貧民街を後にして
辺り一帯になんとも言えない、言葉を発しにくい雰囲気が漂い始めると。
「も、申し訳ありませんでしたっ!!」
不意にムルクリタがガバッと勢いよく頭を下げ、そのまま言葉を続けた。
「そこまで考えていませんでした、本当に申し訳ありません!!トヴェリアは悪くないので、どうぞ罰するなら俺を!周囲に気を配れなかった俺を罰してください!」
大声でそう言い、訴えるムルクリタ。見るとムルクリタの手は僅かに震えていて、恐らく顔は恐怖で強ばっているのだろうなと簡単に想像出来た。しかし、それでもトヴェリアは悪くないと言い、自分の非を認めたムルクリタに尊敬の意が込み上げる。
私はどうにかして義兄から怒られないようにと考えていたのに、ムルクリタは怒られる覚悟を決め自分から謝った。こんなものを見せられたら、私も覚悟を決めないといけないだろう。義兄に怒られる覚悟を。
私は自分の専属護衛が胸を張れるよう、彼らが守るに相応しい人間になると決めた。それならば、ここで逃げては恥だろう。
私も覚悟を決め、ムルクリタに習って義兄の方を向いてガバリと頭を下げた。
「お義兄さま、申し訳ありませんでした!私も何度お義兄さまと発してしまったことか……それと、ムルクリタたちにも事前に説明をしておらず……このような不測の事態にも備え、お忍び中の呼び名など教えておくべきでした。本当に申し訳ございません」
義兄から発せられるだろう叱りの言葉を、ムルクリタとともに震えながら待っていると。
「ルナ、顔を上げろ」
意外にも義兄の声音は優しく、私は驚きながらゆっくりと顔を上げた。すると義兄はなぜか困ったような顔をしていて、私は小さく首を傾げる。
「別にルナが謝る必要は無い。それに、お忍び用の名なんて教えずとも少し考えれば名前を呼んではいけない事くらい分かるはずだ。その考えに至らなかったのだから、ただこいつが無能だったというだけだ。ライアンならこのような失態は犯さなかっただろうしな」
その少し棘のある言い方に、私も何て返せば良いのか分からなくなり曖昧に笑顔を浮かべた。
ムルクリタとトヴェリアを専属護衛にするのを反対してきたときから薄々感じてはいたけれど、やはり義兄は二人のことがあまり好きではないらしい。
「前々から思っていたが、ルナは優しすぎる。今回も危ない目に遭っただろう。一歩間違えれば怪我をしていたかもしれない。お前はもう少し、他人を見捨てたり誰彼構わず手を差し伸べる事を止める方法を学んだ方が良い。このままじゃいずれ、ルナが不利益を被り苦しむ事になりそうで心配だ」
義兄の口から発せられた言葉は、本心から言っているようだった。優しい瞳が不安そうに揺れ、私をじっと見つめてくる。そんなに悲しそうな顔をされると、何を言えば良いか分からなくなってしまう。
私は義兄の言葉を心の中でゆっくりと反芻した。確かに、一歩間違えれば怪我をしていたかもしれない。相手はいかにも暴力沙汰に慣れていそうな悪党だった。もし全員で襲いかかられでもしたら私も対処出来ずに怪我をしていただろう。
それに、私の魔力が暴走して制御出来なくなり、もっと被害が出ていた可能性もある。私にどのぐらい魔力があるかは分からないが、それでもこの辺り一帯を吹き飛ばすぐらいの力はあるだろう。そうなったら近くにいた義兄やサリー、コリーが危険に晒されていた。
「……申し訳ございません。お義兄さまの言う通り、今回は一歩間違えれば大変なことになっていたかもしれません。怒りで我を忘れていたとはいえ、ご心配をおかけしてしまい申し訳ございませんでした」
もう一度ぺこりとお辞儀をして義兄に謝る。
「いや、分かってくれれば良いんだ」
義兄は優しく微笑みポンポンと軽く私の頭を撫でる。それからすぐに真面目な顔になり、ムルクリタたちに向き直った。
