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異世界ゲームは趣味である ~レベルという概念の無い世界でレベルアップするのは反則だろうか~  作者: シシオドシ


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システムメニュー3

「よし! こんな感じでいいんじゃないか」


 取りたいスキルをチェックして必要な条件を洗い出した。それから自分の理想に会うステータスの組み合わせを練りながら頭の中でキャラを思い描く。

 現状の少ないCPでは出来る事の幅も少ないので取捨選択は必須、その中でもこれだけは序盤で欲しいと思うもので作ったキャラ。自分なりに満足が行くものは出来た。


「レベルアップでCPは貰えるだろうから拡張性はある程度考えないと駄目だよな」


 お試しで作りましたってのは確実に後々後悔する。育てている最中で条件が満たされず失敗するなんてゲームでも良くあることだ。折角レベルを上げたのにボス攻略できず結果作り直してなんて事になれば目も当てられない。


「これはやり直しがきかない。あ、場合によっては上級スキルなんかが出てくる可能性もあるか」


 そうなると条件自体も変わってくるけど、結局はたらればの話なので現状はどうしようも無いので、取り敢えずこれで完成で良いだろう。


 もうわくわくした気持ちでいっぱいだ。

 モンスターが出る森の中だと言う事も忘れ、どっかりと地面に座り集中してしまっていたくらいに。


 最終的に強いのは専門職だろう。特化した能力と言うのは育て難い分伸び率は凄い。


 だがそれを現段階で作れるかと言えば不可能である。


 だから俺が今作る《《最善》》のキャラは前衛近接戦闘で尚且つ汎用型、所謂無難な戦士タイプだ。


 これはゲームなどでもおなじみで、大概初期の頃にお世話になるジョブだ。初心者でも使いやすいジョブとして最も一般的だが、汎用型なだけに何かと中途半端で後々使わなくなる。だがそれは決して使えなくなる訳じゃ無い。


「ようは現実的なキャラって事だ」


 そう可も無く不可も無いには現実として考えると非常に優秀なのだ。だから俺としてはこれは後々も使えるジョブだと考えている。


「面白味には欠けるがなんだかんだで無難が一番なんだよな」


 タンクをこなす重戦士や身軽さを売りにした剣士タイプも良かったが、やはり一人だと考えると万能タイプにはかなわない。

 ベースキャラクターとしてはこれが一番だ。パワー、スピード、ディフェンス、その全てを兼ねるキャラを作ったつもりだ。その代わり魔法に関する事は犠牲にしたけど。


「あと問題になるのは武器だよな・・・・」


 さっきは咄嗟の事でテンパってしまい、木の棒などと言うテンプレ初期装備を使い非常に苦労した。

 はっきり言って無謀にも程がある。


 一旦戻って包丁をとも考えたが、その前にこの【システムメニュー】で確認しておかねばならない部分がある。



 【アイテム】だ。



 ゲームでは必須の【アイテム】項目がこの【ゲームシステム】にもあった。

 この【ゲームシステム】は俺の思考が元になっている可能性が高いと考えている。そうなるとこの【アイテム】欄には俺が考える当然あるだろう《《ある物》》が入っている可能性が非常に高い。

 大概のRPGにはお約束のもの。



 そう、《《初期装備》》だ!



 中には他人の家のタンスや樽から勝手に盗んで行くタイプもあるが、近年のRPGは倫理論からかアイテムとして最初から持っているか貰うタイプが多い。


「・・・・ほら、あったよ」



 【ショートソード(鉄)】

 【籠手(鉄)】



 ダメ元のつもりで開いたが、案の定は目的の代物が入っていた事にホッとするもガクリと肩を落とした。


「あの苦労は一体何だったのか・・・・」


 武器もそうだがジョブだって言ってしまえば能力の強化だ。

 最初に落ち着いてあれこれと調べておけばあんな必死にスライムを叩きまくる必要は無かった。


 天を仰ぐ。後先考えずに行動したつけとは言え心にいたく響く。


「まぁありがたいんだけどさ」


 おの婆に文句を言いたいがこれは俺の自業自得だ。


 無理矢理心の整理をつけ早速ショートソードと籠手を装備する。またいつモンスターに襲われるか分からないのでいつまでも黄昏てはいられない。


「さて、これは選べばいいのか?」


 操作に関しては全てが手さぐり状態だ。

 取り敢えずショートソードを選択してみたのだが、するとどうだ。なんとショートソードを選んだ瞬間、目の前に60〜70センチ程の刃物が出現した・・・・しかも《《空中》》に。

 

