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ジード、実家に帰る

「しかし、この1年よく無事に過ごしてきたな」


「人間死ぬ気になればなんでも出来ますから」


 そう言ってにっこり笑うメリーゼ。


 よくよく見れば服装はボロボロ、髪もボサボサの状態、この1年がどんなに過酷だったかは分かる。


「ジードさんはどうしてこの村に戻ってきたんですか?」


「俺は元々冒険者になりたくて村を飛び出していったんだが現実の壁にぶち当たってな……、結局乗り越えられなくて戻ってきたんだ」


「そうだったんですか……」


「まぁ、1人でいるより他に人がいるのは精神的に楽だ。これからよろしくな、メリーゼ」


「こちらこそよろしくお願いします、ジードさん」


 俺とメリーゼは握手をした。



「なんとか実家は残っていたみたいだな」


 俺は記憶を頼りに実家へとやって来た。


「ここがジードさんのご実家なんですね」


「あぁ、ここで両親と一緒に暮らしていたんだ。 まぁ両親は亡くなっちまったけどな」


「ご病気かなんかですか?」


「いや、事故にあって亡くなったんだ」


 俺の両親は元々は猟師をしていたのだが山中で足を滑らせてしまい崖から転落してしまった。


 突然、両親を亡くしてしまった俺はショックだったが村の人達は優しくしてくれた。


 幼馴染達もあの時は俺と仲良くしてくれた……。


(時というのは人を変えちまうんだなぁ)


 ……なんか悲しくなってきた。


「どうしましたか?」


「いや、ちょっと時の流れを感じていただけだ……」


 うん、過ぎた事はしょうがない。


 俺は家の整理を始めた。


 まず窓を開けて換気だ。


「放置していたとはいえ余りホコリ臭く無いな」


「あぁ、私が定期的に換気していたので」


「そうだったのか……、ありがとな」


「いえいえ、時間はたっぷりありましたから」


 ホント、メリーゼっていい子だな、こんな子を追い出すなんて貴族っていうのはおかしい奴らだ。 

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