「お前達はルナの専属護衛だ。お前達が何かやらかして怒られれば、優しいルナは自分に非がないのに謝ってしまう。その優しさに決して甘えるな。主人に謝らせないよう、常に自分の行動に気を付けろ」
「はっ」
義兄の厳しい言葉に、声を揃えて敬礼する二人。私はその言葉に、私に非がないことはないだろうにと考えながらも口を挟まなかった。それよりも、優先すべきことがある。ムルクリタたちとは魔研でも話せるが、コリーたちとはそうはいかない。先にこっちの問題を処理しなければ。
「お義兄さま、少しよろしいでしょうか?あの、サリーを安全な場所で休ませたいのですがどこか良い場所に心当たりはないでしょうか。ここは病人には不衛生すぎるかと」
私の言葉に、サリー?と眉を潜めた義兄は、チラリとサリーの方を見て困ったように私を見た。
「そうは言っても、今はだいぶ落ち着いているだろう?何もお前がそこまで心を砕く必要はないのではないか。二人は元々ここで暮らしていたんだ、この環境にも慣れているだろう。だから放っておいても大丈夫だ。それよりもルナの方が心配だ。この悪質な環境で変な病気でも拾ってきたらどうする?早いとこ帰って薬を手に入れ、後は使いの者でも出して届けてもらえば良い」
そう諭すように義兄に言われ、私は少しショックを受けながらもなんとか言葉を発した。
「で、でも、落ち着いているとは言ってもまだ油断ならない状況なんです!それに、いつもは大丈夫でも身体が弱っているときは危ないでしょう?私のことなら大丈夫ですから、最後まで面倒を……」
「だが、こいつらは貧民街の人間だ。優しいルナには酷かもしれないが、本来貧民街の人間は病気になったらそこで終わりなんだ。こういうことを言うのは気が引けるが……ルナとは住む世界が違う。立場の弱いやつらの命なんてすぐに消えてしまう。だからこいつらの日常を壊さないためにも、変に構わない方が良い」
「そんな……」
義兄の酷い言葉に、私は何も言うことが出来なくなってしまった。住む世界が違う。立場の弱いやつは死んでも仕方がない。そんな、弱肉強食の世界だなんて……
薄々分かってはいたが、こうも真正面から言われると悲しくてしょうがなくなった。本人たちを目の前にして、こうも簡単にスパッと切り捨てられるとは思わなかった。だって、同じ人間じゃないか。同じ世界に住む、ただ身分が違うだけの、同じ人間。それなのに、貴族の人間は救われて貧民街の人間は救われないだなんて……
呆然としながらコリーたちを見ると、コリーは悔しそうに唇を噛んでぎゅっとサリーを抱きしめていた。その姿に心が痛くなり、私はぽつりと呟く。
「……そんなの、間違っていると思います。この世に消えても良い命なんてありません。皆、等しく大事な命です。ただ身分が違うだけで、同じ世界には住んでいるじゃないですか。今、目の前に。苦しんでいるサリーがいるではないですか……」
「ルナ……」
私の言葉は静かにその場に消えていった。義兄もどう説得したものか分からず困惑したのだろう。また、辺りはぎこちない雰囲気に包まれ静まり返った。
「あ、あの、ルナディ……あ、いえ、ルナ様」
シンと静まり返り、地獄のように気まずい空気の中。おずおずと話し出したムルクリタに皆の視線が集まった。トヴェリアも義兄も、一体何を言うのかとかなり警戒しているようでじっと静かに見つめていた。
私が顔を上げてムルクリタを見ると、ムルクリタは緊張した面持ちでサリーを見てから話し出した。
「えっと、その。ルナ様は彼女が療養出来る場所をお探しなのですよね?なら、俺の家はどうですか?その、弟や妹がいてうるさいしあんま立派な家じゃないんですけど。ただ、俺が頼めばきっと両親も承諾してくれるだろうし、ルナ様がお望みならその男の子も面倒見てくれると思います。それに、俺の家であれば俺がルナ様から薬を受け取り届けることも出来ますし。……その、どうでしょうか?」
