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ストライク・コネクトコア ~鋼の体は血を流す  作者: 詩人マガリカド
セブンスチャンピオン編
4/4

優しさは才能

新しい体[レイヴン]になり、2日後の実践訓練までの少しばかりの休みの日にどこかに出かけようとしたらジルに止められた…

「…どこ行くのよ。」

助手席の窓から外を眺める美娘が言った。

「……海。」ジルはボソリと返事を返した

「へぇー、アンタって意外とそういうところ好きなんだ」ペットボトルのドリングを片手に美娘は微笑む

ジルはしばらくだんまりとした。

「…姉さんが…好きだから。よく行ってる。」

顔を少し赤らめたジルは小さく呟いた。

「そうなんだ。」美娘はちょっと残念そうに口をとがらせて言う


―4時間前

「出かける?」

「あぁ、忙しかったか?」

何故か目を逸らしながらジルは言う。

「いや、特には。」

「じゃぁ行くぞ。姉さん、ティアの面倒見といてくれ。」

それは突然だった。


1時頃家を出る。

「…昨日さ、買い物行けなかっただろ?」

「えぇ、まぁそうですね。」

「何が好きかわかんねぇから、その…ショッピングモールってとこに行こうと思う。」

何もない道路の真ん中、車の中で会話は弾んでいなかった。

「なんか、ありがとうございます…?」

「その敬語やめてくれ、なんか…むず痒い。」

「…わかった。」


ショッピングモールにつくとまずは飲食店に寄った。

「親父からカード借りてきたから好きなだけ食べていいぞ。」

「失礼ね、そんなに食べないわよ。」

「そっか、姉さんじゃないもんな。」と笑顔を初めて見せた。

ハンバーガーのチェーン店でセットを2つ注文した。

「食事の会計4桁なんて初めて見た…」

「アンタ達いつも何食ってんのよ。」

「まぁたまにはいいもんだな、こういうのも。」

注文した物が届くとジルはどこかぎこちない様子で包み紙を丁寧に開いた

「アンタ…まさか初めてなの?」

「……あぁ、わからない。」ジルは恥ずかしそうに言った

「もう仕方ないわね。」

そう言うと慣れた手つきで包み紙を開く。

「いい?ハンバーガーはこう持ってかぶりつくの。豪快にいくのがポイントね。」

幸せそうに頬張る美娘を見てジルも真似してかぶりつく。

「なにそれ、頬張りすぎよ」

リスのようになったジルを見て美娘は笑い始めた。

「お前が豪快にいけって…」

口いっぱいにハンバーガーを詰めているジルが反論をしようとしたが、自分もおかしくなって笑い始めた。


食べ終えるとジルはソワソワし始めた。

「どうしたのよ?」

「いや、ウエイターが来ないから…」

「アンタねぇ…ここにいちいち皿を下げてくれるウエイターはいないの。食べ終わったら自分で片付けるのよ、それがここのルール。」

呆れたように美娘が説明する

「そう…なのか?」

「ほら、トレーを持って来て。」

そう言うと出口の方へ歩いていった。ジルは慌てて追いかける。

「こういう店はだいたい出口の近くにゴミ箱あるからそこの表記に従って分別するの。」

美娘はササッと分別しトレーを棚に戻した。

ジルは少し戸惑いながらも美娘を真似して終わらせた。

「やればできるじゃない」笑顔で褒める美娘を見てジルは少し笑った。



「次はどこよりたい?」

人混みを眺めながらジルは言う

「服屋に行きたいかなー」

「何処にあるんだ…その服屋は」

「マップみれば分かるはずよ。」

2人はマップの前に来た。

「……」しばらく沈黙が続く

「どうしたんだ?」

美娘がマップを指差す。「ここ、女性向けの服屋とかが密集してるの。」

「それがどうかしたのか?」

「アンタ、女慣れしてないだろうから寄れる場所が少ないのよ。」

「女…慣れ?」

