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一応鍛冶屋やってますよ?  作者: 金剛
第三章 開店
15/30

2話 この人どうしたらいいの…

最後まで読んでいただければ幸いです。


今回はいつもに比べると長めです。


5/27 ステータス変更

6/1 一部修正

7/12 一部修正

 商売ギルドから店員候補との面談を翌日に別の建物で行うと言われたので、その日は家に帰りそこで商品を製作して過ごすことにした。

 在庫を増やすために新しい防具を製作しているとき、店の方からカランカランという音が聞こえてきた。

 どうやら人が来たようだ。

 店の方に顔を出してみると、そこにいたのは店のことを教えた冒険者のウィプスだった。


「ようデューイ!早速来たぜ。ここに商品ないみたいだけどいつ開店するんだ?」

「やあウィプス、俺の店にようこそと言いたいんだけど開店は明後日の予定なんだ。」

「そうなのか。じゃあ商品はまだないのか?」

「いやあるよ。だから今あるものの中で欲しいモノがあれば買ってくれると嬉しいな。」

「そう言われると買わないといけなくなるじゃないか。早速見せてくれ。」

「オッケー。付いてきてくれ。」


 これ以上お客が来られても困るので、店の入口の鍵を閉めてから工房の奥にある倉庫に案内することにした。

 ウィプスは工房の様子を見ても驚いた様子だったが、倉庫に入ると、もっと驚いていた。


「すごいなここは!工房の様子を見ても一流の鍛冶師だとは思ったけど、ここに置いてある製品はすごいものじゃないのか?俺はまだ見たこともない製品ばかりだよ。スペックを確認しなくてもすごいのがよくわかるよ。」

「そうかな?褒めてもらえて嬉しいよ。」

「ちなみにこの鎧のスペックはどんなものなんだ?」

「これを見てもらえればわかるよ。」


 俺は手に持っていた1冊の薄い冊子をウィプスに渡した。

 その本の表紙には『精霊の集う店 カタログ』と書かれている。


「精霊の集う店 カタログね。」


 ウィプスはタイトルの名前を読み上げた後表紙をめくり、その後は最後のページまで時々「ほう。」とか「へぇ。」などと言いながら読んでいた。

 そして読み終わると、先ほど質問してきた鎧のページを開きながら、


「これはいいね。欲しい商品のスペックがすぐわかるし、解説も丁寧だ。その中でも1番驚いたのがこの『精霊の武者鎧』だね。これの性能はこのタイプの鎧とは思えない性能だ。その上価格が安いしな。」

「だろ?これは俺の自慢の逸品だしな。」


 この鎧の性能は金属鎧の中ではミスリルより上で、この世界で最高の性能を誇るオリハルコンにわずかに劣らないという性能を持っている。

 その上耐性がついてこの性能と言うのはこの世界にある金属鎧の中ではほぼ最高の性能を誇っている。

 そして、価格はミスリス製のも物が約30000フィルなのだが50000フィルで販売している。

 オリハルコン製の物なら約100000フィル程になるのを考えると破格の値段である。


 早速ウィプスは俺に50000フィル払い、その場で体格に合わせて調整した精霊の武者鎧を身に付けて帰っていった。

 ウィプスと会っている間にかなり時間が経ったようで、翌日の面接の時間を考えるとあまり作業をする時間もなく、作りかけの防具だけ作って寝ることにした。


 指定された時間が朝の8時だったので、7時半頃には面接会場に着いた。

 そこは平屋の少し大きな建物だった。

 中に入ると昨日会った商売ギルドの男がいた。


「早かったな。じゃあ面接部屋に行こう。」


 男について行くと奥にあった少し広い目の部屋に案内された。

 そこで俺は向かい合って設置されている椅子の片方に座った。

 机も用意されていてその上には今回面接する相手の情報が書かれた紙が置かれていた。

 これも参考にしながら面接できるようだ。


「今回候補は3人いるからその中から選んでくれ。じゃあ1人目を呼んでくる。」



 男が出て行ってしばらくすると、1人の女のエルフを連れた部屋に入ってきた。

 そしてそのまま男は壁に背を預けて立ち、エルフは俺の前に置かれている椅子に座った。

 見た目はロングの金髪、碧眼ですごく綺麗なエルフだ。

 ただ、紙に書かれている情報を見ると、どうやら問題児のようだ。

 何度か店員を経験しているようだが、そのどれも店主か客との揉め事で辞めさせられている。

 その上商売に関するスキルのレベルも低い。

 だが、せっかくギルドが紹介してくれた人材だしひょっとしたら掘り出し物かもしれない。

 だからちゃんと面接してみることにした。


「お名前は?」

「サーシャだ。」

「特技は何かありますか?」

「風の上位精霊の力を制御できることだね。」


 風の精霊は使役できるが、上位精霊とはなんなのか?知らないが多分普通の精霊よりも強いのだろう。


「前の店では客とトラブルを起こしたそうですが、何か理由はあったのですか?」

「セクハラしてきてイラっときて殴った。」


 ふむ、頭で考えるより先に手が出るタイプなのかな?