「え?」


 あまりにもそれが唐突であったため俺の思考が追い付かず、目の前に現れた危険な刃物に唖然とするばかり。


 それが良く無かった。



 さて問題だ。

 空中に質量を持った物質が在ればどうなるか。


 正解は自由落下する、だ。



 正に体が危機を悟り条件反射したとしか言いようがない。絶対俺の脳はその時何も考えられなかったはずだ。


 俺は脚を咄嗟に引いていた。


 出てきたデカい刃物がサックリと、さっき迄足があった地面に突き立つ。


「ふおぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」


 どんな感情の声なのか分からない声が出ていた。

 心臓は張り裂けそうなほどバクバクとなっている。冷や汗もドバドバだ。


 危うく足が・・・・・貫かれるとこだったぁぁぁぁ!


 初ダメージがモンスターでは無く自分の武器など笑えない。


 未だバクバクと弾む心臓を押さえ、地面に刺さったショートソードを恐る恐る拾上げる。


「こ、こういう出方をするのかよ・・・・いやまぁそうかもしんないけど」


 確かに選んだだけで体に勝手に装着されるのは無理がある。

 何もないところから出てきている時点でありえないっちゃありえないんだが、それでもまだこちらの方が現実的と言える。


 ただ刃物は危ない!

 物凄く危ない!!


 続けて手甲も出してみる。ショートソード同様にぼとりと地面に落ちるのを何となくそのまま見ていた。


 手甲も拾い腕に装着する。

 不思議な事にぴったりと腕にはまり着けた感触に違和感が無い。


「おぉ、これだけでも戦士っぽい」


 ジーパンにロングティーだけど、この二つを着けただけで随分と雰囲気が出る。


「武器も手に入ったことだし、これで一端の【戦士】だ」


 俺は満足に剣を掲げる。




 因みに俺の【クリエイト】で作成したジョブはこんな感じ。




ジョブ名【戦士】


筋力:150 + -

耐久:150 + -

俊敏:150 + -

魔力:0 + -

精神:0 + -

器用:150 + -


使用可能パラメーター値【0】




 めっちゃ脳筋仕様ではあるが半端にするよりは断然良いだろう。


 さてお次はこのジョブに合わせたスキルだが、これはジョブを作るうえでもう決めてある。


 それで選んだのはこれ。




 【筋力強化1】、【耐久強化1】、【HP強化1】、【剣術1】、【盾術1】、【闘術1】




 それぞれにCPを1払い【戦士】のジョブに設定する。

 するとスキル一覧の表記が変わった。




【パッシブスキル】

  ・筋力強化2:2P

  ・耐性強化2:2P

  ・俊敏強化1:1P

  ・賢さ強化1:1P

  ・精神強化1:1P

  ・器用強化1:1P

  ・HP強化2:2P

  ・MP強化1:1P

  ・剣術2:2P

  ・槍術1:1P

  ・杖術1:1P

  ・斧術1:1P

  ・盾術2:2P

  ・闘術2:2P

     ・

     ・

     ・




 予想通りスキルのレベルアップはCPを使うみたいだ。取得のコストが『2』に上がっている。


「となるとレベル3は3Pか、或いは乗数で4Pあたりか」


 このコストに増加は強くなるほど地味に効いてくる。だからこそスキルはある程度絞らないといけない。


 残りのCPは9。


 【HP強化】は是非とも上げておきたいので一気に3まで取得。

 必要CPはレベル3で『3』だった。乗数じゃ無かったのは嬉しかった。


 残りのCPは4。


「アクティブスキルも切り札として欲しいな」


 ここで手に入れおきたいのは【剣技】か【闘技】だろう。


 【剣技】は剣を使用して特別な技が出せるようになるというもの。【剣技1】だと【パワースラッシュ】と言う技を覚えるらしい。使用にはMPを消費するみたいだ。切り札として持っておいた方が良い。

 それと同様なのが【闘技】だ。無手の技なのでこちらもいざという時に使える・・・・となるとやっぱり両方か。


 さてCPが2残った。

 ここは更に命を守るのに必要なものを取っておこうと思う。

 しばらくの行動方針は「命大事に」だ。


 残ったCPで【気配察知】を取得した。


 【気配察知】のCPは2で取得の条件は無い。これにはレベルが無く、効果は単純に気配を感じる、だ。

 これを選んだのはそれこそ感、フィーリング。

 だがよくラノベでは重宝しているみたいだし、数少ないレベル無しスキルだ。きっと有用であることに違いない。


「これで全部使ったな」


 全てのCPを使い果たし【戦士】が完成した。

 途中CPを残す事も考えたが、やはり序盤の弱いうちは何があるか判らないので少しでも強くすることにした。


 早速ジョブを変えてみるか。


 ステータスのジョブの欄をクリック。



 直後、俺の眉間に皺が寄ることとなる。



ジョブ

 【システムエンジニア】

 【戦士】

 【使徒】



「・・・・・ん?」



 ジョブ選択欄に何やら不思議な項目があるのだが・・・・・・・どう見ても怪しくてものすごく不穏。

 作った覚えの無いジョブ。当然ながらこれは初期装備なのだろうが・・・・。


 あの婆の何かの仕込んみか?


