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一応鍛冶屋やってますよ?  作者: 金剛
第四章 帝都
24/30

4話 嫌な出会い

 翌日から店を閉めるときにウィプスに来てもらいそこで用意してもらった材料と報酬と俺の作ったポーションを交換するようになった。

 こうすれば目立たないし、おそらく誰も気づかないだろうと思ったからだ。

 そんな取引を2週間ほど続けていたのだが、街では一向に軍の買い占めが止まる気配を見せないそうだ。

 俺の計算通りなら80万本ものポーションを既に手に入れている。

 ポーションには試用期間の制限があるので本来これほど備蓄する必要はない。

 魔窟に侵攻するにしても、用意周到にも程があるという気がしてならない。

 それにここまでポーションの買い占めが続くと、冒険者や一般人が怪我をした際に魔法を使えない場合治療をしにくい状態になってしまう。

 実際にポーションの価格は普段のおよそ10倍まで跳ね上がっている。

 おかげで冒険者の中でパーティに回復魔法を使えるものがいないパーティは狩りを自粛しているそうだ。


 おかげで店の売上にも影響が出てきた。

 もともと防具は高い買い物だ。

 だからお金に余裕のあるときや、1ランク冒険者としてのランクが上がった時にしか買いに来ることはない。

 それなのにポーションの値上がりでお金に余裕がなく、さらにポーション自体が入手しづらくなったせいで冒険者の受注する依頼が自分のランクの1ランク下のような安全面を重視した物を受けることが多くなり、冒険者は収入が減るし新しく強力な武具を買い揃える必要がなくなってしまった。

 おかげで最近は店にほとんど客が来ない状態になってしまった。

 ただそうは言っても普段の状態に戻ると忙しくなるだろうから今はひたすら武具の生産を続けている。

 そうやってひたすら倉庫の空きスペースを武具で潰す日々を過ごしていたある日、1人のおっさんが店にやってきた。


 カランカランと入口の扉につけた鐘の音が鳴り、それを聞いて俺も作業を中断して店の方に出向いた。

 工房の作業をほったらかしていいのかって?暇でそれ以外することもないからいいんだよ。

 息抜きは必要だ。


 店に入ると何やらフルプレートメイルを着た1人のおっさんがいた。

 随分金のかかってそうなものだ。

 けして下品ではないが、そこそこ目立つ装飾が施され、魔法を付加されて軽量化された鎧。

 この品を普通に買うなら100万フィンほどするのではないだろうか?

 しかも所属を表すかのようにご丁寧に胸元には2頭の獅子が後ろ足で立って向かい合い、その間に剣が描かれている紋章が入っている。

 正直厄介ごとの気配しかしないな…


「あなたがこの店の店主か?」

「そうです。今回は何用で?」

「この店にある最高級の防具を200着、それとあなたにはその用意が整い次第軍への出向をお願いしたい。」

「……200着ほどであれば今すぐ用意できます。しかし、軍への出向とはどういうことですか?」

「申し遅れましたが、私この度第2次魔窟侵攻総指揮官を担当するベンジャミンというものです。デューイさんには防具の適正価格での提供と軍所属の鍛冶師として今回の侵攻の際同行をお願いしに来たのです。」


 ハイ出ました厄介事。

 この手のやつに関わるとロクなことがない。

 おそらく帰ってきたら今回の侵攻だけでなく、今後もその腕を軍の中でふるって欲しいとか言って軍に無理やり入れられるんだよ。

 同じような状況になったことがある鍛冶師が言ってたから間違いない。

 なんでも軍は兵士や魔術師だけでなく俺達鍛冶師なども腕のいいものは一定数確保しておかないと気がすまないらしい。

 しかもこの前軍お抱えの鍛冶師が引退したらしいから尚更鍛冶師が欲しいのだろう。


「精霊の武者鎧を売るのはいいですが、魔窟侵攻の動向は勘弁して欲しいですね。」


 そう答えるとベンジャミンの目が少し鋭くなった気がした。


「そうは言われましてもね、これはあなたの身を思っての行動でもあるんですよ?」

「どういうことですか?」

「実はここの店からある冒険者にポーションが売られているとの情報がありましてね、これがもし本当だとするならばここ最近の軍のポーションの買い上げに応じなかったことに対して最悪国家反逆罪で逮捕される可能性もあります。もし運良くそれで逮捕されなかったとしても、今まで作ったポーションと同じ数のポーションとそれ以外に1日100本のポーションを無償で製造し軍へ納入していただき、500万フィンの罰金も支払っていただくことになります。それは嫌でしょう?それならおとなしく軍で働きませんか?魔窟侵攻の間だけですから。」


 とんでもない奴にとんでもないことがバレていたようだ。

 これじゃあ言い逃れはできないし、大人しく軍で働くしかないな……


「わかりました。軍で働かせてもらいます。それと防具は必要数あるのでお金の用意ができたらお金を持ってきてください。」

「了解しました。ご協力に感謝します。」


 そう言ってベンジャミンは帰っていった。

 ここから俺の軍属生活は始まった。






名前:デューイ

種族:ドワーフ

契約精霊:火(下位) 水(下位) 土(下位) 雷(下位) 風(下位)

職業:遊人Lv2 鍛冶師Lv37 上級調合士Lv7 狩人Lv5 釣り人Lv1 商売人Lv9 錬金術師Lv8

ユニークスキル:鍛冶Lv37 鎚Lv3 酒豪

スキル:調合Lv7 水泳Lv1 槍Lv1 釣りLv1 話術Lv14 取引Lv9 錬金術Lv8

装備:作業服




名前:シャーリー

種族:獣人(兎)

職業:戦士Lv1 商人Lv4

種族固有スキル:身体強化Lv1 聴覚強化 

スキル:話術Lv3 暗算Lv4 取引Lv4

装備:麻の服(防御+1)





名前:サーシャ

種族:エルフ

契約精霊:風(上位)

職業:狩人Lv3 鍛冶見習いLv15

ユニークスキル:弓Lv3 身体強化Lv1 異種族言語|(精霊)

スキル:鍛冶Lv15

装備:作業服





名前:リリ

種族:魔人

契約精霊:

職業:魔術士Lv3 鍛冶見習いLv15 錬金術師Lv3

ユニークスキル:魔術Lv3

スキル:錬金術Lv3 鍛冶Lv15

装備:作業服

忙しくて1週間ぶりの投稿となってしまいました。

今後は3~5日に1度の更新を狙っていこうと思います。

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