不安げにチラリと義兄を窺いながらそう告げるムルクリタに、私は驚きすぎて何も言葉が出なかった。まさか自分の家を推薦するとは思わなかったのだ。だが、ムルクリタは平民の出。私の家に連れ込むよりはよっぽど現実的だ。
でも、本当にムルクリタの両親が許してくれるのだろうか。だって、貧民街の人間だ。あんなに忌避されているのに……急に、この子の面倒をお願い、なんて押しつけて、嫌がらせだと思われないだろうか。
チラリとコリーの様子を窺うと、コリーもこの発言には驚いたらしく目を見開いてムルクリタをガン見していた。
「その、それはとっても魅力的なお誘いなんだけど……本当に大丈夫なの?その、ご両親やご兄弟の許しを得ていないのにそんなことを言ってしまって。急に押しかけて、やっぱりダメでしたとか……」
コリーの期待を上げて落とすなんて酷なことをしたくなくてそういえば、トヴェリアもこくりと頷いて、
「そうだよ、ムルクリタ。いくらルナ様のお役に立ちたいからってそう軽はずみなことを言うのは良くない。彼女は貧民街の人間だぞ?その辺も良く考えて言葉を言った方が良い」
と続けた。
同じ平民でも、やはり貧民街の人間は差別されているのだなと悲しくなったが、その通りなので私も頷いた。
「いや、ほんとに大丈夫だと思うんですよ。俺の両親はこんな俺を専属護衛にしてくれたルナ様に恩返しがしたいって泣きながら言ってたんです。だから、ルナ様が困っているなら喜んで手を貸してくれるはずです!」
私とトヴェリアの言葉に、そう力を込めて説明したムルクリタ。その揺るがない自信に私も折れ、それなら……と義兄を見上げた。
「ここまで言ってくれているのですし、私はムルクリタの言葉に甘えたいと考えているのですが……お義兄さまはどうでしょうか。もしムルクリタの家で療養出来れば、私がサリーの様子を見に行っても大丈夫ですよね?」
じっと期待を込めて見つめれば、義兄はムルクリタと私、それからサリーを見た後、はぁと大きくため息を吐いた。
「……まぁ、貧民街に行くよりは良い。だが、見舞いに行くときは俺もついていくからな。ルナを一人で家になんか行かせられん」
「ありがとうございます!!」
無事義兄の了承を得た私は、笑顔でコリーに向き直った。
「コリー、今の言葉聞いたでしょう?サリーが良くなるまでムルクリタの家で面倒を見てくれるって。彼は私の信頼する人だから、安心して大丈夫よ」
コリーはとても戸惑っているみたいだったが、ムルクリタをじっと見つめた後深々と頭を下げた。
「ありがとうございます」
それから私たちは皆でムルクリタの家へ向かうべく、ムルクリタを先頭にしてその場を後にした。貧民街を立ち去る際、拘束していた男たちは解放してもう二度とサリーとコリーに手を出さないこと、悪さをしないことをキツく言い聞かせた。そして、壊したサリーの家の建て直しを依頼し、もし二人が戻ってきたときに家が完成していなかったらただじゃおかないと脅しておいた。
これで悪党たちが大人しくなってくれれば良いと思うが、結局は野放しにすることになってしまうので不安は完全には拭えない。この貧民街の状況を改善出来る術があれば良いなと思ったけれど、流石にそれを考えるのはキャパオーバーなので一旦放置だ。
今はサリーを元気にすることが第一である。
ムルクリタの家は住宅街にあった。ぎゅうぎゅうに建てられている、たくさんの三階建ての縦長の木造アパート。その一室がムルクリタの家らしい。狭くて、大人数で乗れば崩れてしまいそうな階段をギィギィと音を立てながら上り、三階に辿り着く。
最初はムルクリタとサリー、そしてコリーの三人だけで伺い説明して終了の予定だったが、私がどうしても直接お話したいと言ってついてきたのだ。私が行くと言えば、無論義兄もついてくる。トヴェリアは建物の外で護衛をすることになった。