 どう考えてもこれはヤバい類にしか思えない。

 何がヤバいって、名前がヤバい。


「【使徒】って如何にもだよな」


 本能がこれを選んではいけないと警鐘を鳴らしている。

 このジョブを選んだら大変な事が起きるぞと訴えてくる。


「よし、これは見なかった事にして封印」


 多少余計な事はあったがジョブを【戦士】に変更した。




名前:結城晴斗


ジョブ:戦士


Lv:1

HP:20/20

MP:10/10

筋力:10(8)×1.1

耐久:10(8)×1.1

俊敏:10(8)

魔力:10(0)

精神:10(0)

器用:10(8)

運:5


パッシブスキル

 【筋力強化1】【耐久強化1】【HP増加3】【剣術1】【闘術1】【気配察知】

特殊技能スキル

 【剣技1】、【闘技1】



加護

【女神の加護】【出会いの輪廻】【異界の転移】【システムメニュー】




「ふむ・・・・・思ってたのと違った」


 ステータスの表記を見た俺の首がコテリと曲がる。


 てっきりあの相対値が掛け率となると思っていたのだがそうじゃないらしい。

 【魔力】と【精神】が『0』では無く『10』のままだった。


 まぁでもよく考えてみればこれは当然だわ。仮に【筋力】が0になったら普通に死ぬな!


 代わりにあのグレーアウトしていたカッコの中に数字が入っている。

 これはどう言う事なか?


 考えられることとしてはカッコ内がジョブを得た後のステータスかカッコ内の数字が本来のステータスに足されるかのどちらか。


 これは後者が正解だろう。

 そうでなければジョブを変えると弱体化することになる。

 そこから察するに【システムエンジニア】は強化されないっと事だと思う。

 多分だが【システムエンジニア】は他のジョブを作る為の特別なジョブってだけじゃなくて、日本での俺の能力値みたいなものなのかもしれない。


 色々と推測は出来るがそこまでの説明が無いので分からない。

 この辺りは追々婆に訊くことにしよう。


「強くなった気がする」


 早速試しにショートソードを振ってみたら自分でも驚くほどスムーズにできた。


 これはおそらくステータスの【筋力】と【器用】が上がっているからだと思う。

 そうなるとやはりカッコ内の数字がステータスに加算、それと【筋力】と【耐久】後ろに【×1.1】が入っているのは、スキルの【筋力強化1】と【耐久強化1】の効果だろう。

 それとスキル【剣術1】の恩恵か。


「不思議な感覚だな」


 どう剣を扱ったらいいのかが自然と解ると言うか、昔から剣を振っていたような気になる。

 数回振っただけだが素人とは思えない小気味いい音が出る。


「ほぉ」


 全く習ったことが無いのにこれってスキル【剣術1】の恩恵はすごい。体の動きが格段に良いのは【闘術1】の影響だろう。


「いやほんとゲームでレベルアップしたみたいだわ」


 いきなり自分の強さが変わる、これが正に【ゲームシステム】であるとまざまざと実感した。

 それこそ他人の体と入れ替わったのではないかと思うくらい違いがハッキリとしている。


 スキルやパラメーターを変えて起こった結果は、本来なら地道な努力を長い年月かけて、それでやっと身に着く技術、それをポイントを支払うだけで一瞬で手に入れてしまう行為。


 それがチートと言わずしてなんと言うべきか。


「末恐ろしいな」


 最初から強くは出来ないと婆には言われた。

 確かにそうなのだろうがそれは度合いの問題だ。正直ステータスを見れば【筋力】なんてほぼ倍になっている。これだけでも十分な異常な強化だ。

 そこにスキルの恩恵を考えれば更にとんでもない。しかもこれからレベルが上がるごとにどんどん強化されていく。


「これは、近いうちに人間をやめてしまうかもしれない」


 そう言いながらも俺の顔には満面の笑みが浮かんでいた。

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