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一応鍛冶屋やってますよ?  作者: 金剛
第三章 開店
16/30

3話 お客さんが多すぎる…

最後まで読んでいただければ幸いです。


6/1 変換ミスを修正 ご指摘ありがとうございました。

 シャーリーとは夕食を食べながら給料の話など細かく決めることにした。


「この家の掃除や洗濯料理まで作ってもらっておいて一日800ヴァンは安いから1000ヴァンにしよう。」

「そんなにたくさんはもらえません!」


 シャーリーは大げさに否定するなとデューイは思っていたが、実はこの頃の一般的な住み込みの月給が15000ヴァンほどだ。

 つまり日給は500ヴァンほどということだ。

 こんな破格の金額が出されるのはよっぽどの金持ちや貴族、皇族の館で働く者ぐらいである。

 しかし、あくまで平均というだけで、実際には工房経営者や研究者は800ヴァン程出すことはよくあった。

 それは自分がずっと工房や研究室に篭りきりで身の回りのことを全くできないためだ。


「わかった。それなら900ヴァンにしよう。でもこれ以上は譲らないよ。」

「……分かりました。ではその額でお願いします。」

「じゃあ明日から朝は6時半に起きてなかったら起こして。」


 それだけ言うと俺は食器を流しへ置いて寝室に行き寝た。

 残されたシャーリーは変わった人だと思いながらも素早く食器を片付けて寝ることにした。




 翌朝5時にシャーリーはカーンカーンカーンという音が聞こえてきて目が覚めた。

 まだ朝食を作り始める時間ではないし、何より音の発生源が気になってシャーリーはそれを探し出すことにした。

 寝室から出たあとどこから音が聞こえるのかよく聞いてみると、どうやら下の方から聞こえてくるようだった。

 そのまま階段を下りていくと、下の工房でデューイが金属を槌で打っていた。

 聞こえてくる音は打つ時に聞こえてくる音だった。

 真剣に防具を作製する様子を見ていると邪魔をするのは悪いと思いなるべく音を立てないようにしながら2階に戻り、朝食を作ることにした。




 6時半になると、俺は作業を一時中断し2階に上がることにした。

 そして、2階のリビングに戻るとちょうどシャーリーが食卓に朝食を並べていた。


「お仕事ご苦労様です。朝食の準備はもうすぐ終わるのでもう少し待ってくださいね。」


 そう言って食卓に料理を並べていく。

 することもないので食卓で座って待つことにした。

 しばらくすると、シャーリーが料理を並べ終わり2人で朝食を食べることにした。

 朝食を食べていると、シャーリーが声をかけてきた。



「デューイさんあんなに朝早くからお仕事をするなんてすごいですね。」

「そうかな?俺達はいつもこんな感じだよ。最も、遠出する冒険者はこの時間には街を出ようとするから5時に開店する店もあるんだ。そういう店なら俺よりもっと早い3時とか4時から作業している人だっている。だから俺が特別早いってわけじゃないよ。」