まずはムルクリタが家族に大まかな事情を説明するため、家の中に入っていった。しばらくすると扉が開かれムルクリタに呼ばれたので、私はスッと一つ息を吸ってムルクリタの家に入る。ムルクリタのご両親に初めて会うと考えると、とても緊張してきた。
「お邪魔します」
私が声をかけゆっくり中へ入ると、私は家族総出で出迎えられた。ムルクリタのご両親と二人の弟に一人の妹、そしてムルクリタ。六人が狭い部屋に立っているので、少し圧が凄かった。
私に続いて義兄とサリー、コリーが入る。因みにサリーはまだ眠っているため、コリーにおんぶされている。
八畳ほどのリビングに十人も入ると、明らかに店員オーバーだ。家具は避けられ少しスペースが空けられていたが、それでもやはり狭かった。前世ではこのぐらいの広さの家に住んでいたのに、まさかこうも狭く感じられるだなんて……やっぱり豪華な暮らしに慣れすぎてしまったのかもしれない。
「こ、このような場所までご足労いただき誠にありがとうございます。狭く見苦しい部屋で、たいしたお持てなしも出来ず申し訳ありません」
緊張した面持ちでペコリと頭を下げるご両親。それに倣って、弟や妹も揃って頭を下げた。
「いえ、そんなお気になさらないで下さい。こちらこそ急に押しかけてしまい申し訳ございません。用が終わりましたらすぐお暇いたしますので」
私も慌ててペコリと頭を下げると、こほんと義兄に咳払いをされハッと慌てて頭を上げる。
いけない、癖で頭を下げてしまった。貴族が平民に頭を下げるのは言語道断。しかも私はムルクリタの主人だ。つまり私は雇用者という立場に当たる。易々と頭を下げてはいけないんだ。謝っても頭は下げない。これ大事。
なるべく堂々と、自身を持って、貴族らしく。今はお忍びモードから貴族モードに変えなくては。初対面の印象は大事。こんな頼りない子の専属護衛として息子が働くなんて恥ずかしいわ、とか思われないようにしなくては。
私はすうっと息を吸い、しゃんと背筋を伸ばしてご両親を見据えた。
「お初にお目にかかります。皆さまはもうご存じかもしれませんが、わたくしはルナディール・ロディアーナと申します。此度はこのような急な訪問、そしてこのような姿での挨拶となり申し訳ございません。ですが、急を要する案件であり、わたくし自身の口からお願いしたく参上させていただきました」
優雅に淑女の礼をし、私はこれでも立派な貴族ですからご安心下さい!と見せつけるようににこりと微笑む。
ムルクリタの家族も私に感化されたのか、皆スッと背筋を伸ばして緊張した面持ちで立っていた。そこで、どこかぼーっと私を見ているムルクリタに視線を送り合図をすると、しばらくしてからハッとした様子でムルクリタが話し始めた。
「ルナディール様がここへいらっしゃったのは、この二人のお世話をして欲しいって頼みに来たからなんだ。この子達は貧民街の人間なんだけど、ルナディール様の大切な方らしい。特にこの弱っている女性はルナディール様の恩人だとか。それで、彼女のためにルナディール様が薬を調達してこられるまで、ここで面倒を見て欲しいということなんだ。……これで合っていますよね、ルナディール様」
説明し終わるとムルクリタが私に視線を寄越し、私はこくりと頷いた。
「その通りです。急なお願いとなってしまい申し訳ありませんが、あなた方にはこのサリーとコリーをしばらく預かって欲しいのです。サリーはわたくしの恩人です。受けた恩は必ずお返ししなければなりません。ですが、このまま貧民街に放っておけば病状が悪化するのは明らか。どうしようか困っているときに、ムルクリタが我が家で面倒を見るという素晴らしい案を提案して下さいました。わたくしとしては、皆さま方が了承して下さるのであればそのお言葉に甘えたいと考えております。難しい頼みであることは重々承知しておりますが、どうか頼まれてはいただけませんでしょうか。もちろん、サリーが回復した後にはそれ相応のお礼を差し上げます。どうか、サリーとコリーの面倒を見ては下さいませんか」
