令和トラック野郎~暁に染まる海の町~
俺はトラック野郎。
御剣兼太郎。
北海道から沖縄までド派手な大型トラックで駆け巡る。
パンチパーマにねじり鉢巻きに巨大なサングラス。
首には交通安全のお守りをぶら下げ、白シャツ一枚。腹巻き。ニッカポッカ。足袋。
家族の写真を時々見ながら演歌を大ボリュームで流して今日も行く。
「おう!ケンさん!おつかれぃ!」
海を越え山を越えやっと目的地にたどり着いた。
「あとで領収書頼むよ!」
「ありがとうございやす」
金の入った封筒を受け取ってトラックの荷台を開けた。
「言いにくいんだけどよ。ケンさん。今日で取り引きは切らせてもらうよ」
「なっ!?なんでですか社長!」
「家族の時間……作ってやんな」
俺は仕事仕事でいつも家を空けていた。
そうだな。
そろそろ家庭を大切にするか。
・
社長は兼太郎から受け取った封筒からSDカードを取り出した。
(……ゆ◯パックでええやん)
「遅いし」
(今どき120円じゃジュースも買えねぇぜ。ケンちゃん)
「あとトラック1台でSDカード一枚はコスパ悪すぎな」
・
俺はトラック野郎。
北海道から沖縄までトラックで駆け巡る。
生活費と養育費はパパとママから毎月200万貰っている。
今年で50だ。




