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里帰り、元悪役令嬢との出会い

 街を出てから1週間後、俺は故郷に帰ってきた。


「やっぱりというか……、予想以上に寂れているな……」


 久しぶりに見た故郷の風景はかなり変わっていた。


 大地は荒れ、建物はボロボロ既に崩壊している所もある。


 そして、人っ子一人いない。


 完全に廃村状態だった。


 でも出ていく時点で村人は子供や老人ばっかだったからこうなる事は想像できた。


 そう考えたら当時村を出て行く、と決断した時に快く送り出した村長は心広いよな、本当は働き手が必要だったのに。


「立ってても仕方が無いしまずは実家を探して……『誰か〜っ!! 助けて〜っ!!』……ヘ?」


 いきなり女の声が聞こえ驚いた俺はすぐにその声がする方へと駆け出した。


「ここは確か村長の家だよな……」


 たどり着いたのは村内でも比較的大きい村長の家だった。


「おーい! 誰かいるのかー!!」


「ここでーす! 屋根の上にいまーす!」


 屋根の方を見ると1人の少女が屋根の上でガタガタ震えていた。 


「そこにはしごが倒れている筈なのでかけてもらえませんかー!」


「はしご……、ってコレ朽ちてるじゃないか、すぐにぶっ壊れるぞ」


「えぇっ!? どうしよう……」


「しょうがない……、俺が受け止めてやるから飛び降りて来いっ!」


「だ、大丈夫ですか……」


「心配するな、女性一人受け止める体力はある」


「ほ、ホントですね……?、それじゃあいきますよ……、えいっ!」


 少女は俺目掛けて飛び降りた。


 俺は受け止める為に両腕を前に出し無事に受け止めた、まぁ地面に尻もちついたのは仕方が無い事だ。


「あ、ありがとうございます! 屋根の修理をしていたらはしごが倒れてしまって途方に暮れていたんです。 お怪我はありませんか?」


「なんとか大丈夫だ……、修理していた、と言う事はあんたはこの村に住人なのか?」


「えぇ、そうです。1年前からこちらに住んでいます。私メリーゼと申します」


「俺はジード、この村の出身で今日帰ってきたんだ」


「えっ!? この村の住人なんですかっ!?」


「そうだが?」


「私、罪人が罪を償う為にある村だと思っていました」


 俺は思わずガクッとなった。


「いやいや、ここは普通の村の筈だが、ていうか罪ってメリーゼは何か罪を犯したのか?」


「……腹ただしい話ですが私嵌められてここに来たのです」


 嵌められた?

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