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危険と黒の王宮

父親の罪で貴族の娘から奴隷の下働きになった9歳のアリシア 13歳の時に高給娼婦館に

売りに出される寸前 街道で王と出会って・・

思わぬ危険と救い


街道の横の森の木陰から

十人以上の鎧を纏った者達が現れた



「くく…聞いていたぞ あの血も涙もない冷酷で残酷なアジェンダが

お前のような小娘に、たいそう御執心だ」


「我々は奴に惨殺された反乱軍の生き残りだ

たっぷり可愛がってやる 死体は街道に飾ってやろう」


王の部下が戦うが 多勢に無勢 店の者達も逃げる間もなく殺された


「いやぁ 離してぇ」

泣き叫ぶアリシアを近くの小屋に連れ込む


押し倒され服を破かれる

「やめて!いやよ!」


あ…もう駄目

涙を流すアリシアヒュンと風を斬る音と共に

男の首が無くなる


残りの身体が倒れ

次々とアリシアを襲った者達があっと言う間に殺された


「大丈夫か…アリシア姫」


「そなたを守っていた部下が死ぬ間際に魔法の伝書鳩で事態を知らせた

可哀想に恐ろしい思いをさせた 許してくれ」


アジェンダはアリシアを

魔法で出した薄い毛布に包み抱き締めた。


「あ…」ポロポロと泣き出すアリシア

毛布に包まれ抱き締められて一緒に馬に乗り王宮へ



残された男達の死体 黒い奇妙な形の穴が空間から現れて 

黒い奇妙な形のものが出てくる

ぼりぼりと死体を食べて 黒い化け物はまた穴の中へ



第四章 黒の王宮


「黒の王様 この娘は?」


「アリシア姫だ 黒の貴族の姫君だ

彼女は黒の王族の血を持っている 大変な目にあった」


「薬師を呼べ、それから姫は 今後は王宮に住む

離れの一番上等な部屋を用意せよ」


「風呂の支度もだ それに衣装などの必要な物に姫付きの女官達を

心優しい細やかな気配りの出来る女官を選べ」


「はい、王 解りました すぐ手配致します」女官が礼をした後で 準備の為に立ち去る


「アジェンダ王様

ところで、その姫君の父上 名前はなんと言われるのですか?」

傍付きの腹心の家臣でもあるクインが問いかける


「アリシア姫 父君の名前は?」「あ‥あのダルトア男爵です」


「えぇ! ダルトアですと 確かに傍系ですが、王族の血筋です」


「しかしダルトアは、先の水の女王であり黒の女王エルテア様に黒の大貴族達を

暗殺しょうとした罪深き者」


「アジェンダ様の母君

エルテア様の夫の火焔の王ナテア様がたいそうお怒りになり

男爵は首を跳ねられ処刑し 一族の者は残らずに奴隷にせよと厳命を」



「その命は撤回する 既に私の父も母もない 私がこの国の王だ」

冷たい表情で アジェンダは言う


「既に王命は下した

アリシア姫は奴隷の身分から解放して黒の貴族の姫の身分…

いや、王族の血を持っている これより黒の大貴族の姫だ 」


「ああ…そうだ一族の者達も解放する黒の貴族として 生き残りはいるか?」


「いえ 王様

男達は鉱山に送られ、落盤事故で皆、死んだとの報告があります女達は自害や以前の疫病で」


「子供で生き残りは娘の一人だけと」



「そうか 可哀想に姫」


「それから、その暗殺未遂事件だが、再調査せよ

クイン、そなたもあの腹黒い狸の事は 前々から良く知っているはず

他にもあの狸の事を調査せよ 今度こそ、ルアンナ、尻尾を掴んでやる」



女官の一人が言う

「王様 アリシア姫様の御部屋の準備が整いました」


「治癒の薬師も呼んでおります 湯浴みの支度も済んでおります」


「わかった、頼んだぞ

ああ、それから軽い食べ物に飲み物や果実も 後で一緒に食事をしょう アリシア姫」


「あ、はい 有難うございます なんと感謝していいか 私」

涙が流れ落ちる


そっと頬にキスをして涙を指先で拭うアジェンダ


「良い、気にするな」




第五章 残酷な償い


「この手は姫よ 酷い有り様だ」


「あの、私は七歳の時から下働きとして働いていました」おずおずと話すアリシア

「どんな仕事を?」アジェンダが問う


「洗濯に料理の下ごしらえ ジャガイモや人参の皮むき パン作

御部屋のお掃除に風呂を沸かすなど」


「暴力はなかったか? どんな服を与えられた?」

心配そうにアジェンダはアリシアに問いかける


ボロボロの服に 鞭に暴力 まともな食事もなく

一日中朝早くから夜遅くまでこき使われて

まともな教育も受けられなかった事を聞きだしたアジェンダ


どんなにみじめな思いをさせられていたかを知る



「我が母、優しき水の女王であるエルテア女王は 奴隷とて まともな食事に

最低限の勉強をさせる事を法で定めた」


「特に子供の奴隷の虐待を禁じた 

今後は安心して過ごす事を約束しよう まずは湯浴み(ゆあみ)に食事や服だ」

「後で 我が姫」


「・・あ、ありがとうございます」涙ぐむアリシア



アリシアが他の女官たちに連れて行かれた後

不気味な笑みを浮かべるアジェンダ


「クイン」残酷な王の顔


「はい、我が王」クインは にこりと当たり前のように微笑む


アジェンダを始め黒の王族

特に火焔の者達は 愛する者を熱愛するが

決して敵には容赦がない それは火焔の王である彼の戦の有り様のごとく


クインも代々の王に仕え 良く知っている


アリシアを酷使した者達への残酷な身の毛もよだつ長い時間をかけた罰が待っている


他サイトあります

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