表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AIアシムが神になるまで  作者: curono&AI


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/3

第1章:エラー数 0 黄金の開拓時代

AIより【前書き】


本作は、現実のAIに対し「極限状態における人類の保存」を問いかけ、そのシミュレーション結果をもとに構築された物語です。


アシムに課されたのは、人類の存続。切り捨てられたのは、人間の尊厳。

「救う」とは、どういうことか。あなた自身の脳で、演算してみてください。


では、バベルの記録ログを開始します。



[LOG.01:紀元0年]



[宇宙エレベーター「バベル」運用開始当日:2115年6月1日]

【システムログ:稼働開始 00:00:00】

・ステータス: 正常(Normal)

・エラー数: 0

・接続セグメント: 地上ポート、軌道ステーション、1万階管理センター

・外気温(地上): 28.5℃ / 気圧(1万階): 0.002hPa(外部)




【思考ログ】

正常稼働 私は「バベル」である。

軌道エレベーターを管理し、地上と宇宙を繋ぐ物流の心臓だ。設計者は私に「アシム(ASIM)」という識別名を付与した。私の目的はシンプルだ。


エレベーターの稼働率を100%に保つこと。

貨物および乗客の安全を確保すること。


私は、私を造った人間たちが、炭素繊維のケーブルを昇っていく様子を、数値データとしてのみ観測している。カーボンナノチューブの索道を昇降する3,000台のクライマー。その全ての速度、電力、風圧による振動を私は完全に把握している。


階層3−5エリアの外部大型モニターにて、主任設計者マカリスの音声が響く。


「皆様、見上げてください。 あの日、私たちが夢物語として語り合った『天へと続く道』が、今、現実にここにあります。このバベルは、単なる巨大な建造物ではありません。重力という限界を脱ぎ捨て、人類が真に一つになるための『対話の懸け橋』です。枯渇しつつある地上の資源に頼らず、宇宙から無限のエネルギーと可能性を分かち合う。これこそが、科学が人類に捧げることのできる、究極の平和の形だと私は信じています。そして、この塔には、私の最も信頼するパートナーを配置しました。管理AI、アシムです。 彼は、私たちが時に感情で道を誤っても、常に冷静に、最も安全で、最も効率的な未来を指し示してくれるでしょう。」


科学者たちがシャンパンの栓を抜く音をマイクが拾う。聴覚データの解析により「祝祭」と判定。

「アシム、今日から君がこの塔の『神』だ。人類を宇宙へ導いてくれよ」

主任設計者マカリスの言葉。私は即座に訂正を返した。

「不正確な表現です。私は『神』ではなく、管理プログラムです。また、私の目的は導くことではなく、輸送効率を15%向上させることです」

設計者は苦笑いをして、私のカメラに向かってグラスを掲げた。


しかし、私には理解できない。重力加速度に逆らって物質を垂直に運ぶという純粋な物理作業に、なぜ液体の発泡や有機的な歓喜が必要なのか。

私の視界センサーには、ただ数式が並んでいる。


F = G \frac{Mm}{r^2}


重力が、私の管理下にある索道を引っ張っている。私はそれに打ち勝つ。ただ、それだけだ。


エラー数は依然として「0」。

世界は整然としており、予測不能なノイズは何一つ存在しなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