「ほら、アンタ女の子に慣れてないっていうか、わかんないでしょ?女の子が。そんなヤツを連れてったら大変なことになるのよ。」

美娘はそう説明した。

「………多分…そうなのかもしれん」

「まぁ子供服でも見ますかね。」

「なんで子供服なんだ?」

「ティアにプレゼントするのよ。あの子が外に出れない分、楽しませなきゃでしょ?」

「そうだな。」

2人は子供服屋に寄った。


「ねぇ、ドレス風の赤いワンピと白黒ツートンのフリフリワンピどっちがいいと思う?」

美娘は目を輝かせながらジルに聞く

「どっちもじゃダメなのか?」

「バカねぇ…ただ沢山買ってあげるよりしっかり選んであげた一着の方が気持ちがこもっててうれしいのよ!」

「そうなのか…」

「で、どっちがいいと思う?」

「どっちもアイツにはあんまり似合わないと思う…」ジルは気まずそうにしながらはっきりと言った

「言ったわね!じゃぁどっちがティアに似合う服持ってくるか勝負よ!」

美娘はニヤリと笑い勝負を仕掛けた。

「えぇ…」


―服も選び終えショッピングモールを後にした。

家とは逆の方向に車を走らせる。

「…どこ行くのよ。」

助手席の窓から外を眺める美娘が言った。

「……海。」ジルはボソリと返事を返した

「へぇー、アンタって意外とそういうところ好きなんだ」ペットボトルのドリングを片手に美娘は微笑む

ジルはしばらくだんまりとした。

「…姉さんが…好きだから。よく行ってる。」

顔を少し赤らめたジルは小さく呟いた。

「そうなんだ。」美娘はちょっと残念そうに口をとがらせて言う


しばらくすると浜辺に着いた

波際を歩きながら美娘が話し出した「アンタってなんで自分の好きがないの?」

「どういうことだ?」

「ほら、いっつもアリアさんのことばっかりで、自分の好きなものはあんまり出さないじゃない。」

「ないことはない…」

「ま、人間誰しも好き嫌いあるもんだから。それを言おうが言うまいが、それも自由だしね。」

「そうかもな。」

足元に波がぶつかる

「オマエは凄いよ。すぐに人のこと理解できるから、オレのこともさ。観察力…ってやつなのか?」

美娘が立ち止まった。

「んー、なんていうんだろう。興味を持つと知りたくてたまらない性格だからさ、できるだけ知っておきたいって思うんだよね。特に人は喋ってみたりしないと分かんないけど。」

「………」何と返せばいいか分からずジルは黙り込んだ

「何その顔」美娘は笑った

赤く染まっていく地平線を眺めて


「この先どうなっちゃうんだろうね…」

堤防に座り美娘がつぶやく

「どうもしないさ。これまで通りの世界…」

ジルは隣に座り空を見上げた。


家に着く頃にはもう暗くなっていた。

「おかえり…」ティアが寂しそうな顔をしている。

「ただいま!」

そう言って美娘は紙袋を取り出す。

「これ、ジルが選んだお洋服」

そう言って手渡すとティアはびっくりした目でジルを見あげる。

「なんだよ…誰だっていいだろ。」

と照れくさそうにジルは食堂に向かった。

ティアは紙袋を大事そうに抱え込み自分の部屋に走っていった。



―「はぁ?!大会ですって?」

会場のホールに怒号が響く

「あぁ対人の実践するにはもってこいの場所だろ?」

「アンタねぇ…」と呆れたように声を漏らした

「大丈夫、アマチュアだから優しめだよ。」と無神経な言葉を漏らす

「そういう問題じゃないでしょ?いきなり初心者を大会に出すバカが何処にいますか!」

どうやら逆鱗に触れたようだ。

小さい声で光流がつぶやく

「もう始まるから…行かないと…」

「そういうことは早く言いなさいよ!」

2人は走っていった。


「…二人とも何してたの?」

大きなガラス張りの部屋でシェリーが待っていた

いきなり大会に連れてこられた美娘。

果たして勝てるのか?

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