NO3 ミュアさん 2
ーえっ!
狂犬病?ー
訳 はっ?
マジで?
カレはお馬鹿さん?ー
ネイザンは言葉の意味も国同士のお約束も病気の名前も
地球によく似ています。
だからこそ、絶句してしまうのですが・・・。
ーカレが狂犬病って言ったのかな?ー
「はい、間違い無いです!
カレの国を出国する前に大変だったと言ってましたよ。
熱がひどくて下がらなかったと言ってましたし!」
やべっ!!
自然と笑顔になってしまう!
信じちゃうの?
純粋すぎない?
テレフォンだからバレないけど。
ーいちど、冷静になりましょう!ミュアさんー
訳 話しが通じるかな?
大金かかっているしな〜。
私のテレフォン占いは
普段は夢を見せてあげるのですが、
今回はやめておきます。
今からお金を騙し取られそうになっている方に
夢を見せるほど
私も残酷ではありません。
今回ばかりはミュアさんではなく
ご家族の味方になろうと思います。
(いい人じゃん、私って)
ーミュアさん、確認ですが
カレが狂犬病って言ったのよね。ー
「もちろんです!
カレが病院で検査したら
狂犬病だって言われたそうです!」
純粋だなぁ〜。
それ信じてるのかぁ。
だからお金振り込もうとしてるんだけれどね。
ー冷静に聞いてね、ミュアさん。
あのね、狂犬病って診断されたら出国できないのよ。
どこの国でもね。
狂犬病は感染症で他の国に病気振りまいちゃうから、
出国どころか病院から出ることすらできないよ。ー
「えっ! 彼は熱が下がったから大丈夫って言ってましたよ。」
ー それに、狂犬病って発症したら
致死率100%の病気だからすぐに死んじゃうよ。ー
「そうなんですか?
私、そのへんわかんなくって・・・。」
ー私が信じられないなら、
すぐにクリスタルボードで調べて!
いますぐに!ー
訳 いますぐ調べんかい!!
「え!あ!あれ?
私、騙されているんすか?」
ー残念ながらそうよ!
カードも”騙す””恋愛””虚偽”が出ているの。ー
「 でも、お金を送ったら
入国できるから
直接話ができるし
本人に確認できますよね。」
・・・。
カレがアージン国に来ていない可能性のあるとは
考えないのね。
ーでは、確認で
テレフォンで入国審査の管理官と話されましたか?ー
「カレからのテレフォンで
管理の人と話しました!」
ーカレからのテレフォンじゃなくて
直接入国審査の管理施設からのテレフォンで
管理官の方と話されていませんか?ー
「カレからのテレフォンだけです。」
ー確認のために
入国審査施設にテレフォンして
カレ本人がいるか確認してください!ー
訳 家族!聞いてるか?!
今すぐ調べて掛けるんだ!
ご家族!頑張れ!
「カレを信じてはいけないんですか?」
ーカレのために
カレを信じるために
入国審査施設にかけるんです!ー
「カレを信じるためにですか?」
ー そうよ、私のカードが外れていて欲しいわ。
ミュアさんが好きになった人のことだもの。
私のカードよりカレを信じたいでしょ。ー
「カレを信じたいです!」
ー そうよ、だからテレフォンするの。
それにお金を振り込むときに間違わないように
入国審査施設の人に聞いた方が
翻訳されたネイディ語より
アージン国人のネイディ語がわかりやすいよ。ー
「あっ!
そうですね!
そうします!」
ブツ!
あら、切れましたね。
ぜひそのままの勢いで入国審査施設に
ご家族の方と一緒にテレフォンかけてくれたまえ。
ーストレス解放の魂の叫びー
外国人から会ってもないのに
告白されて結婚決めるんじゃねーよ!
アホみたいな手口の恋愛詐欺にホイホイ乗るな!
純粋通り越して知らなすぎるわ!
送ってきた相手の顔の写真だって
本人じゃない可能性あるじゃねーか!
それに!
金板3枚って大金じゃんか!
何、あっさり送ろーとしてんの!
カレだってタイプじゃないおっさんかも知れんよ。
顔面詐欺かもしれんじゃん。
知らないうちにおっさんにお金を送ってとんずらされて
それから気がついても遅すぎるわ!
お金と恋心もざっくり失うわ。
傷つく前にご家族が止めてくれて
助かったと思いなさい!
今日、私は良い仕事をしたと思う。
この後どうなったかは知らないけど。
その後の顛末を教えてくれる人がいないから、
分からないまま終わるのがテレフォン占いです。
願わくば金板3枚を守ることができていて欲しいです。
さて、おいしいお茶でも入れて甘いおやつでも食べましょうか。
思ったより労力を使いました。
どうか皆様も甘い恋のロマンスにはご注意を。
・・・。
ラコちゃん!
またお腹壊してない!
すっごい匂うんですが!!
第3者が聞けば
アホみたいな設定のロマンス詐欺は
実在します。
お気をつけください。