「そうなんですか。じゃあデューイさんはこれからも毎日あの時間に起きて作業をはじめるんですね?」

「そうなるね。まぁでも寝坊しても6時半に起きれば問題はないんだけどね。」


 俺はそう言って苦笑した。

 別にデューイは店番をする必要がないから店の営業時間に縛られずに物を作ることができる。

 だから本来は5時前から工房を動かす必要はないのだ。


 そんなおしゃべりをしているうちに朝食を食べ終わり、2人は開店準備を始めた。

 今日は初日なので、デューイも店番をすることにしていたのだ。

 開店準備を終え、少し早いが7時半に開店することにした。

 早く開店する理由は2つある。

 1つは冒険者がだいたいギルドに行くのが7時頃でその後に装備を整える場合があるのでだいたいこの時間に足りない道具を探して冒険者が街をウロウロし始めること。

 もう1つはなんか知らないが店の外にたくさんの冒険者がいることだ。

 というかこちらが大きい。

 マジでめちゃくちゃ人が多かった。

 大通りからも少し外れていて。馬車がやっと1台通れるか通れないかという道に数十人の冒険者が集まっている。

 それもうちの店を中心にして。

 これでは通行の妨げにもなるし、ご近所迷惑なので開店することにした。

 店を開けると冒険者がなだれ込んでくる。

 流石に全員は入れないので、店に入るのは10人までと制限してそれ以降は外で待ってもらった。


 初日で大盛況、これは嬉しいのだが、開店待ちする冒険者がこんなにいるとは思わなかった。

 そこでどこでうちのことを知ったのか聞いてみると、どうやら先に防具を売ったウィプスから聞いたようだ。

 性能の割に価格がかなり安く、一般的な属性に対する耐性も完璧なので精霊の武者鎧のことは冒険者の間ではかなり有名になっているそうだ。

 そして、この防具を買いに来る冒険者の中にはAランクやBランクの街では有名な冒険者もいたのだが、有名な冒険者というのは1種のファッションリーダーのような面もある。

 そのため彼らが使う武器や防具は持っているだけで有名になり、魔物の素材で出来たものではなくどこかの店で売られているものなら注文が殺到する。

 1人持っているだけでも固有のファンがいるのでそれなりに宣伝効果があるのに、パーティ全員が同じ装備を揃えるとかなり有名になり、1年は大繁盛すると言われている。

 しかし精霊の集う店を訪れたのはリムの街にいるAランク、Bランクの冒険者ほぼ全員だったりする。

 その宣伝効果は計り知れなかった。

 なぜならギルドの上位ランカーほぼ全員が同じ鎧を身にまとっているのだ。

 その上CランクやDランクの冒険者でも噂を聴いたりして、多くの者が店を訪れそして鎧を買っている。

 お金に余裕があるものの中には防具だけではなく武器も揃えていく者もいた。

 そんな全身精霊の集う店で揃えた者の格好を精霊スタイルと呼んで有名になるのはもう少し後のことだった。


 それ以上にデューイを悩ませる問題が起こった。

 それはほかの街からリムの街にやってきた冒険者がほかの冒険者の自慢や噂話を聞いて精霊の集う店を訪れその装備を買い、その凄さを元の町で披露してしまったこと。

 そして、リムの街にいた冒険者が依頼などでほかの街に行ったときにその街の冒険者に精霊の武者鎧などを自慢したりその情報を教えたりしたこと。

 それによって精霊の集う店の評判はあっという間に広間にいろいろな街から冒険者が店を訪ねて来たため、ついに供給が追いつかなくなってしまった。

 そのため、精霊の集う店は開店から1週間で在庫が尽きてしまった。

 このままでは店を開けることができないので店は朝市が行われているのと同じ日曜日の週に1度しか開けないことにして、ほかの日は武器や防具の生産を行うことにした。






名前:デューイ

種族:ドワーフ

契約精霊:火(下位) 水(下位) 土(下位) 雷(下位) 風(下位)

職業:遊人Lv2 鍛冶師Lv37 上級調合士Lv7 狩人Lv5 釣り人Lv1 商売人Lv9 錬金術師Lv8

レベル:68

体力:290/290

魔力:205/205

攻撃:109+57

防御:101+57

力:57

知恵:65

敏捷:29

運:40

ユニークスキル:鍛冶Lv37 鎚Lv3 酒豪

スキル:調合Lv7 水泳Lv1 槍Lv1 釣りLv1 話術Lv14 取引Lv9 錬金術Lv8

装備:作業服




名前:シャーリー

種族:獣人(兎)

職業:戦士Lv1 商人Lv2

レベル:3

体力:20/20

魔力:5/5

攻撃:9+10

防御:9+10+1

力:10

知恵:9

敏捷:17

運:5

種族固有スキル:身体強化Lv1 聴覚強化 

スキル:話術Lv3 暗算Lv2 取引Lv2

装備:麻の服(防御+1)

変な表現間違い等ありましたら教えてください。


ユニークスキル→種族固有スキルに変更しました。

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