転生女子高生、演劇秋のたいカイ(中編続き)
図書館は広かったが、その真ん中の席に、王女と第二王女が座っていた。
リスが近づいていくと、二人がふりかえる。
「リスさん、間に合ったのね。来てくれてよかった」
「招待ありがとう。王の言葉きいたよ」
「そちらは?」
「助けてくれた、リーデルとミカニルだよ」
「はじめまして」
「はじめまして。いまはなにを」
「ええ、湖の鳥について調べていたの」
「ね、姉さん」
「そう、これを見て」
見せられた資料の本には、詳しく緑の鳥のことが書かれていた。
「緑の羽をもつ、高速で飛ぶ鳥。幸せを運ぶが、希少種であり、捕まえるのはムズカシイ。もし、方法があるなら、それは」
(暗転)
湖に近づくと、王に頼まれたという族たちがたくさん集まっていた。
ワシとタカが、開けている場所に降り、ウサギもすぐに到着する。
「ミカニル兄さん、このあとどうしよ」
「うん、まずは、アイテムを探そう」
「わかった」
リーデルは、王女から探すときに使っていいよ、と、魔法の靴をもらっていた。
その魔法の靴をはいて、王から受け取った青いレコード石と、それから必要なのは、時計台草に、湖の水コップ一杯に、木ノ実五つを探しにいく。
ミカニルは、あの奇妙な森で、ときどき不思議なアイテムを拾い、それを調べるのが日課だった。
しかし、家には不可思議大アイテム辞典しかなく、あまり詳しいことはわからなかった。
けれど今日みた、王女の手元の本で、アイテムの詳しい使い方がわかったのだ。
みんなで手分けして、アイテムを集めてきた。
「兄さんこれをどうするの?」
「これらを使うと、時計台の不思議な木が生える。あとは、それを並べて、夕方まで待つよ」
湖の林の少し入って開けてる場所に、先ほどのアイテムを並べてみた。
木ノ実に、時計台草を重ねておき、湖の水をあげる。
これを五つつくり、最後に王家の紋章つきのアイテム、ミカニルの持つコインをおく。
しばらく待つと、コインが回転をはじめて、そのあと、丸い時計の頭を持つような木が、育っていく。
丸い時計の形をしたその下がわには、ツルがたくさん生えて、手のようだ。
「すごい。コインの持つ魔力の力だよ」
「王家の紋章には、魔法の力が加えられているのね」
「あとは待つよ」
「兄さんどれくらい?」
「大丈夫。一時間くらい」
リスと、ワシにタカは不思議そうな顔をしている。
「待つだけで、鳥を捕まえられる?」
「王女に借りて読んだ本を信じよう」
「緑の羽を持つ鳥。五十往復ほど飛びまわると、眼をまわして、どこか木の枝にひっかかる姿を目撃される」
「だから、このツルみたいな時計台木が必要なのね」
「族が緑の鳥を、ずっと追いかけてるから、一時間もすれば、この空き地に避難しにやってくる。この時計台木の魔力に引かれて、ここにくるよ」




