女騎士の事情
メリーゼの家へと女騎士を連れて来た。
現在、女騎士はベッドで寝ている。
「あの方、どうしてあんな状態になっていたのでしょう……」
「しかも傷がある、誰かに襲われたんだろうな」
「もしかして王都で何かあったんでしょうか」
「あったんだろうな、騎士の世界は俺にはわからないから何があったかはわからないが。 でも聖騎士と言う事は教会関連の出来事であったんだろう」
そんな話をしていた所、女騎士が気がついたみたいだ。
「うぅ……」
「あ、気がつきましたか?」
「こ、ここは……?」
「小さな村だ、あんたは川に浮かんでいたから助けたんだ」
「川に……、そうか……、なんとか命拾いをしたみたいだ……」
「私はメリーゼと言います、こちらはジード様です」
「メリーゼっ!? もしかしてメリーゼ・コンラスト公爵令嬢ではっ!?」
「え、えぇ……、そうですけど……、私の事を知っているんですか?」
「はいっ! 私は貴女を探すように言われていたのです」
メリーゼを?
メリーゼも頭の上に?マークが浮かんでいる。
「申し遅れました、私は聖教会所属騎士のアネッサと言います」
「聖教会と言えばこの大陸の教会を束ねている教会の大本山みたいなところじゃないですか」
「その聖教会所属の騎士がメリーゼの事を探していた、と言う事はもしかしてこの国の聖女関連か?」
「その通りです、この国の聖女に偽物疑惑がかけられていてその調査をするように命じられていたのです。それでメリーゼ嬢の話を聞き本人の話を聞きたくて来たのですがその途中で何者かに襲われてしまい……」
なるほどなるほど……、多分アネッサを襲ったのは聖女の手の者に違いない、と思う。
自分の事を調べに来た、と知ったら全てを知られる前に消すだろうな。