7話 シャーリーの想い…
6/13 タイトル訂正
帝都行きが決まったからとデューイさんに告げられたあと、私は1人寝室で悩んでいた。
もちろん私は彼に着いていきたいと思っている。
しかし、それが彼の迷惑になるのではないかとも同時に思ってる。
それは獣人自体の社会的立場の弱さにある。
元々獣人は自分たちの気に入った場所で小さな集落を作り、そこで生活する日々を送っていた。
彼らは身体能力が高く、それゆえにその身体能力に頼った狩りをする者が多く、文明的とはいえない生活を長い間送っていた。
そんな時、後に人魔大戦と呼ばれる人間と魔族との戦争が起きた。
そんなものに興味のなかった彼らは最初我関せずとばかりにどちらの陣営に加担するわけでもなく、気ままに狩りをする日々を送っていた。
人間と魔族の戦争は長く続き、やがて彼らの住む集落も戦火に巻き込まれることとなった。
そこで重要になった事が人間と魔族どちらの陣営につくかということだった。
当然自分たちの将来を決める大事なことなので議論は尽きず、ついに人間につく者と魔族につく者がそれぞれ集落を割ってそれぞれの陣営につき戦うことになった。
この大戦は始まってから20年後に魔族がやや勝利しつつも講和によって終結を迎えた。
戦争が終わり、獣人たちは始めそれぞれの集落に帰ろうと思っていた。
しかし、戦争の後半から急に参戦してきて、最後の決戦で手柄を立てた上彼らのことを快く思わない者たちも多く、彼らを手柄泥棒という者まで現れた。
また、以前住んでいた集落のあった場所なども戦場となって荒らされていた場合が多く、仕方なく慣れない街での生活を余儀なくさてたのだが街での生活は今までのように狩猟や物々交換で成り立つものではなく、獣人は野蛮で未開の種族というイメージをもたれることとなった。
それらの理由から大都市に行けば行くほど獣人への風当たりは強く、差別されている。
そして、獣人を奴隷ではなく店員として対等に扱っているデューイにその非難の矛先が向かうことを私は何よりも恐れていた。
だから、本当はついていきたいけど、ついて行かないほうがいいのではないか、だがついていきたい………という思考のループに私は陥っていたのだ。
このままでは埒があかないので、何か判断のきっかけになるかもしれないと私は他の2人の意見を聞いてみることにした。
リリさんとサーシャさんは同室なので彼女らの寝室に向かえば2人ともの意見を聞くことができる。
コンコンコン
私の部屋の扉をノックされた。
もしデューイであれば今は気を使って話しづらい。
だからデューイでないことを祈りつつ返事をした。
「はい。」
「サーシャだ。リリも一緒なのだが部屋に入ってもいいだろうか?」
どうやら相手も同じことを考えていたのか、こちらから行こうと思っていた矢先に来てくれたようだ。
「どうぞ。」
「邪魔する。」
「失礼しますわ。」
2人は真剣な表情をしながら部屋に入ってきた。
初めに口を開いたのはサーシャさんだった。
「シャーリーはデューイについていこうと思っているのか?」
随分と直球な質問に私は少し驚いた。
とは言っても回りくどいことが嫌いなサーシャさんらしい質問の仕方だった。
といっても私もその話をしたかったのでちょうどいい。
「悩んでいるといったところです。でも正直に言えばついていきたいです。」
「それは獣人に対する風当たりの強さが気になるということかしら?」
「…そうです。」
「それなら気にしなくていいのではないかしら。彼はそんなこと気にしないと思いますわ。」
「そうかもしれませんね。でも迷惑をかけるのは嫌なんです。
「それは違うだろう。デューイならそれを迷惑とは思わないはずだ。そんなことは気にするな。」
リリさんが私を勇気付け、サーシャさんが励ましてくれた。
私は決心した。
「そうですね。私デューイさんについていくことにします。」
「そう。じゃあ私達もついていくことにしましょう。ここにいてもつまらないしね。」
「そうだな。じゃあ明日に備えて各々準備するとしよう。」
サーシャさんの言葉を区切りに私たちは明日早く出発できるように準備をすることにした。
翌朝、朝食が終わったあと俺は皆に向かい合って昨日言ったとおり聞いてみた。
「皆聞いてくれ。今日この後俺は帝都に向かう。それで、この中で俺と一緒に来てくれる者はいるか?」
3人はお互いの顔を見合ったあと、リリとサーシャに押されて一歩前に出たシャーリーが返事をくれた。
「私たちは3人ともデューイさんと一緒に帝都に行きます。」
「そうか。ありがとう。」
3人とも一緒に来てくれるという事実に俺はとても嬉しくなった。
ひょっとしたら、いやひょっとしなくても俺を見限ってついて来てくれないのではないかと内心心配していたのだ。
だからこの返事はとても嬉しかった。
嬉しくて顔が赤くなっているかもしれない。
だから俺は顔を見られないように後ろを向いた後、
「早く帝都に行くぞ準備しろ。」
と言ってせわしなく馬車に荷物を積み始めた。
名前:デューイ
種族:ドワーフ
契約精霊:火(下位) 水(下位) 土(下位) 雷(下位) 風(下位)
職業:遊人Lv2 鍛冶師Lv37 上級調合士Lv7 狩人Lv5 釣り人Lv1 商売人Lv9 錬金術師Lv8
レベル:68
体力:290/290
魔力:205/205
攻撃:109+57
防御:101+57
力:57
知恵:65
敏捷:29
運:40
ユニークスキル:鍛冶Lv37 鎚Lv3 酒豪
スキル:調合Lv7 水泳Lv1 槍Lv1 釣りLv1 話術Lv14 取引Lv9 錬金術Lv8
装備:作業服
名前:シャーリー
種族:獣人(兎)
職業:戦士Lv1 商人Lv4
レベル:3
体力:23/23
魔力:5/5
攻撃:10+10
防御:9+10+1
力:10
知恵:11
敏捷:17
運:6
種族固有スキル:身体強化Lv1 聴覚強化
スキル:話術Lv3 暗算Lv4 取引Lv4
装備:麻の服(防御+1)
名前:サーシャ
種族:エルフ
契約精霊:風(上位)
職業:狩人Lv3 鍛冶見習いLv15
レベル:18
体力:68/68
魔力:105/105
攻撃:33+17
防御:271+17
力:17
知恵:23
敏捷:29
運:10
ユニークスキル:弓Lv3 身体強化Lv1 異種族言語|(精霊)
スキル:鍛冶Lv15
装備:作業服
名前:リリ
種族:魔人
契約精霊:
職業:魔術士Lv3 鍛冶見習いLv15 錬金術師Lv3
レベル:21
体力:80/80
魔力:170/170
攻撃:34+37
防御:34+37
力:57
知恵:18
敏捷:15
運:10
ユニークスキル:魔術Lv3
スキル:錬金術Lv3 鍛冶Lv15
装備:作業服
タイトル付けが地味にしんどいと第三章入ったあたりからずっと思ってます…
今回の話、どういう展開になるのかというのは既にギャングの方を読んでいる方はあちらにデューイ達が登場するので分かっていたんですよね(笑)
ホントはこの話とギャングの2話は同時に掲載する予定だったのですが、こちらのほうが文量少ないのに何故か筆が進まなかったのであちらを先に掲載させていただきました。
決してあちらを書くのが楽しかったとかいうわけではありませんよ!
決して………
さて、こっちのほうが先に始めたのに1話あたりの文量は少ないわ更新速度が遅いわでは話にならないので来週を鍛冶屋強化週間と命名して頑張って更新に努めたいと思います。