深々と頭を下げたいのを我慢しながら、私は静かに、祈るようにムルクリタの両親を見つめた。二人は少し考えるように互いに目を合わせたが、こくりと頷いて私の前に跪いた。
「もちろんでございます。貴女様の恩人とあらば、例え貧民街の方だろうと私たちの恩人も同然。そのお願い、謹んでお受け致します」
ムルクリタのお父さんがそう深々と頭を下げると、お母さんも同じく頭を下げた。それを見た弟や妹も、同じようにして跪き頭を垂れる。
私はその仰々しい姿に少し萎縮したが、表情には出さず、
「ありがとうございます」
とお礼の言葉を述べた。それからコリーの方を向き、にこりと笑う。
「コリー、今日からはサリーが良くなるまでここで面倒を見てもらって。サリーが良くなる薬は必ず手に入れる。もし病状が悪化したり危なくなったらムルクリタ経由ですぐ私のところに知らせて」
私の言葉にこくりと頷き、それから、
「ルナディール様、何もかもありがとうございます」
と深々と頭を下げ、
「皆さんも、これからお世話になります」
とムルクリタの家族に向かって頭を下げた。
「こちらこそ、これからよろしくお願いします」
コリーを見つめるお父さんの目は優しかったので、ムルクリタの家族は良い人たちだなと自然と笑みが溢れた。
「あの、これはサリーたちの生活費です。なるべく早く薬を手に入れるように善処しますが、何日かかるかは分からないので。何かあればこのお金を使って下さい。もちろん返さなくて大丈夫ですから」
銀貨三枚を手にしお父さんに差し出すと、お父さんは目を丸くしてふるふると首を振った。
「そんな!そのような大金いただけません!」
銀貨三枚で大金と言われ、やっぱりこの感覚なら銀貨八枚のあの薬は絶対に売れないのではないかと思わずにはいられない。
「いえ、受け取って下さい。二人の世話をしてくれるのですから、生活費を払うのは当たり前です」
断られてもぐいと銀貨を差し出せば、お父さんは困った顔で銀貨を見つめた。
「……では、後ほど必ずお返し致しますね」
そう言って銀貨を受け取ったので、私は苦笑してふるふると首を振った。
「いえ、お返しいただかなくて結構ですよ。そうですね……どうしても気が引けるというのなら、それはムルクリタのボーナスだとでも思って下さい。ムルクリタはわたくしのためによく働いてくれています。今回のように、わたくしが困っていたら助けようとしてくれる素晴らしい騎士です。ですから、そんなムルクリタに対するわたくしからの褒美だとでも思って下さい」
にこりと笑ってそう言うと、お父さんは銀貨をぎゅっと握りしめたまま深く頭を下げた。
「ありがとうございます……!!」
心なしか言葉が震えているように感じたが、私はあまり長居しても迷惑になると考え、特につっこまずその場を去ることに決めた。
「では、用も終えましたのでわたくしはお暇させていただきます。急な訪問にも関わらず、お出迎えして下さりありがとうございました。ムルクリタも、今日はお休みだったのに護衛をしてくれてありがとう。後はご家族の皆さんとゆっくり過ごして。明日はまた魔法研究所に行くことになると思うから」
「かしこまりました!」
ビシッと敬礼するムルクリタに、弟と妹はキラキラとした目を向けている。その姿を微笑ましく思いながら、私はサリーとコリーを置いてムルクリタ家を後にした。
ムルクリタの家族登場です!ムルクリタ、なんと四人兄妹の長男だったんです。お兄さんキャラ大好きです……!!いつかムルクリタ兄妹のほのぼのSSとか書いてみたいですね。