常ならここで前衛は火だるまになって焼け死ぬところなのだが、俺の作った鎧には火耐性が付与されている。

 おかげでブレス攻撃は無効化できたようだ。


 しかしここで少し予想外な出来事が起こった。

 このままゴリ押ししてくるのかと思っていたのだが、急に火のブレスを吐いたリザードマンもどきは後方に下がり、代わりに別の種類のリザードマンもどきが前に出てきた。

 ちなみに何故違う種類か分かったかというと、火を吐いたほうが若干ウロコが赤みがかっていて、新しく出てきた方が少し黄色がかっていたからだ。

 その他にも多少見た目が違うのだがそんなに大した違いではないのでその説明は割愛する。


 さて、赤が炎なら黄は…


 予想通り電撃のブレスを放ってきた。

 しかしこれも鎧の雷耐性で防いだようだ。

 その様子を見るとリザードマンもどきは手が尽きたのか愚直に突進してくるようになった。

 こうなればあとは簡単で前衛の部隊が疲れてきたら新しい前衛の部隊と交代しつつ戦線を維持し、後衛がひたすら弓を射るという簡単な作業に変わった。

 半時間もしないうちに制圧は完了し、残った数十体のリザードマンもどきは洞窟の奥の方へと逃げていった。

 追撃しようかという案も出たのだが、未知の場所でもあるし危険だということで追撃は中止し、広場で本隊を待つことにした。

 ちなみに本隊には戦闘が始まった時に伝令を出し、後方で戦闘態勢を整えつつ待機してもらっている。




 広場の先を数人の兵士に警戒してもらい、俺は早速痛みの激しい装備の整備にかかった。

 普通戦場で敵がその場にいないとは言え整備というのはなかなかないことである。

 しかし今回は条件が異なる。


 魔窟であり強力な魔物も出るだろう。

 装備の損耗も激しいだろう。

 しかし、替えの装備まで持って行軍するのは体力的にも予算的にもしんどい。

 なら鍛冶師を同行させて修理させればいいじゃないか。


 ということで俺たち鍛冶師が各部隊に1人づつ配置されこうして整備を行っている。




 ということでいたんだ装備の整備をしていると鍛冶が珍しいのか他にすることがないからか、整備している装備の持ち主以外の兵士も俺の周りに集まってきた。

 無言で見られるというのもなんだか辛いものがあるので、ひとつ会話で場をつなぐことにした。


「さっきのリザードマンもどきは強かったか」

「鍛冶師さんあれはね龍人(ドラゴニュート)っていう種族だよ。ちなみに龍人(ドラゴニュート)蜥蜴人(リザードマン)の上位種なんだ。だから強さも段違いさ」


 どうやらリザードマンもどきはドラゴニュートというらしく、リザードマンより相当強いようだ。


「じゃあメチャクチャ強かったのか」

「そりゃね。それに魔窟にいるせいか他のところにいる龍人(ドラゴニュート)より強かったよ。魔窟周辺の魔物も強かったし、ひょっとしたら魔素に当たると魔物は強くなるのかもしれないね」

「そりゃそうじゃないか。魔物は魔素を取り込んで出来ているんだから」


 そう、実際に魔物は魔素の無い空間ではその力を失い例え、動物が変化したものでも死亡する。

 逆に魔素を通常の状態より過剰に与えると、身体能力の向上の他に性格が攻撃的になるといった研究結果が発表されている。

 ちなみにこれは今回の魔窟侵攻前の魔軍本部内での勉強会で知った。

 嫌なことではあるが、どうやらその研究結果は正しいようだ。




 そうやって話しながら整備を行なっている間に本隊が到着し、今後の方針を決める会議が行われた。

 後から聞いた情報によると、周辺にいる魔物と同様、本来の種族平均以上の強さを保持する個体がほとんどで入口付近(ここのこと)にいる者ですら強力だったので、一度本部にお伺いを立てるために伝令を外に送り出し、今日はここを宿営地として一泊するそうだ。

 整備が終わればすることもないので他の鍛冶師仲間と少し話したあと自分の割り当てられた天幕で寝ることにした。






名前:デューイ

種族:ドワーフ

契約精霊:火(下位) 水(下位) 土(下位) 雷(下位) 風(下位)

職業:遊人Lv2 鍛冶師Lv37 上級調合士Lv8 狩人Lv5 釣り人Lv10 商売人Lv9 錬金術師Lv8 料理人Lv2

ユニークスキル:鍛冶Lv37 鎚Lv3 酒豪

スキル:調合Lv8 水泳Lv1 槍Lv1 釣りLv10 話術Lv14 取引Lv9 錬金術Lv8 料理Lv2

装備:作業服

間違い等ありましたらご連絡ください。


さて、少し迷っていることがあります。

今更ではあるのですが、リザードマンやドラゴニュートといった種族の表記方法です。

カタカナのみでリザードマン、ドラゴニュートと書くのかそれともそれぞれ蜥蜴人、龍人と書いた上にルビでそれぞれリザードマン、ドラゴニュートと書いたほうがいいのか…

どちらがいいでしょうかね?

今後どちらかに統一して書こうかと思うので読者の皆さんの読みやすい方または好きな方を教えてもらえると嬉しいです。

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