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転生女子高生、夏休みのガッしゅく前編

 りーあのこの夏休みは忙しくなった。

 夏祭りにいき、夏の花火大会にもいった。

 そして、今日から部活の夏合宿がはじまる。



 お昼過ぎてから集まり、午後練習があり、そのあとから、土曜日と日曜日に渡る合宿だ。

 月曜日には、登校日があるため、日曜日に帰ると、次の日も学園にいく朝となる。


 土曜日、お昼を食べてから、寮をでる。

 管理人には、


「日曜には戻ります。合宿いってきます」


 と伝えると、おみやげとして、ペットボトルの飲みものを三本持っていくことになった。

 学園にはすぐにつくが、荷物があるため自転車をつかう。

 自転車に荷物を載せて、暑い午後、学園の門をくぐった。

 自転車を停めて、カギをかけて、荷物を部室の体育館まで持っていく。

 合宿所は学園の敷地にある。

 けれど、まだ開けてもらっていない。



 体育館はもう夏の熱気で暑い。

 思わず言ってしまう。


「暑いー!」


 そのまま、部室になる照明室にいく。

 照明室は、階段を上り体育館の2階とも呼べる場所にある。

 部室の扉をたたく。


 コンコンコン。


「失礼しまーす」


 なかに入ると、とおやくんとみゆさんが先になかで、まっていた。


「おはよー」

「おはよー。暑いね」

「暑いー!」


 部室にはエアコンがあるが、あまり使わないように言われている。

 窓が開けてあり、夏の生暖かい空気が流れている。


「はい、これおみやげー」


 ペットボトルの冷たい紅茶とサイダーを二人に渡すと、みゆさんは早速、紙コップをだしてきて、冷たいサイダーを飲みはじめた。


「ありがとー」

「じゃ、いただきます」


 三人して、冷たい飲みものを飲む。


「りーあさんは、合宿はじめて?」

「合宿もはじめてだし、泊まりもはじめてだよ」

「そうなんだ」

「バックにいろいろ持って来ちゃったよ」

「そうだよね。楽しみー」

「とおやくんは、バック何入れてきたの?」

「ゲーム機とトランプと、あと本かなぁ。

 着替えもしっかり持ってきたよ」

「そうだよね。暑いし」

「トランプか、いいね! 夜中使わしてもらおうかなぁ」

「いいよ」

「みゆさんは泊まりとかはどう?」

「中学のときにあったかなぁ。それ以来かも」

「そうなんだ」

「失礼しまーす」

「おはようございますー」

「おはようございますー」


 入ってくるのをみると

 えみさんとめぐやん、それにゆーみ、だった。


「暑いねー」

「うん暑い」

「窓開けてあるよ」

「でも部屋暑くなってるよー」

「そうだよね。

 飲みものいるひと、飲んで大丈夫だよ」


 とおやくんがいうと、三人が飲むらしく

 コップに三人分とおやくんが分けている。


「この飲みものは?」

「りーあさんの差し入れだよ」

「そっかぁ。ありがとー」

「わたしたちも、夜準備でお菓子とか持ってきたよ」

「そうなんだ」

「昼間暑いけど、夕方以降はもう少しマシになるかなぁ」

「そうだといいね」


 こう話している間に一年生のかめさんと黒さんも集まり、そのあとから、二年生三年生も集まりはじめた。

 それぞれに、おはようございます、とあいさつをしたあと、舞台に集まり、今日から三日間の合宿のスケジュールと、水分補給と食事をしっかりとるように言われる。


 話しの途中から、顧問の教頭先生もきて、

 冷たい飲みものと、麦茶を入れた飲みものタンクを置いてくれる。

 暑いから、熱中症に気をつけて、激しい運動はしないように、と言われる。


「はーい」


 そして、いつもの練習メニューの通りに、

 筋トレと柔軟体操、それに発声練習をおこなった。



 次には、簡単な早口言葉の練習をして、まずは台本読みをしようということになった。

 これには、照明と音響係も参加する。

 照明と音響係は、それぞれに、読み合わせをしながらも、照明プラン音響プランも同時に書き込みしたり、打ち合わせをした。



 二時間ほど、台本読みに使ったあと、

 身体を動かしていこう、ということで体操や空気ボールを使った受け渡しなど、主に顧問の先生が組んだ基礎練習をしていく。


 りーあも、だいぶ慣れてきたこのメンバーのなか、体操や基礎訓練をするが、暑さですぐに汗をかいてしまう。

 休憩に入ると、すぐに冷たい飲みものを飲む。

 麦茶はおかわりがたくさんあるらしく、ガブリと飲む部員もけっこういる。


 休憩十五分の間、みゆさんととおやくんを呼んで、照明プランについて、紙のメモをみせたりする。


 休憩が終わると、また一時間ほど、先生が組んだ演技練習をしていく。

