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後編〜 大切な親友へ 〜

「ところで、龍馬(りゅうま)。お前と白波瀬(しらはせ)さんが付き合ってることって、誰か知ってるの?」



「いや、お前以外ほぼ知らん」


「ほぼ? じゃあ、知ってる人もいるってこと?」


「誰と付き合ってるか、知ってる人はお前だけだよ? だから、この事がバレたらお前ってすぐ分かるからな?」


「付き合ってることは知ってる人もいるけど、誰と付き合ってるかは知らないってことか」




  確認のために言葉を変えて聞いてみると「そそ。だから責任重大だよ」とスマホ越しでも龍馬の威圧が伝わってきた。




  これは、これは。なんか……。



「なんか、嬉しいなー」


「なにが?」


「いやー。俺だけ知ってるって優越感!」




  なんで、今になって。4月24日になってから教えて来たのか。



  付き合ったならもっと早く教えてくれたっていいじゃないか!


  親友なんだからもっと早く教えろぼけぇ!


  俺が知らない間に青春しやがって!



  という感情は勿論あったが、それよりも――








  ――俺だけしか、知らない事を龍馬は教えてくれた。それはつまり、信頼していると言外に言っているような事だ。





  その事が妙に嬉しかった。





  龍馬の大切な友達でいられることが。龍馬も俺の事を、大事な信頼に値する友達だと思ってくれていることが。




  そんな感情が、文字の裏には隠れているような気がした。




「嫉妬は程々にね」


「いや、嫉妬じゃねーわ!」


  瞬間的に否定の文字を送信するがふと思い、また文字を打ち込む。


「いや、嫉妬なのかもしれない」


「え、お前そっちの趣味が……」


「いや無いから?! 友達的な嫉妬!!」




  なんだかんだ、こうやって長い時間メッセージのやり取りをするのは楽しかった。



  学年が上がり、クラスも別々。学校で話す事が少なくなっていたから、この時間がとても楽しかった。






  俺はそっち系の趣味はないので、早々に話を切り替えるためにメッセージを送信。




「エイプリルフールどっちから仕掛けたの?」


「あっちから」


「そうなのか。くっそリア充め! リア充爆発しろ!」





  いや、でも世の中のリア充みんな爆発して俺だけになるのは嫌だな。





  テヘペロと絵文字を送ってくる龍馬。それで余計にイラッと来たが、まぁ恋愛頑張って欲しいという気持ちがあった。






  俺も付き合った事があるが、中々上手く行かないものだ。それこそ、漫画やアニメ。ラノベのような輝いた恋愛なんて無かった。





  龍馬の初? 彼女。龍馬に悲しい思いはして欲しくないから密かに応援しようと思った。



  勿論これは、本人には恥ずかしくて言わない。


  言うぐらいなら、街中の人の前で盛大にコケた方がマシなくらいだ。……それは流石に言い過ぎかもしれないが。





  実際に転んだ時は滅茶苦茶恥ずかしかった。コケる前まで隣にいた龍馬は、何故か他人の振りをしていたっけな?













  恥ずかしい出来事を思い出してしまったので思考を切り替えるためにスマホのメッセージに集中する。



  ただのメッセージに集中するなんて自分でもどうかと思うが……。




「そういえばさ、俺白波瀬さんと小学校一緒だったけど連絡先持ってないわ」


「ほちぃ?」



  何故か子供や猫などに話しかけるような言葉の文字が送られてきたので俺は、あえて返信しなかった。



  だが、それを龍馬は肯定と受け取ったのか「そっかそっかほしいのかー」と全く的外れなことを言ってきた。




  もちろん、これは龍馬の悪ふざけ。これに乗る以外の選択肢はないだろ?



「ま、まぁ? 貴方がどうしてもくれるって言うなら貰うけれど?」


「ツンデレかて」


「ナイスツッコミ」


  やっぱり龍馬と話すのは楽しいわ。






「白波瀬さんツンデレじゃなくて、デレしかない」



  なんだコイツ唐突に自分の彼女の事話し出して。調子乗んなコノヤロー!



「他の男子にはツンツンなんじゃね?」



  胸の中のちょっとした嫌味は龍馬に伝えず返信する。

  そんなに器小さくねぇしな。



「にゃっぷもえ」

「ギャップ萌え」



  わざと、ふざけで誤字送信をするが、龍馬の反応は。



「いや、デレデレ。嫉妬するって話だよね」


  いや、誤字のやつはスルーかよ!! おふざけ、伝われよコンチキショーっ!!



「嫉妬しとけコノヤロー!」


「器ちっさ」


「うっせ」










  それからも、龍馬の惚気話やら。ちょっと気が早いかもしれないが、将来の話なんかをした。







  久しぶりにこんなにいっぱい話せて楽しい時間だった。





  改めて、俺は龍馬の事が友達としてこんなにも好きなのかと認識させられた。
















  白地龍馬(しらちりゅうま)白波瀬美音(しらはせみね)の恋愛が上手く行くように俺は静かに願ってるぞ!!


  あ、彼女できたからって俺を除け者にしないで、ちゃんとカマって欲しいな。














  あと、白波瀬さんに振られた友達も頑張れ!! きっといい出会いがこの先にもあると思うから。




















  白地龍馬――大切な親友。これからも、俺と仲良くしてくれると嬉しいな。







  もし白波瀬さんに振られた時は俺が慰めてあげようではないか。






















  あ、あと貸してる金早く返して欲しい。

この作品は、僕の体験を元に書いたものです。もちろん、所々改変はしています。

友達からも名前を変えたらオーケーと了承を得てます!



【作者からのお願い】

この作品が面白い、好きだなと思った方は評価やブックマーク登録して頂けると執筆の励みになります。




連載中の作品や他の短編小説も読んでいただけると嬉しいです。



【最後に】

この作品で気になった事やもっと知りたいことがあったなら気軽に感想下さい!

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― 新着の感想 ―
[良い点] いや〜、会話がめっちゃ共感したしあるあるが盛り込まれてて、リアルだなぁと思ってたら実体験でしたか! にやにやしたりぷっと笑えたりする楽しいお話でした! [気になる点] 行間が若干空きすぎか…
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