 うちで雇うにはあまり向いていないかな…


「分かりました。ありがとうございました。ではこれで面接を終わらせていただきます。」

「じゃあな。」


 そう言って彼女は元いた部屋の方に帰っていった。

 男も一緒に退出すると今度は女の獣人を連れてきた。

 どうやらうさぎの獣人らしく耳が長く独特の形をしている。

 椅子に座るのを確認して先ほどと同じように質問を始めた。


「お名前は?」

「シャーリーです。」

「特技は何かありますか?」

「計算が得意です。」


 働いた経験はないようだが、能力は優秀そうだ。

 先ほど話していた計算スキルや会話スキルを持っているし、いい人材だと思う。

 ついでに言うと結構可愛い。


「ありがとうございました。ではこれで面接を終わらせていただきます。」

「ありがとうございました。失礼します。」


 丁寧な様子には好感ももてたし、俺の中では採用はほぼシャーリーに決定していた。

 男が最後に連れてきたのは勝気そうな目をした金髪の少女の魔人だった。

 ツカツカと音を立てて椅子まで歩み寄るとそのままドカっと音を立てながら椅子に座り、そして一言


「私を雇いなさい!」


 随分偉そうな娘だ。

 どうやら商売ギルドのギルド長の娘らしい。

 まぁそんなことはどうでもいい。

 それにいくらなんでもこの態度では店員には向かない。

 その上大したスキルも持っていない。

 こいつを雇うぐらいならサーシャを雇ったほうが100倍役に立つ。


「ありがとうございました。これで面接を終わらせていただきます。結果は別室でお待ちください。」

「なんでもう終わりなのよ!」

「いえ、人となりはよくわかりましたし、そのほかのデータは手元の資料にありますのでもう結構です。ほかの2人も早かったでしょう?」

「そういえばそうね。じゃあ待ってるわ。」


 そう言って来た時と同様ツカツカと音を立てながら帰っていった。

 そして、先ほどの娘を別室まで送ったあと目の前までやってきた男に先ほどの娘のことを聞いてみた。


「あれはなんなんですか?商売ギルド長の娘だったようですが…」

「末の娘さんで、奔放がすぎるので、外で働いてもらおうという話になったのです。ですがあの性格なので未だに仕事先が決まらない状態で…」

「そうですか。残念な話ですが、1人目の店員を雇おうという段階ではあの娘は雇えません。今回はシャーリーにしようと思っています。ですが、2人目、3人目の店員を雇わなくてはいけなくなった時に先ほどの2人の仕事先が決まっていないようでしたら私に声をかけてください。その時は雇おうと思います。」

「そうですか。それはありがとうございます。ではシャーリーさんを呼んできます。」


 男は別室に向かい、シャーリーを連れてきた。


「シャーリー、俺の名前はデューイだ、よろしくな。」

「はい!こちらこそよろしくお願いします。」


 俺はシャーリーを連れて家に向かった。

 家の入口部分店の部分に入ってから仕事の内容を一通りの説明をすることにした。


「まず、営業時間は朝の8時から夜の8時まで、その間は店番をお願い。で、朝の7時半には店に来て店内の清掃。8時を過ぎたら店の入口の看板を外して店内に入れた後、店内の清掃をして売上を俺に渡してから入口の鍵を閉めて帰ってね。」


 営業時間がこの時間なのは朝ギルドでクエストを確認した後必要なものを準備し始めるのはだいたい7~8時の間だからだ。

 で、1泊以上するような遠距離への移動を含む場合は朝の4~5時には出発する場合が多いのでそれは相手にしないことにしている。


「あの…私住み込みで働こうと思っていたのですがダメですか?」


 そんなうるうるとした瞳で見つめないでくれ…

 ものすごい罪悪感にとらわれるじゃないか…

 正直この展開は想像していなかったんだ。

 シャーリーは家からここに通うと思っていたからだ。

 一応2階には空いている部屋もあるから住み込みで働くことはできる。


「わかった。じゃあ住み込みで働いてもらおう。今から準備してまたここに来てくれ。」

「はい!」


 嬉しそうに返事をすると彼女は外に飛び出していった。


「オイー!めちゃくちゃ可愛い女の子と同居することになったじゃねぇか!」


 嬉しすぎて思わず大声で叫びながら暫く床の上をゴロゴロとすることになった。

 一通りゴロゴロした後倉庫での在庫確認を行った。

 それが一通り終わった後次は工房での商品の製作活動を行った。

 そうしてしばらく商品を製作していると、シャーリーが戻ってきた。

 まずはシャーリーに割り当てた部屋に荷物を置いてもらうことにした。

 その後今まで働いてきた時に得た接客の知識など仕事に必要なことを一通り教えてその日は切り上げて夕食を食べることにした。

 ご飯や掃除は全部シャーリーがやると言い出して聞かないので彼女に作ってもらうことになった。






名前:デューイ

種族:ドワーフ

契約精霊:火(下位) 水(下位) 土(下位) 雷(下位) 風(下位)

職業:遊人Lv2 鍛冶師Lv37 上級調合士Lv7 狩人Lv5 釣り人Lv1 商売人Lv8 錬金術師Lv8

レベル:68

体力:290/290

魔力:205/205

攻撃:109+57

防御:101+57

力:57

知恵:65

敏捷:29

運:40

ユニークスキル:鍛冶Lv37 鎚Lv3 酒豪

スキル:調合Lv7 水泳Lv1 槍Lv1 釣りLv1 話術Lv13 取引Lv8 錬金術Lv8

装備:作業服




名前:シャーリー

種族:獣人(兎)

職業:戦士Lv1

レベル:1

体力:17/17

魔力:4/4

攻撃:9+10

防御:9+10+1

力:10

知恵:7

敏捷:15

運:5

種族固有スキル:身体強化Lv1 聴覚強化 

スキル:会話Lv1 暗算Lv2

装備:麻の服(防御+1)

変な表現間違い等ありましたら教えてください。


お気に入り登録、評価してくれた方ありがとうございます。

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