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3話 ー旅立ちの時ー
私は今の状態で何かできるわけでもなかった。
特に何か道具を持っているわけでもないしお金もない。
自分の身の回りの道具をすべて換金しても手元に残ったのは銀貨3枚だけだった。
自分のされている扱いが身にしみてわかる。
「早くこんなとこ抜け出したい。」
そうは思っていたもののいつも家の雑用をしている私には抜け出す機会はなかった。
ある時
「凛華。雑草を抜いてきなさい。すべてよ。」
絶好のチャンスが訪れた。
手持ちの全財産銀貨3枚を手に私はさっそうと外へ出た。