 どうやら、この合宿期間で、一年生も演技に参加できるようにしたいらしく、先生がはりきっている。



 夕方になり、少しはやめに、夕食時間にしよう、ということになった。

 それぞれに、持ってきたお弁当をひろげたり、これから、コンビニやウェクハンバーガーに買いにいくひともいる。

 りーあは、部室に置いてあった、自分のカバンからお弁当をとりだす。

 しっかりと保冷もしてあるやつだ。


 とおやくんとみゆさんもお弁当のようだ。

 他のメンバーは、コンビニに買いに走ったりしていて人数が少なくなっている。

 教頭先生が、りーあに声をかける。


「部活はどう、慣れてきたかな」

「はい、少しずつですが」

「照明はどう、覚えられそう?」

「まだわからないこと多いけど、とおやくんがよく教えてくれます」

「そうなんですか。とおやくんは照明はどう?」

「慣れてきました。けっこう楽しいですね」

「社会人も参加しての演劇講座のほうは兵士役だよね。台本読みとか、わかってきたかな」

「そうですね。まだそこまでわかってませんが、そこそこに台本読んだり背景考えたりしてますよ」

「そうか。今度練習も観にいくから、そのときにでも聴いてね」

「わかりました。

 そういえば、先生も講座のほうで少しでるんですよね」


 これには、りーあは驚く。


「そうなんですか?」

「そう、できればでてほしいって、演出の斎藤先生に頼まれてね」

「そうなんですね。先生の演技気になるなぁ」


 りーあは素直に、そう思う。


「いやー、だいぶわたしは下手だよ。

 演劇は好きだけど、演技ってほどではなかなかなくてね」

「じゃ、続き夜にでも聴かせてください」

「わかった。それでは」


 こう話ししながら、お弁当を食べていく。

 食べている間に、コンビニにいったひとたちも戻ってくる。


「ウェクハンバーガーにいったひとたちは、もう少しかかりそうです」

「わかった」


 教頭先生が二年生たちと話している。


「ねえ、とおやくんは講座に誘われたのは、教頭先生からなんだよね?」

「そうだよ」

「もしかして演劇部に入ってみたのも、そうかな」

「たしか、そうだよ」

「えー、やっぱりそうなんだ」

「わたしのときもそうだよ」

「転校してすぐに、演劇部の見学もやってるから、ぜひ見に行ってくださいっていわれたよ」

「わたしは、そのあととおやくんの話しきいてからだけどね」

「そうだったね」

「ねえ、みゆさんはどう?」

「うん、お弁当おいしいよ」

「そっかぁ。

 教頭先生には誘われたりした?」

「わたしも誘われたけど、一度ことわったよ。けどすぐに、えみとめぐやんから、また誘われたからさぁ」

「そうなんだね」


 こう話していると

 ウェクにいったひとたちが帰ってきた。


「おかえりなさい」

「戻ってきたよ。外かなり暑いね」

「あ、冷たい麦茶でもどうぞ」

「そうだよね。ありがとう」


 お弁当を食べおえたりーあとみゆ、それにとおやは、他のメンバーに場所をあける。


「部室にいってようか」

「そうだね」


 部室に三人していくと、とおやは照明を操作しはじめる。


「いまのうち、少し照明練習するよ」

「いま、少し照明してて大丈夫ですか?」


 下の夕食時間のメンバーに声をかける。

 どうやら大丈夫らしい。


 とおやは照明機材のスイッチを操作してみる。

 舞台の明かりが、ついたり消えたり、

 ホリゾント幕の照明がついたり、色が変わったりしている。

 どうやら、台本をみながら、話しの進み具合にあわせてプランを書きこんでいるようだ。

 りーあもマネして、自身の台本に書き込みをしてみたり、ノートをだして、照明プラン仮と書いて、スイッチや明かりの方向を書き込む。



 舞台上でコンビニ弁当やウェクで買ってきたものを食べていたメンバーが、徐々に片付けをはじめている。 

 照明室にくるひとも増えてきた。

 どうやら、荷物をまとめたあと、合宿場所となる、空き寮に移動するようだ。

 りーあととおやも荷物をまとめたりと準備する。

 教頭先生と部長が声をかける。


「荷物まとめたら合宿場所案内するから

 準備お願いします。

 あと、就寝は夜の十時なため、それまでに質問や部室に用あるひとはすませてください」


 それぞれで、


「わかりました」

「オッケー」


 と返事をしている。



 合宿場所となる寮は学園の敷地内にあるため、歩いて5分の場所にある、少しだけ古い感じのする寮だ。

 りーあのいる寮は比較すると新しいいい寮なのかもしれない。


 そこまで荷物を持って歩いていくと、

 寮の玄関の鍵を教頭先生が開ける。


 鍵はそのまま三年生部長に渡すようだ。


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