人造肉体(アルフィシャルボディ)の実験報告書① 1/1~
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これから機械が更なる進化を遂げるであろう。
これから造るのは機械生命体でも半機械生命体でもない。目標は人間の代用品として扱うロボットだ。
この目標を達成するためには我々人間の構造と最低でも70%以上一致しなくてはならない。
この実験はまだ公表していない。
最低限安全を確保してから世界にこの偉大な発明を見せることにする。私だって死にたくはない。
前置きはこんなところにしておこう
まずどのように動かすかだ。人間が操作しては意味がない。ならばどうするか、答えは簡単だ、人工知能を使えば良い。
人間と同じ思考を持ったAIならば人間と変わらない動きができるだろう。
人体を動かすためには電気信号が必要だ。
我々のこの肉体も機械と同じく電気によって動いている。筋肉に電流を与えると縮む、これが力を入れるという行為になる。
まず私は脳がどのような信号を送って体を動かすのかを調べることにした。
脳波を感じ取るセンサーなど色々機材を揃える必要があるが、有り合わせの物でもでどうにかやれるものだ。
まず脳波を使って操作するゲーム機を分解して脳の微弱な電流に反応するセンサーを取り出しコンピューターに繋げた
かなり良い機種だったのか以外にも実験はスムーズに進んだ
実験のためにサンプルを録った。行った行動は、右手を上げ下げする、左手を上げ下げする、右足を前後に動かす、左足を前後に動かす、の4つ
動くとセンサーが反応し脳波の信号パターンをコンピューターに送り保存。
そして保存した次号パターンを派系図にして可視化した。
次に保存した信号を実験用のカエルの手足に流してみた。
結果、動きはしたが再現度は低い。
やはり構造が違うから動くための信号も違うのだろうか?
サンプルの数を増やして乱数があるかを調べる
同じ動作を同じタイミング、同じ時間で何度も行う。
結果は想像通り、乱数はあまり無い。
やはりカエルが駄目だったのか?
だがしかし人間の腕を実験に使うほど私の倫理観は終わっていない
人間と構造が似ている生物、つまり霊長類ならば動くのかもしれない。
今日の実験はこれで終わった。
明日からはサンプルをもっと録ろうと思う
今日の反省点としては電機信号を送るために無理やりカエルの足の断面に導線を繋いだことが挙げられる。
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2日目だ。今日は昼過ぎに起きた。
昨日は13時間通して実験を進めたが進捗はまだ0.1%にも満たないだろう
今日は昨日よりも複雑な動きのサンプルを録る。
まずは歩く動作。動きの順序としては①どちらか片方の足で地面を蹴り、膝とその反対側の手を前に出す。同時に重心を少し前に出す②前にある脚の膝を伸ばし重心をさらに前に出す後ろにある足で地面を後ろ側に押す動作を行う③出した足を地面につけ、出した手を後ろに引く。後ろの脚の膝を曲げ前に出し、後ろの手を前に出す。④以降、②~を繰り返す
ランニングマシーンを購入しておいた。
身体中にセンサを取り付け五分ほど歩いてみた。
派系図は同じリズムを繰り返している
リズムを先ほどの順序に当てはめ、切り取ってみた。その電機信号の組み合わせを"walking rhythm"(ウォーキング リズム)と名付けよう。
だがしかし、複数の動きを一つの同じ派系図にするのは無理がある。そこで私は30個のチャンネルを用意した。チャンネル別に違う信号を読み取るように設計をした。
この機器を体内信号読取り保存機と名付けよう。
体信保存機でwalking rhythmを測定。
信号を観測したチャンネルは26。
動きとパターンを保存しようとしたらコンピュータの容量が足りなかったので紙に信号強度と派系図、組み合わせを書き写し、それを写真に写しファイルで管理することにした。
「ファイル① walking rhythm」
棚に敷き詰められたマンガをダンボールに積めてファイルを置いた。
気がつけばもう夜中だ。
ファイルを作る作業で疲れきってしまった。
今日はもう寝ることにする。
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今日は評論会がある。
私も研究成果を発表しなくてはならない。
発表したテーマは「高精度な判別センサー」
機械工場等様々な場所で活躍するだろう。
話したいのは山々だがそんなことは評論会のデータに残っているのでまた別の機会に話そう
本題に入ろう。
昨日は歩く動作のサンプルを録った。
次は走る、ジャンプする、座る、立つ
これらのサンプルを録りたい。
実験結果を記す前に驚きの事実がわかった
歩く動作では26チャンネルが違う反応を見せたが
座る動作のサンプルを録っていたとき、同じ複数のチャンネルが同じ反応をしていることがあった。
この結果からある仮説が立てられる。
複数の筋肉に同時に信号を送るために脳は複数の複雑な信号を自動的に省略し、複数のまとまった簡単な信号を複数の筋肉に送り一気に動かしてるのではないか
こうすれば動くときのカロリーを抑えられるし素早い動作を行えるのではないか
進化の過程でそのようになったのではないか
知り合いの生物学者に人造肉体のことは伏せてこの話をした
その生物学者は興味を示してくれた。
「実験のデータを送ってくれ、そしたら我々でもこのことについて研究をしよう。」
と言われたが、あいにくファイルにしかまとめていないし、コンピューターはもうパンク寸前。
更なる機械の進化のためには致し方無い。新しくパソコンを購入した。
ファイルを1ページずつ写真に納めてデータ上のファイルにまとめた
注文したパソコンは最短でも一週間でかかる
生物学者にはデータ発送は遅れると伝えた。
そんなこんなをしてるといつの間にか朝になっていた。
棚のファイルは三冊に増えた。
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ひどい頭痛と吐き気がある。一週間ほど休養を取る事にする
データが読み込めません
エラーコード:60045
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