6話 移動
えー
久々に見かけたという方もいらっしゃるかもしれません。
そういう方は昨日、普段とは違う時間に投稿した前の話を見ていただけていないと思うので上の方の<<前の話をポチッと押して前の話を見てください。
7/12 間違い訂正
「一応鍛冶屋やってますよ?」
最近何回このセリフを言っただろうか…
最初にこの言葉を使うことになったのはほんの小さな出来事だった。
魔窟に向かい移動をしているとき、1人のおっちょこちょいな兵士が転んでしまったのだ。
そしてどうやら腕を骨折したらしく、後方にいる薬師を呼びに行くことにしたそうだ。
その時、たまたま彼のいる部隊の横を一台の馬車が通り過ぎようとしていた。
これ幸いと彼の上官はその馬車の御者に向かって後方乗せてくれと頼んだ。
だがその馬車は前方にある川に橋を渡すために職人たちが乗っていた。
当然彼らは急いで前方に向かわなければならない。
ただ、その馬車の中には俺が乗っていた。
一応以前薬師として働いていたこともあり、ちょうど手持ちの薬草で簡単なポーションは作れたのでその場で馬車を降り怪我をした兵士を治療することにした。
一言ほかの職人に断ってから怪我をした兵士の元に彼の上官と向かい、その場で簡単なポーションを作り彼の骨折を治した。
そこで上官に言われたのだ。
「ありがとう。助かったよ。しかし橋を架ける部隊に薬師がいるとは思わなかった。」
と…当然俺は
「一応鍛冶屋やってますよ?」
と言っておいた。当然その上官は驚いていた。
まぁ普通鍛冶師が調合師のスキル持ってるとは思わないだろうしね。
馬車が近くにあるわけではないので徒歩で彼らと共に歩くこと1時間ようやく例の川が見えてきた。
当然川には出来たての橋が架かっていて、俺の仕事はなかった。
途中まで乗っていた馬車の姿が見当たらなかったのでまた彼らと行動すること2時間余り、ようやく今日の宿営地に到着することができた。
とは言ってもまだ前半の一部しか宿営地に到着していないようで、まだ寝るには時間がある。
そこで俺は近くにある湖で釣りをすることにした。
いつか自作した釣りセットは常にアイテムボックスに入っているのでそれを用意する。
ひょっとしたら魚はいないかもなと思っていたのだが、釣りをはじめると入れ食い状態で魚が釣れる釣れるといった感じでかなりの量が釣れた。
そのまま釣りを続けて、釣りセットにある大きめのカゴにも魚が入りきらなくなってきた頃近くを兵士が通りかかった。
「なぁあんたそんなに魚が釣れているなら俺にも少し分けてくれないか」
こちとら釣れすぎて困っていたところだ。
どうぞ持って行ってくれと言うとその兵士は喜んで魚を持っていった。
その兵士が帰っていって5分ほど経った頃だろうか、兵士がぞろぞろとこちらに歩いてくる。
そして皆魚をくれと言ってきた。
相変わらず爆釣状態だったので好きなだけ持っていけと言って来た兵士に釣れた魚をどんどん渡していった。
釣ってはその魚を兵士にあげるという作業を2時間ほど続けた頃、遂に魚に列を作っていた兵士に全て魚を渡すことができた。
これ幸いと釣りをやめて、必要な分の魚だけ残して残りは湖に返し、宿営地に帰ることにした。
宿営地に帰ると俺を見つけた兵士達が「釣り人のお帰りだぞ」とか「流石釣師さん」とか言ってくれるのだが確かに釣りスキルは取っているものの俺はあくまで鍛冶屋なのだ。
だから釣りしかできないと思われるのは心外なのだ。
釣師というイメージではなく鍛冶師としてのイメージを持ってもらうためにも
「一応鍛冶屋やってますよ?」
と言っておいた。
数日間鍛冶と関係ないことをする度にその道の人だと思われ、その度「一応鍛冶屋やってますよ」と鍛冶師であることをアピールする日々を過ごしたせいか、最近は出会う兵士になんでも屋とか便利屋とか言われるようになった。
まぁ悪口として言っているわけではないからいいけれど、皆もはやただの鍛冶屋とは思っていないようだ。
それに料理スキルを覚えられたのはいい思い出だ。
魔窟に向かって歩き始めて1週間経った頃、魔窟との境界に設置されているという砦に到着した。
その砦は前回の魔窟侵攻の際に建設され、失敗時には魔窟から溢れ出てくる魔物を防衛する拠点として活躍したそうだ。
予定では今日と明日はこの砦に泊まり、明後日から魔窟への攻撃を行うそうだ。
明日一日は英気を養えということなのだろう。
名前:デューイ
種族:ドワーフ
契約精霊:火(下位) 水(下位) 土(下位) 雷(下位) 風(下位)
職業:遊人Lv2 鍛冶師Lv37 上級調合士Lv8 狩人Lv5 釣り人Lv10 商売人Lv9 錬金術師Lv8 料理人Lv2
ユニークスキル:鍛冶Lv37 鎚Lv3 酒豪
スキル:調合Lv8 水泳Lv1 槍Lv1 釣りLv10 話術Lv14 取引Lv9 錬金術Lv8 料理Lv2
装備:作業服
間違い等ありましたらご連絡ください。




