大掃除は計画的に
大会が終わり、反省会の翌日から地下スペースの掃除をすることになった。
BC-004Ω至上唯一ガソリンエンジンを積んだBC…美娘には悪いけど本気でぶつからせてもらうよ。
ちょっとエンジンの動きが心配だけど…まぁ…動かないことは無い…はず?
ホコリが舞う地下の空間…広く、そして薄暗く。
照明をつけると乱雑に置かれたガラクタが散らばっているのを目にした。
「ねえシェリー、ここっていつから使ってない?」
「確か最期の大会の後に整備スペースに使ったっきりり。」シェリーは手に持ったほうきを投げ捨てた。掃除をすると言っておきながら無責任だけど正直面倒くさい。こんなに散らかってるなんて思ってもいなかったし。「ホントにやらないとダメかな?」「みっつーがやるって言ったんじゃん。ほら、整備用のアレ持ってきて。」
「アレ」とは、マルポットという整備に使う中型のコアフレーム。掃除するために使うらしい。
――大会から4日。
掃除が終わらない。道具やら端材やら動かないBCやら。「まとめて捨てちゃダメ?」「金無いからダメ。使えるのは残さないと。」装甲パーツ、電力制御基板、古いコアパーツ。まだ壊れていないものを片っ端から集めて行く。「ねえ、レイヴンの整備しに行っていい?」「あとで美娘に怒られるぞ。遅すぎ!って。」シェリーが端材の山を作っている…
そもそも会社の資金稼ぎのハズのメタコンに美娘を巻き込んでしまっているのが問題なんだが、正直彼女自身も楽しそうにしている。それどころかメンバーの誰よりも真面目にやってる。
「みっつー、ボーってしないで。それ動かせるのみっつーしかいないんだから。」「ねえ、あれってさ…」何かの腕?がガラクタの下からはみ出ている。「みっつー、上のどかして。」ガラクタを押しのけていくと古い機体が姿を現した。
「え…なにこれ?何の機体?」「何これ…うちの機体じゃない…よね?」雑に寝かせられているBCを見て何処か寒気がした。
「ひとまずパーツは剥いだけど…使えるのこれ?」「規格が違う…多分だけど生産元は国外だよ。でも使えないことはない。外見だけでも相当丈夫にできてる。基板弄ればなんとか…」「規格外のパーツなら売っちゃえばいいんじゃ?」「そうもいかない。そもそも買い手がいないんだし。アンティークってわけでもない。」
「…溶かすとか?」「うちに鋳造の技術は無いよ。」しばらく相談した結果謎の機体は武装の開発に使われることになった。
―――大会から6日。
「やっと終わった…」ため息をつくとシェリーが「ん。」とお茶を渡してきた。「ありがとぉ…」「そう言えば機体の調整は?間に合う?」「わかんない。けど美娘の分は急ぎでやる。」
HcB-1 リアス。人間が脳波接続出来る限界を知るために作られた試作機。型式番号はレイヴンの一つ前。ほとんどのパーツはレイヴンと互換性がある上、機体のフレームが同一のためレイヴンとなんら変わりはない。これをレイヴンが使えない間変わりに使ってもらう…が、相当古びていたのか所々動かない。これを1日で動くようにするなど到底できたものではない。
死に物狂いで修理を進め、作業が終了したのは翌日の午前1時だった。
「ボクの機体…どうしよう。」「何?考え事?」「いや、模擬戦の相手をするならって思ってさ」格納庫をのんびりと眺める。
広く、薄暗い。何処までも続いている気がする。
片っ端から機体が整列している中、一つだけ目に止まった。
模擬戦にはオンボロで挑むもガタガタと音を鳴らす光流の機体。何か嫌〜な予感がするが…
一言
整理整頓は苦手です。(by、作者)




