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会話の続き
二人は会話を続ける。
母を毒殺され、妹は惨殺された孤独な王 アジェンダ
この世界では 魔力の証 希少な深紅の瞳がサリューンを見る。
長き射干玉の黒髪が揺れ
サリュ―ンの方の赤い瞳もアジェンダを見返す。
「アラシャは相当な富豪らしいから、富、金貨は必要ないだろうが…
地位や領地は欲しくないのか?」アジェンダ王
肩をすくめて苦笑してサリューンが答えた。
「いきなり新参者が地位や領地を与えられたら、王宮の大貴族たちに
何をされるか解りません」
「それに俺は…やがては王国を去り
アラシャ達の国へ行きます 子爵家は遺しません
跡継ぎはいない俺で終わり…
黒猫のアラシャとの約束です 待っている者達がいます」
「そうか…」アジェンダ王
「そなた、サリューンは欲がないのだな」
「いえ、そうでもないですよ ふふっ」
「何か欲しい物が出来たら いつでも言うがいい」アジェンダ王の言葉に
「有難うございます」サリューンは丁寧に礼をして答えたのだった。




