迷宮第一層レジーカ(妖精リリア分裂、迷宮編)
妖精リリア(分裂)は、目を覚まし気づくと扉によりかかって、寝ていたようだ。
封印扉は、一度開けてしまうと条件がクリアできるまで、開けられない。
扉の妖精文字には、レジーカと描かれているから、封印魔法を越えて深層域第一層につけたようだ。
レジーカは、迷宮第一層にあたり、前にも来たことはあるけれど、それはリリアの持つ預言者レポートをグレードアップさせるときであり、リリアの封印空間であった。
今回は、おそらくリンヤの深層域であり、
運命の導く者の封印空間かもしれない。
リンヤは、この迷宮でさまよっているのか、それとも、超えてどこかに飛ばされたのか。
迷宮内は、時間の流れが狂っているため、
終わったところで、どの時間上にいるか、まったくわからない。
とにかく、迷っていては、ひたすらに迷宮をさまよう住人になり、いつまででも出られない。
また、この封印空間の主は、各層にいる妖精たちだが、その姿は仮の姿らしい。
本来の姿は知らない。
唯一いいところは、この空間にいると、歩き回るだけで、MSP回復アイテムと、食事がでてくるところだ。
迷宮に、転移しても、服や身につけたものは、そのまま装備されている。
胸につけた薔薇のコサージュやトケルンもそのままだ。
とりあえず、服を一度はたき、ショップで購入したスカートも上着も、羽織っているフードパーカーも異常はないか確認してみた。
リリアはまず扉の前で、一礼をして、
それから反対向きになり、一歩踏み出す。
すると、景色が一瞬で変わり、闇の空間になる。
この暗闇を探検し、先に待っているものをクリアしなければいけないようだ。
妖精ノートの文字の明かりが、暗闇のなかで、薄明かりとなってくれている。
照明魔法は、妖精としては基礎魔法の一つだ。
まずは、照明弾となる魔法をうつ。
壁に照明弾の粘性でくっつき、それが明かりとなる。
明かりにしたエネルギーがつきるまでは、照らしてくれるだろう。
その照明弾とノートの灯りのなか、リリアは、自身の持つ魔法スキルを試してみることにした。
預言者レポート、転送、転移。
また、能力向上をしようとはじめた格闘や剣術、弓術なども一通り試してみようとした。
やはり迷宮では、魔法が制限されているようだ。
預言者レポートや転移、格闘などは使えそうだが、転送は他の空間からアイテムが呼びだせないし、剣や弓がないため、これらスキルは試しができない。
預言者レポートは、自分の未来は観られないで、観られるときは、関わっている預言対象のものが、わたしにも影響している場合だ。
薄明かりのなか、ここが広い空間であることと、温度は寒くも暑くもなく、ある程度壁のようなもので、囲われているのだとわかる。
とりあえず、一定間隔で魔法で照明弾をうちながら、壁ぎわを先に進んでみることにした。
どれくらい歩いてみただろう。
眼はすっかり、薄明かりの暗さに慣れてきたが、先がよく、わからない。
「あー!」
声をだしてみて響かせる。
広さもよくわからない。
途中の通路で、グローブとナックルがあった。
拾ってみると、まだ新しく使えそうだ。
グローブを装備してから歩きだす。
どれくらいまた歩いてみただろう。
そのうち、周りを探すのを、やめて、考えを巡らせていた。
転生魔法で、分裂したわたしは、そのまま妖精の役割でいるようだ。
きっと転生魔法使いのままだろう。
郵便は、転生魔法使いになったときには、
もうすっかり辞めていた。
転生魔法使いのための修行時代が長くかかったからだ。
きっと他の妖精が代理として、わたしの受け持ち範囲を引き継いでいるだろう。
分裂した、もう片方のわたしは、転生しただろうか。
妖精333年と少し。
まさか、分裂するとは思わなかった。
妖精ノートを開く。
ノートの灯りに照らされ、周囲がまた少し明るくなる。
そういえば、妖精ノートは二つになるのだろうか。
そういえば、魔法のMSPは、分割だろうか。
そういえば
そうい
そう
ふう
だいぶ歩いてきた。
後ろをふり返るも、なにもみえない。
一時間歩き、少し休む。
二時間歩き、照明弾を多くした。
三時間歩き、ようやく角があった。
角に何か落ちていた。
回復アイテムだ。
ひろって左に曲がる。
左
右
右
上
上
下
少し戻ってみてから
上
上
右
右
上
上
下
少し戻ってみてから
右
右
上
上
上
踊り場で
回復アイテムも飲みながら
ようやくこの構造がわかった。
右に上に歩きながら、少しずつ上のフロアに移動しているみたいだ。
トケルンをみると、
時刻はあっているか不明だが、
ストップカウンターをみると、
六時間は、動きまわっただろうか。
ここで、一眠りして、
続きは、起きてからにしようと考えて、
そうしようかと思ったときに、
さらに上のフロアから何か聴こえてきた気がした。
回復アイテムを使い、また少し休憩したあと、さらに一時間歩いてみると、階段を上った先のフロアが明るくなり、ここが塔の上だということがわかった。
長髪で黒の瞳、闇色のボロ布のようなローブを着ている妖精がいる。
妖精のレジーカだ。
ローブは近くでみるとキラキラ光る。
「よく、あきらめないで、塔最上階まできたね」
「お久しぶり。レジーカ」
「ここの試練は、この塔を上りきることと、わたしに勝つことだ。さぁ、そこの回復アイテムを使い、最大まで回復したら、勝負だ」
勝負は、一瞬だった。
レジーカが、回復アイテムと言ったのをきっかけに、リリアは転移でフロアのレジーカの真後ろにとび、格闘スキルから、まわしげりと、オーロラウォールで、飛びのるための魔法の壁をつくった。
身体を飛ばされたレジーカが、反撃する前に、カーテンに飛び移ったリリアは、さらにかかと落としをして、レジーカは地面に倒れる。
そのまま、拳を地面にいるレジーカめがけて、はなつ前に、レジーカは
「わかった。負けにしよう」
リリアは、ルーレ師匠に教わって、いや何度も襲撃修行をしたため、格闘、剣術、弓術はマックスに鍛えられていた。
レジーカの深層魔法により、そのあと、リリアのスキルアップをして、妖精ノートに勝敗を書きこむと、リリアは塔の上に出現した転移陣により、吸い込まれていった。
迷宮レジーカ第一層をクリアした。




